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無気力組はアイドルだった第1話「チョコレート」
「……眠い」
朝。
赤葦京治は、ソファに座ったままスマホを眺めていた。
「朝からそれ?」
キッチンから白布賢二郎が顔を出す。
「白布も眠そうですよ」
「俺はいつもこんな感じ」
「ふーん」
リビングの床では国見英が寝転がっている。
「……今日学校?」
「ある」
月島蛍が即答する。
「行きたくない」
「僕も」
「じゃあ行けば?」
「月島もね」
その横では研磨がゲームをしていた。
「……うるさい」
「ごめん」
全員、朝からやる気がない。
そんな5人のスマホが同時に鳴った。
《チョコレート🍫》
グループLINEだった。
りん:おはよ
あき:おそ
りん:まだ8時だよ
ほたる:学校は?
りん:今日は午後から
かい:いいな
けん:俺ら今から学校
けい:今日の仕事、何時からでしたっけ
りん:夕方
あき:じゃあ帰ってきて
りん:急だな
ほたる:来るなら早く
りん:はいはい
5人は顔を見合わせる。
「……りん来るって」
国見が言った。
「久しぶりですね」
赤葦がスマホを置く。
「この前会ったじゃん」
白布が突っ込む。
「仕事で一緒だっただけでしょ」
「そうだけど」
5人にとって、角名倫太郎は幼なじみ。
そして、6人全員が幼い頃から一緒に過ごしてきた。
今では全員別々の学校に通っている。
それでも、グループLINEでは毎日のように話している。
そして――
6人には、誰にも言えない秘密があった。
彼らは今、若い世代を中心に絶大な人気を誇るアイドルグループ。
『チョコレート』
メンバーは6人。
けい。
けん。
りん。
ほたる。
あき。
かい。
テレビをつければ、ほぼ毎日のように誰かが映っている。
特に赤葦と白布は俳優としても活動しているため、知名度はさらに高い。
けれど。
学校では誰も知らない。
赤葦京治が「けい」だということも。
白布賢二郎が「けん」だということも。
月島蛍が「ほたる」だということも。
国見英が「あき」だということも。
孤爪研磨が「かい」だということも。
そして、角名倫太郎が「りん」だということも。
「そろそろ行きますよ」
赤葦が立ち上がる。
「……めんどくさ」
国見が起き上がる。
「帰ってきたら仕事?」
月島が聞く。
「今日は全員あります」
「最悪」
研磨がゲームを止めた。
「……帰ってきたら、りんいる?」
「たぶん」
白布が答える。
そのとき、玄関から声がした。
「じゃ、行ってくる」
5人が振り返る。
「いってらっしゃい」
扉が閉まる。
今日もまた、それぞれの学校へ。
そして誰も知らない。
この6人が、あの超人気アイドルグループ――
『チョコレート』のメンバーだということを。
コメント
1件
寺島あおいです、読ませていただきました🌷 この6人の朝の空気感、すごく好きです。無気力だけど不思議と温かい距離感が、長年一緒にいる幼なじみならではって感じがして。LINEの「チョコレート🍫」の通知が入った瞬間の静かな盛り上がり、それぞれの反応の違いが自然で「ああ、このメンバーだ」って思いました。そして最後の「誰も知らない」——この一文で一気に世界観が広がる感じがして、続きがすごく気になります。赤葦と白布の「仕事」っていうやりとりも、アイドルとしての顔がちらっと見えてドキドキしました。
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らーゆダヨ🍜
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