摩浪side
摩浪『んっ』
目を覚ましたら俺は部屋で寝ていた。周りを見ても俺の荷物しか無かったから、此処は多分、1年の部屋じゃないなとわかった。
摩浪『はぁ』
最悪。電話してるとこ見られた。しかも赤木さんの目の前で自傷行為までやって、迷惑かけて、何してるんだ俺は。
摩浪『_( _ *`ω、))グリグリ』
枕に顔を押し付けてぐりぐりする。俺、なんか疲れてんのかな?練習がすごくキツイとかは無いけど、自分が思ってる以上に体にきてるのかも。熱中症にならないように水分とかもしっかり摂ってるのに。
やっぱりアイツのせいかもしんねぇ。
摩浪『何でアイツごときのせいで、こんな思いしなくちゃいけないんだよ』
|*・ω・)و゙ コンコン
ノック音が聞こえたから俺は返事をする。
摩浪『はい』
北「起きてたんやな。もう大丈夫か?」
摩浪『大丈夫です。すみません』
北「謝らんで。路成から話は聞いとるから」
摩浪『そうなんですね』
話聞いたのか。
北「首見して」
摩浪『あ、はい』
俺は襟を軽く引っ張り顔を少しだけ上に向ける。あんまり見られたくないけど、先輩の言うことは聞かないとな。
北「絞めた痕は薄くなっとるけど爪痕残っとる」
摩浪『結構強く絞めたみたいで』
北「息苦しいとかないか?」
摩浪『それは大丈夫です』
色々質問された。いつも通りの真顔だったけど、俺を心配しているのはわかる。やっぱ、北さんが主将で良かった。
北「今ちょうど飯の時間やから行くで」
摩浪『あ、すみません。俺食欲無いです』
北「それでも何か食べんと」
摩浪『大丈夫です。今までも1日何も食べないとかあったんで少し食べないくらい平気です』
北「それを大丈夫とは言わん」
俺に飯食って欲しいのは分かるんだけど、今は本当に何も食べれない。
摩浪『本当に大丈夫です。風呂入って寝ます』
北「体調悪いんか?」
摩浪『元気ですよ。でも何か無理です』
北「わかった。無理強いはせんけど腹減ったら直ぐに食堂来るんやで」
摩浪『はい』
北「俺は戻るな」
摩浪『ありがとうございます』
北「おん。おやすみ」
摩浪『おやすみなさい』
北さんが出ていくと俺は直ぐに風呂の準備に取り掛かった。
摩浪『よし行こっかな』
準備を終えて風呂場に向かう。途中で食堂の扉が軽く開いていることに気づき、中をチラッと覗く。
皆で仲良く談笑しながら食事してた。明るい部屋で多人数で集まってる。何でかな、あの中に居たいのに行けない、俺の居場所があの中には無いって感じてしまった。
摩浪『やめだ、やめ。余計なこと考えんで風呂』
その場を後にしようとした時。
尾白「摩浪」
摩浪『!』
尾白さんに声を掛けられた。
摩浪『あ、あの。すみませんでした、練習途中で抜けてしまって』
尾白「謝らんでええよ。皆知っとるから」
摩浪『そうすか』
尾白「今から風呂行くんか?」
摩浪『はい。食欲無いから、もう風呂入ってさっさとて寝しまおうかなって』
尾白「そうか」
摩浪『あの尾白さんは今来られたんですか?』
何となく疑問に思ってたことを聞いてみた。
尾白「監督に呼ばれたからな」
摩浪『なるほど。あ、俺がここに居たら中入れませんよね、失礼しますm(_ _)m』
尾白「待って」
呼びとめられたから後ろを振り返る。
摩浪『? はい』
尾白「まぁ、北と赤木に言われと思うけど何かあったら頼ってな」
摩浪『え、』
尾白「頑張り屋なことはええ事なんやけど、摩浪の場合は人並み以上に頑張っとるから」
摩浪『あーはは』
尾白「全然良いことなんよ、いっぱい頑張ることは。それでもキツイって思う時もあるから、そういう時は俺らを頼って休んでも大丈夫」
摩浪『うす』
尾白「引き止めて悪かったな。風呂入っておいで」
摩浪『あ、あの。ありがとうございます』
尾白「おん」
尾白さんは食堂に入る前に、俺の頭を撫でてから入っていった。優しいし世話好きで、試合でも頼れるエース。
摩浪「かっこいい」
何て思いながら風呂に歩いて行った。
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