テラーノベル
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「直美、そんなん俺がするって、この前も言うたやろ」
「ハイ…ハルくん…スミマセン」
「もう一回言うで?直美は女の子。わかる?」
「はい……もう36ですけど…」
「36でも、俺より年上でも、女の子や。わかる?大人の女性やけど、女」
「うん…はい…わかるからハルくん怒らんといて…」
「ん…ちゃんと俺に甘えること、な」
……きっと亜優ちゃんのいる部屋じゃなく、階段のところで話をしていた中西夫妻の会話を、お互いに開けた小窓越しにわざわざ立ち止まって聞いてしまった夜…
私の中の何かが揺らいだ。
42歳の私よりずいぶん若いと思っていた中西さんの奥さんが36歳?10歳ほど若いかと思っていたけど?ご主人が年下?
その年下のご主人から、出産後も、その子が 6 歳になっても、女性扱いされて大事にされている…ママじゃないんだ…
お互いに名前で呼んでいるんだ…うちは千愛が生まれてから一度も名前で呼び合っていない。
月一回の営みの最中でさえ、名前を呼ばない…最中にはパパ、ママとも呼ばないと、今更ながらに気づく。
それって、相手が誰でもいいような感じなのか?とも不安になる。
私は夫の気持ちと自分の気持ちに不安を持つと同時に、中西夫妻を羨ましいと感じた…特に直美さんが羨ましい…
そうモヤモヤしていたある夜
「うん…」
それだけの声で私の布団に入ってきた夫が私のパジャマを捲り上げる。
これだけで始まって終わるのだもの…寂しい…私だって愛されたい。
そう感じた私は、胸を弄る夫の手の甲を押さえ
「……いっぱいして…宗人クン…」
と胸を揉ませて言ってみると、彼の動きが止まった。
「……どうした?お前、浮気でもしたのか?」
「…ぇ………」
動きを止めた夫の想定外の言葉に固まったのは私だった。
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