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SOMAMON7A
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#ディストピア
三毛 アツシ
247
古流斬
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能研本部・訓練室。
訓練を終えたソウヤは、一人で椅子に座り込んでいた。
静かな部屋。
誰もいない。
右手を見つめる。
「……また、あの声だ。」
拳を握る。
「俺は……何なんだ。」
その頃。
結衣は廊下でイレイダを見つける。
「イレイダさん。」
イレイダは足を止める。
「どうした。」
「ソウヤのことです……。」
「様子がおかしいんです。」
イレイダは少しだけ目を閉じた。
「分かってる。」
「今はまだ、自分と戦ってる最中だ。」
「手を出すな。」
「……はい。」
訓練室。
ソウヤは再び能力を使おうとしていた。
「はぁっ!」
空間がわずかに歪む。
しかし──
(……弱い。)
頭の中に声が響く。
ソウヤが固まる。
(その程度か。)
「またお前か……。」
(俺を使え。)
「断る。」
(お前じゃ勝てない。)
(アリスにも。)
(誰にも。)
ソウヤは耳を塞ぐ。
「黙れ!」
その瞬間。
視界が真っ暗になる。
気が付くと、そこは何もない黒い空間だった。
床も空も存在しない。
ただ黒だけが広がる世界。
「……ここは?」
後ろから声がした。
「よう。」
ソウヤが振り返る。
そこに立っていたのは──
自分だった。
いや。
瞳は深紅。
笑みは冷たく、不敵。
制服も黒を基調としている。
「やっと会えたな。」
「俺は──レイ。」
「お前が……。」
「俺の中にいた……。」
レイは笑う。
「正解。」
「俺はずっとお前を見てた。」
「弱いよな、お前。」
ソウヤは睨む。
「俺は俺だ。」
「お前なんか必要ない。」
レイは肩をすくめる。
「強がるな。」
「俺がいなきゃ、お前は何も守れない。」
その頃、現実世界。
ソウヤは突然動かなくなる。
結衣が駆け寄る。
「ソウヤ!」
反応がない。
タジが焦る。
「おい!フリーズしてるぞ!」
柚季も表情を変える。
「精神世界に引き込まれてる……。」
イレイダだけは冷静だった。
「予想通りだ。」
タジが振り向く。
「助けないのかよ!」
「助けられねぇ。」
「これはあいつ自身が越える壁だ。」
「他人は入れない。」
精神世界。
レイが一歩近づく。
「俺を受け入れろ。」
「そうすれば、お前はもっと強くなれる。」
ソウヤは首を振る。
「力だけならいらない。」
「仲間を守れるなら、それで十分だ。」
レイは笑みを消した。
「……甘い。」
その瞬間。
黒い衝撃波が放たれる。
ソウヤは吹き飛ばされる。
現実世界。
ソウヤの体から黒いオーラが漏れ始める。
空間が震える。
タジが青ざめる。
「また暴走かよ……!」
結衣はソウヤの手を握る。
「お願い……戻ってきて。」
イレイダは一歩前へ出る。
静かに愛刀へ手を添える。
「……最悪の場合。」
「私が斬る。」
その一言で全員が息をのむ。
イレイダの表情に迷いはなかった。
精神世界。
ソウヤは立ち上がる。
傷だらけになりながらも、レイを見据える。
「俺は逃げない。」
「お前にも。」
「俺自身にも。」
レイは口元を吊り上げる。
「……そう来なくちゃ面白くねぇ。」
黒い空間が激しく揺れ始める。
二人は同時に地面を蹴る。
拳と拳が激突した瞬間──
つづく。
コメント
1件
読了しました…! ソウヤの中にいる“もう一人の自分”=レイ、めっちゃ不気味でカッコよかったです…。「俺を受け入れろ」って言いながらも戦う気満々なとこ、二人の対峙が静かな緊張感でゾクゾクしました。 特にイレイダの「最悪の場合、私が斬る」が重くて、その覚悟が切ないです。結衣の「戻ってきて」も心に響きました…。 次、どうなるんだろう…続きがめちゃくちゃ気になります!