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双子の兄ができました

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双子の兄ができました

7 - 第7話「陽翔の告白。そして奏との“秘密”が、陽翔にバレる夜」

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2025年06月21日

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夕方、俺の部屋。

陽翔さんが、ドアを開けて入ってきた。


「ねえ、ちょっとだけ……話、してもいい?」


ベッドに腰かけた陽翔さんは、少しだけ笑ってた。

でも、目は――笑ってなかった。


「俺、もうわかってたんだ。奏と、君が……」

「手、つないでたことも。傘の下で、何かあったことも」


俺は息をのんだ。


「なんで……知って……」


「偶然、見ちゃったんだ。あの日。

ふたりが並んで帰ってくるの、窓から。

楽しそうで、近くて、……俺、見てられなかった」


陽翔さんの声が震えていた。


「なのに、俺さ……ずっと待ってた」

「“俺のことも見てくれるかも”って」

「……バカみたいだよね」


「陽翔さん……」


「好きだよ」

「誰よりも、君のこと。ずっとずっと、一番近くにいたくて、兄って呼ばれるたびに嬉しくて――」

「……でも、もう“兄弟”って言葉じゃ足りなかったんだよ」


俺は、何も言えなかった。


胸が痛い。

苦しい。

陽翔さんを、そんな顔にさせたのは――俺だった。


「でもね、君が奏と手をつないでるの、見て思った」

「“負けた”って」


陽翔さんは立ち上がった。

ドアの方へ向かう、その背中がやけに遠く感じた。


「俺がいない時の君は、奏にしか見せない顔をしてた」

「……ずるいよ、ふたりとも」


そしてドアの前で、一度だけ振り返った。


「それでも、まだ好きでいるから」

「……諦められるわけ、ないじゃん」


扉が、静かに閉じられた。


俺は――


動けなかった。

涙が頬をつたっても、呼び止める声は、出なかった。


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