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しょうらいのゆめ
そう黒板に大きく書かれている
「松木 零さん」
「はい!」
先生に名前を呼ばれ、大きく返事をした
作文を両手に持ち、一行だけ書かれた文を読む
「わたしのゆめは…お嫁さんになることです!」
静寂の中、私は席に座る
あまりの短さに先生は困惑をしている
「れいちゃん、夢ってお花屋さんとかパティシエとかの事を言うんだよ!」
隣の席の男子が笑いながら話しかけてくる
それをきっかけに教室中が笑いに包まれる
「お嫁さんも夢でしょ?」
「だから叶うかどうか分からないことを夢って言うんだって!」
そうだそうだと声が上がる
ここは国会議事堂か
あの時の男子に言いたい
17歳になった今も初恋はまだしていない
彼の理論で言うならお嫁さんは夢で間違いないだろう