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ユウハカ20歳(18、19で結婚済み)
捏造しかない
ユウマside
落ちつかない。
早く家に帰りたい。
……なのに
「なんでこんな時に限って憑从影が現れんだよ!!亅
黒神ユウマ20歳。絶賛1人で憑从影の殲滅中っす…
今日はたまたま大学の授業が1つしか入れてなかったし、午前中に早く帰りたかったのに…
……俺の不幸体質はいつ直るんでしょう。本当に。
「はぁ……愛しい妻が辛そうなんで早く帰らせてもらえませんかね!?」
「異能力 百式の参、30%解放 戒撃!!」
(今朝)
今日も今日とて心地の悪い悪夢を見て目が覚めた。
……あれ?ハカがいない。
俺とハカはここ黒神心霊相談所の3階で暮らしてて、ご飯はいつも2階のリビングで俺が作ってみんなと食べてる。
だから俺ら2人はみんなより早めに下降りるんだけど
俺より朝が弱くて、いつもだったら俺が起こしているはずのハカが、ベットにいなかった。
一瞬、ハカがたまたま先に起きて下に降りたのかと頭をよぎったけど、そうじゃないことはすぐに分かった。
「……ハカ?大丈夫か?」
寝室を出ると、ハカはゴミ箱の近くでしゃがみこんで、苦しそうにしていた。
「う…ちょ….ちょっと…ごめん…まっ…お゛ぇ……」
いても経ってもいられずハカの背中をさする。
これがつわり…
たしか匂いに敏感になって気持ち悪くなったり、急に食欲がなくなって何も食べたく無くなるっていう…
なんだよそれ。辛すぎるだろ……
俺が死ぬほど呪いを持ったとしても…ご飯を食べられないなんてぜってー耐えられないと思う。
「ゆっくりで大丈夫だからな。…今日大学どうする?」
「い…行かな…い……むり…」
「まぁ…そりゃそうだよな。しっかり休めよ?」
「あ…ユウマ…っ」
ハカが立ち上がる。フラフラで今にも倒れそうだった。
「無理に立ち上がるな。今日は大人しく…」
少し冷たい手が、俺の頬に触れる。
「ボケナス…早く……帰ってきなさいよ…」
さっきまで不安しか無かった俺の心が暖かくなるのを感じた。
「…ああ。分かってる」
ハカを優しく抱きしめる。
「….?」
その途端、優しい寝息が聞こえてきた。ハカが眠ってしまったらしい。
安心できたんすかね……?
このままという訳にもいかないから、もう1度ハカを寝室へ運んで、吐き気が襲ってきた時用の洗面器と、口を拭くためのティッシュを置いた
「恥ずいことは….忘れる….か」
ハカが高校時代に言ってた「3秒ルール」を思い出し、自然と笑みがこぼれる
いってきます、という声が部屋中に響いた。
「もう午前中すぎちゃったか。」
下級の憑从影を殲滅したあと、腕時計が13時7分を指していた。
まだ昼食ってねーし、朝ごはんリビングに作り置きしたけど多分ハカもあの様子じゃ食えてねーしな。
「…何か買ってきますかね~。」
ミレイside
「悪い姉貴。予備の鍵置いとくからハカの様子見てくれねーか?」
って今朝ユウマに言われてここにいる訳なんだけど…
「ほ…本当に大丈夫?」
「…だいじょば…ない……です。」
まあ…こんな状態のハカちゃんをユウマが1人で家に置いてくわけないよね。
だって見たことないくらい苦しんでるもん…
「………。」
私はこの苦しみを味わうことがないんだよね。
胎動を感じたり、陣痛の痛みを感じることもない。
女としての幸せを全部奪われちゃったから…
なんだろう
ちょっとハカちゃんが羨ましい。
「…ミレイさん?」
「うわっ!!どうしたの?」
いやいや私何言ってんの!!
ユウマとハカちゃんの赤ちゃんが無事に産まれてきてくれたら、お姉ちゃんが自分の子どものように可愛がればいいじゃん!!
はーほんと、まだまだだけど楽しみだなぁ〜。
ハカside
つわりを舐めてた1週間前の私、まじで殴りたい
何が「ユウマに強く当たっちゃう」よ
当たる気力もないんだけど
こんなに体調悪くなるのいつぶりだろ…。ユウマと入れ替わった時くらい…?
あれは互角な気がする。ユウマの身体やばかったもん。
ミレイさんが、心配そうな顔で私を見ている。
ミレイさん…来てくれたのにろくに会話出来ないの嫌だなぁ…。
「わりぃ。遅くなった。」
心地のよい低音が響く。
ユウマが帰ってきた。
嬉しくて飛び跳ねたい気持ちだったけど、出来そうにない。
反射的に目をつぶる
「しーっ。ハカちゃん寝ちゃってる。」
「あっごめん。」
「なんでそんな遅くなったの?」
「あー…大学の帰りに憑从影に遭ってさ。」
え…!?憑从影に…???
「まぁ下級くらいだったから全然無傷なんだけどな。その後…買い出しに行ってて。今日なんも食ってねーなって思ったから。」
ユウマ…下級だったにしろ憑从影と戦って疲れたはずなのに、私の為にわざわざスーパまで…
「ちょっと軽く食べられそうなもん作るわ。姉貴も折角だから食ってく?」
「わーい!!お姉ちゃんも手伝う!!」
「やめてください…それだけは…」
ユウマがミレイさんと一緒にキッチンに行ってしまった
いつ目を開けていいのか分からない。
なんでだろう。
そもそも私、なんで狸寝入りしてる訳?
自分でも分からない。目をつぶったのは自分なのに。
そんなことを思っていると、ドア越しにユウマの話す声とまな板の音が聞こえた。
「なぁ、姉貴。」
「ん?」
「…ハカに、悪霊とか憑いてなかったか?」
え?悪霊?どうして悪霊の話が?
あ、もしかして1体憑けてきたとか?だからその1体が私に憑かれないようにって…(迷推理)
「あっ…いや…変な意味じゃなくて、ハカがあんなに苦しんでるの…初めて見てさ…ちょっと動揺してて…」
「だから…どうしても悪霊の仕業としか考えられなくて、ぜってーそんなわけないって分かってるけど…悪霊だったら、俺が代わりに背負ってあげることできねーかなって。…まじごめん。俺馬鹿だよな。んなわけないのに。」
「ユウマ…。」
…そんな思い抱えてたんだ。
子どもを授かったら必ず起こることって産婦人科から説明あったのに…
……あれ。なんでだろ。
…苦しいのは、体調不良のせい?
身体とこころの震えが止まらないのはつわりのせいなのかな?
ううん。きっと違う。
いつもそうだ。
辛い時や悲しい時、私は尊敬するミレイさんでも、黒神先生やパパでもなく真っ先にユウマを探す。
いや、ユウマの手は私が探す前にはもう既に目の前にある。
この手の温もりと優しさが染み渡って、心がきゅっとして、苦しいような心地いいような、そんな感覚を浴びるんだ。
そんなユウマだからこそ…
前を向いて…乗り越えられる気がするんだ。
10分後
ユウマが寝室に来る。
「ハカ〜?起きてるか〜?」
「…分かんない」
「…起きてるんだな笑」
「うるさい。」
「起き上がれそうか?」
「う…うん。」
「無理だったり吐きそうだったら全然残してもいいからな?ゆっくり食べろよ?」
「ボケナス。子ども扱いしないでっ…
わぁ…」
ユウマが作ってくれたのは、コーンポタージュだった。
「いただきます」
冷たいスプーンを持ち、口に運ぶ。
その瞬間、優しくて暖かいポタージュが口の中に広がる。
甘すぎるはずなのに、その甘さが私の食欲を誘う。
「ごちそうさま。」
「…量多かったか?って思ったけどめっちゃ食ってんじゃん。」
「言うな…」
「よかった…。」
「え?」
ユウマの雰囲気が変わった。
昔からユウマはそんな顔をする時がたまにある。
その顔は優しい雨のようで、安心する雨だ。
「…俺、ハカがあんなに辛そうなの見てられなくてさ。」
「…悪霊が私に憑いてんじゃないかってやつ?」
「…聞いてたのかよ…恥ず。」
「じゃあユウマに問題ね?」
「?急にどうし…」
「実際憑いてると思う?」
「ど…どうでしょう…笑」
「回答になってないよ?」
「えぇ〜笑じゃあ『いない』で」
「ハズレ」
「いや笑なわけないだろ」
「ボケナス。いるの。」
「どんな悪霊なんすか?」
「その悪霊は、ユウマでも何週間かかけないと取り憑かせることが出来ないちょー強力な地縛霊。」
「地縛霊?」
「…やっぱり嘘。ユウマが死なないと成仏しない。」
「なんだそれ笑」
「ボケナス。」
「え……?は、ハカ?」
ユウマの膝の上に乗る。
すごく固くて、寝心地はものすごく悪い。
「つわりだからしょうがないの。」
だけど、ユウマの顔が近くに見える。
妊娠がわかった時、ユウマは私と赤ちゃんがいてくれてるだけで それでいいって言ってたけど
私だってユウマがいてくれるだけで自然と笑顔になる。
きっとこの子が産まれたら、2人と笑い合えことが出来るだけで幸せなんだ。
おまけ(ユウマがコーンポタージュ作ってる時)
視点なしです
「よし、とりまできたな。姉貴〜残ってるやつ食っていいぞ?」
「ねぇねぇユウマ。これに入れて持ち帰っていい?」
「え?まさかタッパー持ってきたのか…?」
「だぁってぇ!!お姉ちゃんユウマのコンポタ毎日食べたいんだもーん!!」
「毎日は無理。さすがに。」
「それにぃ〜」
ミレイがユウマの耳に囁く
「ハカちゃんと2人で赤ちゃんのこともっと愛でなきゃ」
「は?いやいや、全然め、愛でてるって!!」
「だってお姉ちゃん早く会いたい!!」
「はは笑。俺も会いたい。」
「…じゃあお姉ちゃん赤ちゃんの抱っこの練習してくる!!」
「気はやすぎな笑?気をつけて帰れよ?」
「……」
「ミレイ?」
「車椅子は?…まだそんなに歩き回っちゃダメでしょ」
「ミレイが心配だから迎えに来ただけ。ほら、一緒に帰ろ?」
「うるさい。ていうかリビング行くだけだから1人で帰れるし。」
「僕が一緒に帰りたいんだけど?」
「は?」
「だって…4年も将来の奥さんを待たせちゃったし」
「将来の奥さんじゃない…から…」
「ははっw曖昧になってますけど?」
「すぐ口に出す癖直せ。」
「zzz…」
「….!!」
「喋りながら寝るな笑!!」
「コウ!!!」