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右が山田リュウセイくんで
左が吉田ソウタくんです!!
この2人なんだかんだ憎めないし、2年B組のみんなリレー回で大好きになっちゃいました笑
シリーズ化するかもです
成人した2人とユウハカのお話(短編2つ)
絶対に来る未来の話(ユウハカの妊娠話)と若干繋がってます!!
捏造しかない
「あいつの綺麗な顔を知った日」
吉田side
君を一目見たときから、天使って存在するんだなって思った。
白くてやわらかい髪、ぱっちりとした赤い目、横顔によく映えるまつ毛。
そんな彼女に釘付けになり、その日の夜は寝れなかった。明らかに一目惚れだった。
だからこそ、幼馴染の権限で隣にいるあいつを
すごく邪魔だと思った。
「うお〜!!吉田久しぶり笑笑」
「おう笑ちょっと老けた?」
「んな訳ねーだろ笑」
かつての同級生と集まり、高校時代とほとんど変わらない会話を交わす。
…とは言っても、高校卒業して1年ぐらいしか経っていない。
今日は俺の天使の結婚式。誓いのキスなど諸々終わって、今は披露宴だ。
まあ「俺の」とは言ったけど天使の結婚相手は俺じゃない。
どことなく懐かしさを感じて、息をふうっと吐く。
招待状渡されたはいいものの、昔好きだった女の子の結婚式へ行くなんてちょっと複雑だなと思った。
だけど…それでもあの子の幸せそうな顔と…あいつがちゃんと生きてんのか確認したくて、行く以外の選択肢がなかった。
俺はあいつがただの悪霊まみれ男で、孤立して暗いやつじゃないことを知ってる。
高校時代
「はぁ…よりによって山田いないしぼっち下校じゃん…俺。」
その日はいつも大体一緒にいる山田が委員会でいなくて、1人で帰る予定だった。
最近進路進路ばっか言われて、もう頭ん中おかしくなりそう。
未来のことなんか…いつでもお気楽状態で生きてるはずの俺には分からないのに…
少しイライラしてたであろう気持ちが、目の前で起こったことをきっかけに一瞬でなくなる。
あいつが血を吐いて倒れていた。
「え…?お、おい!!大丈夫か!?」
倒れているあいつとあいつの血液を見て、こっちが倒れそうだった。
全身の血の気が引く。
「…吉田?…おま…え…なん…げほっ…で…っ」
「なんでじゃねーよ!!保健室いくぞ!!」
いくら悪霊まみれで、近づいたら呪われそうなやつでも、こんな死にそうだったら流石にほっとくことは無理だ。
「背負ってやるから…早く掴まれよ…!!」
「い…いい…から…」
「は?」
あいつは地面を見てしゃがみこんだまま動こうとしなかった。
「んな事できねーって!!ほら!!」
「いつ…もの…ことだから…ほら…もう吐いてねーっすよ…。」
「そんなこと…言ったって…」
ふと疑問が頭をよぎる
「いつものこと」?なんだそれ。
「落ち着いたか?」
「お、おう。…ありがとうな。吉田。」
あいつにお礼を言われる。
少し照れくさそうなあいつの顔。
見慣れねぇ顔。
「んで、お前なんでこんなとこで倒れてた訳?『いつものこと』ってなんだよ。」
「…やっぱ、聞いてたんすね……。」
あいつは動揺も、驚いた表情をすることもなく、ただ下を向いていた。
「俺…100体以上の悪霊に…」
「あ。それは知ってる。」
「そうっすよね…笑。」
「だから『不幸体質』…というかむしろそれ以上に、身体が人より重いんすよね。」
「どういうこと?」
「呪われまくった身体なんす。悪夢で熟睡できなかったり、血を吐いたりすることなんて…日常なんすよ。」
「え?ちょっと待って?なんでお前生きられんの?」
「分かんないっすよ笑 毎日死にかけてるっす笑」
「物騒だけどあと1年くらいで死んじゃいそうじゃね?お前」
「そうかも笑」
あいつは笑った。俺はあいつが笑ったところを初めて見る。
けど、俺には1ミリも笑える内容じゃない。
自然とあいつに同情してしまう。
今まで同情どころか仲良くもしようとしたことなかったのに。
沈黙が俺の心をつららのように突き刺す。
いても経ってもいられず、あいつの方を見る。
「?どうしたんすか?」
「あ…いや…その…」
しまった。急に見つめたから…
なにか話題変えねーと…
「えっと…お前その首…どうしたんだ?」
「これ…っすか?」
あいつが少し動揺した顔を見せる。
これ聞いちゃダメだったやつ?
俺やらかした?
「何でしょうね。ほんとに。」
「は?」
「俺、こんな痣数年前までつけたくなかったんすよ。」
「だけど…今は、これがあるから俺がいるっつーか…」
「何…言って」
「分からないっすよね…。」
少しイラッとする。あいつが知ってて俺が知らないことがあるのが嫌だった。
「じゃあ、俺帰らなきゃなんで。そろそろ行くっすね。俺、吉田とこんなに話せて楽しかったっす。水も…ありがとう。」
「は?おい待てよ!!」
「…また明日。」
こっちを振り向いて。また笑った。
その顔はどこか儚く、だけどどこかで心に秘めたなにか強いものを感じた。
そしてそんな表情をしているあいつを
なぜかすごく綺麗だと思った。
それ以降はあいつがそんな顔をすることはなく、いつものようにクラスで孤立していて、そして喋ることもほとんどなくして卒業した。
あの時は一切分からなかった。
だけど今思えばあいつは、天使…いや三途川さんがいるからあんなに苦しいこともプラマイゼロなんだな。
久しぶりにあいつの幸せそうな顔を見て思う。
今にも死ぬことしか考えていなそうな顔だったのにあんな幸せそうな顔しやがって。
すげー腹立つ。
あいつとのやりとりが無ければ、きっと俺はこの式に来ていない。
悔しいけど、超悔しいけど、三途川さんとあいつはすげーお似合いだ。
これ以上なんて見つからねえ。
黒神ユウマ。
お前は世界で一番幸せになってほしい男だよ。
「あいつの素直でマヌケな顔を知った日」
山田side
俺は今保育士として働いている。
意外だって思うだろ?俺もだ笑。
そりゃ俺の高校時代はなかなかだったからな。
だけどなんだかんだこの仕事が俺に合っていて、充実しているしやりがいも感じてる。
今日は新しく入ってくる子が来た。
俺の担当は0歳児クラスで、かなりの頻度で入ってくる子が多い。
男の俺はオムツ替えなどの仕事を性別上どうしても控える必要があるので、こういった入園手続きなどをよく任される。
「__ちゃんお迎え来ました~!」
「は~い。今行きま~す。」
可愛い名前が呼ばれて、返事をする。
1番乗りじゃん。早いなお迎え。今日来たばっかだから心配してんのかな。
まだ上手く歩けないその子を抱っこして玄関まで連れていく。
その数秒後起こることを知らずに。
「こんにちは。とっても良い子でしたよ。」
いつものように親御さんとの会話を交わす。
「ありがとうございます。また明日もよろしくお願いします。」
鈴のような聞き覚えのある声だった。
一気に記憶がフラッシュバックする。
「もしかして…三途川さん?」
「え?」
「いやーまさかこんなとこで再会なんて…」
「う…うん」
「……」
き…気まず~
いやそりゃそうだよな…俺たぶん嫌われてたし…
どれだけアピールしても、今考えたら黒神に夢中だったもんな…。
オッキーが来て、あいつらがお互い思い合ってるってこと知った時、ちょーショックだったけど。
というか結婚式行ったから結婚したのは知ってたけど、子どもも産まれたんだ。
「山田くん?大丈夫?」
「えっあごめん!…どうした?」
「いや…一点病だったから…」
流石に何か話題つくんねーと…
「というか…子ども生まれたんだな…」
「う、うん。去年の春にね…」
「すげぇ可愛い名前だよね。名付け親は三途川さん?」
「あ…えっと…」
「悪いハカ。遅くなった。」
「黒神……」
黒神がやって来る。
おそらく買い出しをしてたんだろう。両手に買い物袋を持っている。
「え?山田?…どうして」
「__のお迎え行ったら偶然会って…保育士してるんだって」
「ヘ…へぇ…」
すげぇこっちを見てくる。そんなに意外なんだな。いや分かってたけど。
「それで…名付け親だっけ
…実はユウマなんだ。」
「黒神なんだ…」
「あぁ…一応俺っすね。」
黒神…こんな可愛い名前考えられるんだ。
なんだろ…ちょっと意外かも。
「…この子の顔見て…ピンと来たっつーか…今まで候補とかいろいろ考えてたんだけど…」
「ユウマね。抱っこした時めちゃくちゃ泣いてて、もうその時点で「____」って呼んでてそれで決まっちゃたんだ笑」
「ちょ!!恥ずいからその話やめろって言ってんだろ!?」
「ははっ笑やめない笑」
2人で幸せそうに笑ってる。
結婚式のときとは少し違う、大人びた顔。
まだ日は浅いけど、保育士の俺なら分かる。
これは親にしか出来ない顔だ。
俺の記憶の中にある黒神は、いろんな顔をしている。
みんなが見ているであろう暗いあいつの顔。
オッキーに自分の思いをバラされて、真っ赤になったあいつの顔。
そして…
リレーん時にバ卜ンを繋いだあいつの顔と、
俺の命を救ってくれたときの黒神の顔と叫び声。
通称ヨンナナ事件…当時すげー流行ってたヨンナナの予言が外れた日。
最悪の外れ方をした日。
当然、東京都民である俺もバケモノに遭遇した。
そんな時に俺を助けてくれたのは黒神だ。
空飛んでて、すごいスピードでバケモノを塵にする。
黒神は怪我をしてて、傷だらけだったはずなのに
「ぜってー死なせねぇ。」
バケモノに会った怖さが一瞬でなくなり、普段の様子と全然違う黒神から目が離せなかった。
「早く避難しろ!!俺がみんな殲滅すっから!!
死なせねーから全力で逃げろ!!!」
必死で戦いながら叫ぶ黒神の声は今でも鮮明に覚えている。
そうか。
本当は黒神ってすげー優しくてかっこいい奴なんだ。
「ふぇ…っえ…っ」
急に____ちゃんが泣き出してしまった。
「あーあ…。泣いちゃったなぁ」
「保育士さんがオムツ替えたはずだし、離乳食も食べてちょっとしか経ってないはず…。ユウマ荷物持つからあやして。」
「え!?俺!?」
「ボケナス。次泣いたら俺がやるって自分で言ってたでしょ?」
「そうでした…すいません。…よしよーし。いいこだから。」
黒神があやしてもなかなか泣きやまない。
「今日はご機嫌斜めか?…頑張って泣きやんでくれ~泣」
「黒神。ちょっと…貸して。」
「え?」
「いいから。」
「は、はい!」
黒神から__ちゃんを受けとる。
俺が大学で積み上げてきたあやし方をこの子にも試す時だ。
頭を軽く撫でて、一定のテンポで優しく背中を叩く。
きらきらしている目が自然と俺の方を見たかと思えば、すぐに眠ってしまった。
この子は素直な子だ。見ためも含めて将来三途川さんに似そうだ。
「す…すげぇ…。流石保育士…どうやったんだ…!?」
「お…おう…見たまんまだよ。」
「あ…いや分かってるんだけど…コツ掴むの難しくて笑。
なんつーか山田ってすげーなって。」
黒神がこっちを見る。
今まで見たこと無い顔だ。
「…お前。そっくりじゃん。」
「え?いやどちらかと言うとハカに似てるってよく…」
「いずれ分かると思うよ。なぁ?三途川さん。」
「え…ぁ…あの」
「じゃあ俺戻るわ。…立ち話長かったな。わりい。」
「う.. ううん!ありがとう。話してくれて」
「おう。さんきゅー」
「山田…!」
「明日も…この子をお願いします。」
俺はふり返ることなく、職場に戻った。
だけどその日以降、仕事が1000倍楽しくなった気がする。
あのマヌケ顔、すげー傑作だ。
※補足&個人的解釈
ユウハカの子は10ヶ月~1歳くらいです!
オッキーが転校してきた以降、ハカにどれだけアピールしても無理だってことに気づいた山田くんと吉田くんは最終的に好きだったハカよりもハカの想い人であるユウマの方に目がいってしまうんじゃないの?(ユウマの本当の性格ex… )っていうやつです!
昨日の鈴鹿御前可愛すぎました…いつか出せたらいいな~