(おい!君!危ないよ!)
(え、、、、?)
気がつくと私は9歳の時に交通事故に遭ったあの場所に立っていた。
直後、あたりに耳をつんざくようなブレーキ音の後、言葉では言い表せないくらいの感触が私の体に流れた。
(先生、、、この状態では、、もう、、)
場所は手術室大きな照明に私が照らされている。
「そんな、、春花、、」
するとあたりに突如“ピー”という音が響き渡った。
(死亡、、確認、、)
すると私は暗い部屋の中、顔に白い布をかけられて寝かされている。
(春花、、、ごめんね、守ってあげられなくて、、)
(ごめんな、春花、、こんなバカな親で、、)
両親が私の遺体に覆い被さって大粒の涙を流している。
え、、?私、、死ぬの、、?いやだ、、怖い、、
気がつくと全身から滝のような汗が噴き出していた。
「!!!」
私が目を開けるとそこには私の部屋の天井が広がっていた。
(よかった、夢だったんだ。)
私は思わず安堵のため息をついた。
体を起こすと枕が汗でびっしょりと濡れている。
(やばい、9歳のときの夢、久々に見たな、、)
私は時々この夢を見る時がある。そしてこの夢を見る時は大体何か良くないことが起こる.
まぁ、偶然だよね、こんなことは。
とりあえずさっきのことは忘れようと気分転換に窓の外を見るとすずめがチュンチュンと可愛らしく鳴いている。
(可愛いな。すずめちゃんも今日も頑張って生きているんだな。)
「よし!私も!」
私がベットから体を非常事態でもないのに飛び起こして床に着地!
「いたぁ!」
突如私は足を滑らせ背中に痛みが広がった。さっきまで立ってた 足元を見るとなんとそこには私がいつぞやに出したかわからない医学部の受験の参考書だ。
私が床を見ると床は参考書の海と化していた。
「あーもう、なんでこんなに散らかってるのー?」
私は一つ一つ手に取って参考書を見る
「これはまだ勉強してないし、これはもう勉強済み、、」
私は医学部受験の本を「一周済み」「勉強中」 にわけた。
「よし!準備完了!」
私が時計を見ると
「え!?もう6時半!?」
まずい、大遅刻だ早く朝食を作らないと、それに高校生だから弁当も持たないと、
私が部屋を駆け足で出ようとすると
「ぎゃー!!!」
今度はさっきの仕分けしたダンビールでつまずいて部屋の外へ勢いよくぶっ転んだ。
まったく、、踏んだり蹴ったりすぎるよ、こんなの某猫とネズミのおいかっけこドタバタコメディでしか見たことない光景だよ。
とりあえず私は音の速さ並みに急いで1階に降りる。そして急いでエプロンを装着して朝ごはんを作る。簡単なもので済ませよう。
今日はご飯と豆腐とわかめの味噌汁そして目玉焼き、どけどそれだけでは 6つの食品群の3群 と4群が取れないから菜っぱも付けよう、
ご飯を炊く間に目玉焼きを作ろう。
フライパンに油を引いてしばらくすると油の心地の良くなる音が聞こえてきた。
「よし、頃合いだな、」
何故か悪役ばりに微笑みながら私はあらかじめ割っておいた卵を投入してて焼いていく
「よし!」
目玉焼きの形が形成されたのでフライ返しで皿へ移す
その後炊飯器からご飯が炊けた音が聞こえたので炊飯器を開けると湯気の中から宝石のように輝くご飯が姿を現した。
ご飯をお椀に盛り付けたら直後に味噌汁もいい感じになってきた頃なので様子を見ると茶色の味噌の上に豆腐とわかめが綺麗に浮かんで 完璧なものができていた。
朝食を私は急いでかき込むが 私にはまだやることがある。それは、お父さんとお母さんの分の朝食だ。
2人は医者、しかも外科医だから家には1日のうちに帰らないことが多い、2人が帰るのは私が学校に行って少し経つ頃だ。
お父さんとお母さんの分はラップをしておいて、よし!準備完了だ。
私はもう、味わう暇はないくらいに朝食を勢いよくかき込んだ。
だが、準備はまだある。それは、弁当の用意だ。実は今日はなんとお母さんが疲れた体に鞭打って私の好きなおかずピーマンの肉詰めをつ食うておいてくれた。
「ピーマンの肉詰め3個くらい入れちゃお。」
ピーマンの肉詰めは私の小学校の頃からの最高の趣向品だ。他にもご飯にブロッコリーにミニトマトこれは私の好きなもんしかないな。弁当を急いで袋に詰めてカバンに入れる
その後急いで髪をとかす、まぁ、私はボーイッシュヘアだからそんなに髪に気を使わなくてもいいけどこれはある程度の清潔感を保たないとクラスで完全に孤立するからだ。
私は根暗+内向的のいわゆる陰キャラクターというやつだ。
根暗で清潔感のないような奴はますます孤立してしまう、これ以上クラスからの評判が下がっては私はもはや幽霊になってしまう。
私は髪はとかして、襟足もきちんと整える。ツヤが出てくるまで手入れをして分け目もつけてある程度いい感じにはなった。私のボーイッシュの黒髪が我ながらに輝いている。
その後、私は私は自室に戻り制服に着替える。
白のYシャツを着て黒のスカートを履き、ちゃんと服にも清潔感が出るようにYシャツは必ずスカートの中に入るように私は2度確認をする。その上に黒の背広を着てシワがないようにきちんと伸ばしたらボタンを締める。
その後、私は時間割を確認し、教科書や道具を一式入れて、準備完了!
時計を確認するとまだ7時30分余裕の時間なので私は玄関に降りて黒の革靴を履いて家のドアを開ける。
「いってきまーす」
誰もいない家には私の声だけが響いた。
外はまだ春のはじめなのでとってもポカポカしてて気持ちいい、小学校の頃から通っているこの道は両脇の歩道に桜が咲いており、その下にはタンポポやつくしがたくさん生えており、まさに春を象徴する道だ。
私の顔の横には春の暖かい匂いが混じった風が私の横を吹き抜ける。気のせいか桜の匂いも混じって風が吹くたびに私の口角は上に上がってくる。
「春は暖かいなー私も暖かいよね?私、“春 ”花だし?」
なんてつまらないギャグかもわからないを私は一人で言いながら学校へと歩みを進めていると、
「お、カマキリの幼虫!近くに卵もある!」
今はまだ小さいカマキリでも将来は立派な鎌を両腕につけて生きるんだ。
人も同じだ。最初は誰だって赤ちゃん、私だって最初はなんの力も持ってないただの赤ちゃんだったんだ。でも、お母さんやお父さんが私のことを育ててくれて今でも生きている。
けど、カマキリさんは生まれた時からお父さんやお母さんお顔は見れない、そして育ててもくれない、生まれた瞬間から自力で生きなきゃいけないんだ。
そう、考えると私たちは幸せだなぁといつも思う、生きていることは素晴らしいそれだけで偉いんだ。私は心からそう思う、
「ねーこちゃーん?どこ行くのー?」
「カラスさーんどこ行くのー?」
近所の猫に話しかけるはゴミを漁るカラスに話しかけたりしててほんとに、、
(側から見たら私、完全に奇行少女だよなー)
そうやって同じくすれ違う生き物たちに話しかけながら歩みを進めていくといつの間にか学校に着いていた。
私は学校に着くとすぐに三階へと歩みを進める。うちの学校はなぜかはわからないけど1年教室が3階2年教室が2階、3年教室が一階にある。
教室に着くとクラスの皆んなが友達同士に
「おはよー」
「おはよー」
と挨拶をしあっているが、まぁ、私には関係ない
私はそのまま机に頬杖を付き、窓の外を眺めながら妄想を始める。
(天王星はなんで縦に回転しているんだろ、、?)
(近所のシャム猫のあの子の名前、ウラヌスにしようかなー)
とまぁ、特になんの意味もない妄想を朝礼前と休み時間にやっている。
けど、授業には120パーセント集中している。
1限は数学
今は授業の終盤あたり今は今日の授業で習ったところを試しに解いてみるところで問題を田村先生が黒板に計算式を書いているがいつ指名されても大丈夫なように私はしっかり回答はしてさらに検算もしてある、
「ここの答えを、畑さん、」
「9x」
「はい、皆さんどうですか?」
「同じでーす」
よかった、正解だった。
1限が終わると私は
(土星の輪って全部氷で出来てるらしいんだよなーどうやってできたんだろう?)
というように休み時間は10分を使っていっぱい妄想をする。
特にすることもないから何もせず机でぼーっとしているよりはマシだ。
そうこうしているうちに私が時計を見ればいつの間にか10分休憩が終わった。
2限は理科、今は生物基礎をやっている。
教科担任の渡辺先生が生物についての説明が一連終わると
「世界には多種多様な生物が生息していますがそのすべての共通点は、春花さん、」
「細胞から成り立っている。」
「はい、そうですね。」
そのやり取りから間も無く2限が終わり休み時間に入ると
(金星ってほぼ地球みたいなのになんであんな高温になったんだろうかなー)
というようにまぁ、私は気になることを考える妄想大好き女だけど授業中には一切しない、授業には120パー集中してノートは必ず取り、自分の言葉でまとめをするから私にはなんの問題もない
全く誰だよこんなミルフィーユみたいにしたのは?あ、私だ
いつも繰り返していることはしているとなぜか最近は時間の流れが音のように早く感じてくる。
もう、昼休憩の時間になっていた。
私は弁当を決まって食べる場所はある。といってもいじめられている子みたいにトイレで飯を食うほどまでは落ちぶれていない。
私は玄関をそのまままっすぐ進むと廊下のある場所に着いた、それは交流ラウンジという場所だ。
本来は異学年同士の交流をここで行なっていたらしいが今は使われてないゴースト状態ってやつだ。
まぁ、公衆電話や壁につけられたベンチみたいなものが設置されていることそれから壁がなくて廊下をそのまま曲がると入ることができるからある程度昼休憩に使っている人も一定数いる。
ラウンジに行くとまぁ人も結構いるが私は気にせず弁当を食べる、
やっぱりピーマンの肉詰めは最高だ。
ピーマンの苦味という大人の味と肉というジューシーな反応で噛むのをやめても口の中で反応を続ける連鎖反応みたいなものだ。
だけど楽しい時間は長くは続かなかった。
「うまいか?俺はぼっちじゃあ食えねえなぁー」
そう言って来たのはクラスのお調子者の内山智樹(うちやまともき)
とある理由で今嫌がらせされている。
まぁ、こんな奴に絡まれても私は北条時宗が元からの服従の手紙を送られて来たように無視するけど。
だが直後さっきの元寇の例えにちなんでいうと内山が朝鮮なら宗主国に当たる元に該当する人物が現れた。
「畑ぁ、お前は世界で一番ぼっちが似合ってるよなぁー」
こいつは坂上恭平(さかうえきょうへい)、クラスのお調子者代表だ。俗にいう不良であるがこいつは髪はちゃんと黒色だし制服もシワなく綺麗に着てネクタイすら曲がってない一見すると優等生だがこいつに目をつけられたら最後、どんな人でも必ずイジメ倒す。
じゃあなんで私が絡まれているのかというときっかけは入学して6日くらい経った時だ。
坂上が内山と手押し相撲をしていた時にクラスの地味だけどまぁ、2枚目俳優並みの端正な顔つきの児玉一希(こだまかずき)君に内山が押したところ坂上がよろけて一希君に派手に当たったんだ。
「おい、一希(かずき)お前いたんだ。」
そこで私の変な正義感が働いて
「おい、坂上、そんな言い方はないだろう、不注意をしていたのはお前の方だ。一希君に謝れ。」
だが、私は火を消そうと油をかけるほどこんなことしても無駄だという常識を一切知らなかった。
「はぁ?いいだろ別に、俺らが体幹鍛えてやったんだし?」
「さすが恭平。」
私は本当にばかだからその辺にしときゃあよかったのに正義感は欲張りすぎたようだ。
「いいから謝れ」
「アホか。」
「とにかく彼に謝れ。」
「しつけぇなぁ、」
と10回くらい押し問答をしていると、
「春花さん、もういいですから、、、」
と一希君に涙を流されて言われた。
するとすかさずあのバカ二人組は
「本人のことを考えたのに逆に傷付かせたみたいだなぁ」
と煽ってきた。
そこからがまさに地獄の入り口だった足は引っ掛けられて転ばされるし教科書には落書きされるしともう最悪だった。
そして時系列は今に戻るけど野郎はいつまでも私に話しかけてくる
こんな奴は無視に限るだけどここで文永の役が発生した。
突如私の手にさっきまで持っていたはずの弁当がなくなっていたのだ。
慌てて辺りを見回すと
「畑のくせに痩せに大食いかよ?」
いつの間にか弁当は内山の手に握られてた。こいつの将来はマジでスリになるだろう。
「返して。」
だけどもちろん帰って来た回答は
「いやだ。」
すると内山が坂上に弁当箱を坂上にパスした。
「そんなに食いてぇなら食わせてやるよ、この俺様がなぁ、」
直後やつがなんと私の顔面に無理やり弁当箱を押し付けて来た.
「ペェッ、ペェッ、」
弁当が顔から離れた時私はむせて思わず米粒を吐き出してしまった。
なのに奴は
「うまいだろぉ?畑?」
とまぁ、下品に笑って来やがる
「、、、ふざけるな」
「あ?」
「食べ物を粗末にすんな!!!!」
すると思わず私は坂上に飛びかかっていた。
だが、内山にすぐにひっぺがされ髪を掴まれ地面に倒される。
そして内山と坂上からの拳の暴風が降って来た。それが直撃するたびに私の体には電流が走りとても痛い、
「こいつ、舐めやがって!」
「恭平、待って俺にも一発、」
痛い、まさか殴られるなんて、、、あぁ、やっぱり私はいじめられてる方がお似合いなんだなぁ
すると突如前から足音がコツコツとこちらに近づいてくる音がした。
私が足音のがした方の先に目をやるとそこには
身長170はあろうかという長身で肩にかかるほど長い黒髪をしており輝きを放っている。首元には青のリボンを締めている。2年生だ。
私の学校は男子はネクタイ、女子はリボンを絞める男子は白のYシャツに黒の背広をして灰色のスラックスを履くネクタイは学年で変わり一年は赤、二年は青、三年は緑のネクタイを締める女子は上は男子と全く同じ服装だが下に履くものが黒のスカートになるそしてネクタイがリボンに変わり、仕組みは同じく一年が赤、二年が青、三年が緑になる。
「お前達、その子に何をしているんだ?やめてあげなさい、それに男子が女子相手に二対一で、恥ずかしくないのか?」
声はやや低めの中音域で落ち着いており氷のような冷たさがある。
「なんですか?永野安音(ながのあんね)先輩?今度は人助けで優等生気取りですか?」
坂上は相変わらず先輩でもこんな調子で生意気に話しかけているが、その先輩はただ坂上を見つめているだけだ。
「先輩、将来親不孝になるお前はもっと勉強してせめてもの孝行でもしとけ」
坂上がメチャクチャ失礼なことを公然と口にした。
「今なんつった?」
これは、明らかに怒っている口調だという荷が誰だってみて取れるのに坂上は「ハァ、」と溜息ついて再び
「親不孝なお前はせめて、、」
だが坂上が言い終わる前に辺りにガシッという鈍い音と同時にギギギ、、という何かを締め付ける音が見ると、その先輩が坂上の首筋をがっちり掴んでいる。
「おい、調子乗ってんじゃねえよ?」
内山が慌てて加勢に入るが直後その先輩が内山の膝に蹴りを入れたらなんと内山が足を抱えて悶絶し始めた。
「テメェ、、」
坂上が必死に殴りかかるもその拳はどれも空を切り逆に先輩にお腹を殴られている。
「脇は締めたほうがいいわよ?」
その声はまさに漫画や仮面ライダーでしかみたことないが戦闘狂のいうセリフだ
「舐めやがって!!」
坂上は絶えず殴りかかるがどれも避けられ、挙げ句の果てには坂上に攻撃が入る始末、、
「ハァ、、ハァ、、」
坂上も苦しいのか息が絶え絶えになってきた。
「すみません、ちょっとタンマ」
と手をひらをかざして止めるようにいうが
直後ゴリっという鈍い音とともに坂上が地面に倒れ伏していた。
すると先輩が坂上の首を締め付けて殴りかかろうとする
「喧嘩好きなんでしょ?なら私としようよ?」
すると坂上も流石に身の危険を感じたのか
「すみません、すみませんでした。」
と謝った。すると先輩は坂上の首から手を退けた。
坂上は髪もボサボサで制服もぐちゃぐちゃになっている。
するとその先輩が首をぐるりと90度回転させてこっちを見てきた
そして先輩の足がコツコツと私の方に迫り来る目は完全に獲物を狙う虎そののに
私は怖くなって身構えたが、なかなか拳も何も来ない、、私が先輩の方を見るとなんと散らばった私の弁当を弁当箱に入れと戻してくれていた。
「ねぇ、君、大丈夫だった?」
その声はさっきの坂上の時とは打って変わって耳の中に残るような柔らかい中音域の声だった。
「え、はい、、、」
私が軽く返事をすると先輩はニコッと笑って
「せっかくのお弁当が台無しになっちゃってかわいそうに、私に食べる?」
なんだ、、この人は声がサハラ砂漠からシベリア並みに性格の差がある。
「あ、いえ、、お構いなく、、」
「私、永野安音、君は?」
「、、、畑春花です。」
「春花ちゃんか、漢字は?私はね安らぎの音と書いて安音、」
急にお喋りになって本当に不気味とまで言えるほどの性格の豹変ぶりだ。
二重人格の人でもこんなことにはならないとマジで思う。
「春の花と書いて春花です、、、」
「可愛い名前だね、よろしくね、春花ちゃん」
すると先輩が立ち上がってどこかに行ってしまった。
何だったんだろう、あの先輩、、、?
どこか優しくて、どこかミステリアスな雰囲気がある人だった。
永野安音 彼女の名前が私の脳みその周りを惑星のように公転していて頭から離れない
そうこうしていうるちに、もう放課後に私はどうせお父さんもお母さんも今日は遅くまで帰ってこないから学校に残ってみることにした。
教室で私はオリジナルの仮面ライダーの絵を描く
「仮面ライダーアース、、マーズとヴィーナル、マルキューと戦うライダー、、ドライバーはスタードライバー、、」
モデルは名前の通り惑星,
敵の組織名はリダル、、、
そんな妄想に胸を弾ませながら私はライダーの絵を描いていると
「はーるかちゃん、」
私が声の方を見るとそこには安音先輩が立っていた。
「いや、、安音先輩がどうやって私のクラスがわかったんですか、、、?」
すると安音先輩がニコニコと屈託なく笑いながら
「私は生徒会役員だから全校生徒の所属クラスなんて私に手のひらの中にあるよ。 」
この先輩表情とは裏腹にやっていることがやばすぎる、、、
「なーに描いてるのー?」
先輩が私の自由帳を無用としたので私は咄嗟に隠した。
「まぁ、無理には見ないよー春花ちゃんのやましいものなら?」
その言葉になぜか私はカチンときて先輩に自由帳を何も言わずに見せていた。
本当に全く気づかず無意識にだ。
「仮面ライダーアース、、、特撮好きなの?」
「はい、」
「いいじゃん、かっこいいよね。」
あれ?この先輩、私の特撮好きをなんで貶さないんだろう?私は女の子なのに
「先輩、私の特撮好きを変とか変わってるとか思わないんですか、、、?」
私が恐る恐る聞くと安音先輩が笑いながら
「何言ってるの?君が好きならその好きなものを誰にも惑わされず、一心に誰に何を言われようが君がそれを好きなら、誰に何を言われようとブレちゃダメ。」
ダメだ、、、この先輩、色々要素が強すぎて頭の中の処理が追いつかず無数の歯車がぐるぐると回っている気がする。喧嘩強くて、二重人格で、特撮ヒーローみたいな人って、実際に今はじめて見たことに驚きを隠せない。
「安音先輩ってヒーローみたいですよね、人に思いやりがあって、 」
すると先輩が突然私の両肩に手を置いてきた
「春花ちゃん、君だってこの世界を生きるヒーローの一人だよ?どんな小さなことでも誰かが笑顔になれば、それは君が正義の行いをしているということだよ?」
なんだろう、、この先輩と話していると自己肯定感が少し上がってくるような気がするな、
すると先輩が笑いながら私方を見てきた。
「春花ちゃん、私といるとなんか嬉しいって今思ってるでしょ?」
「え?なんでわかったんですか?」
「私は人の目を見るとその人が何を考えているかわかるよ、」
ダメだ、、マジで私の中の頭の歯車の回転が早まって何も見出せない、、、この先輩は色々すごすぎるということしかわからないな、
「春花ちゃん、私に嘘ついてみて?見抜けるから、」
(まぁ、見てみようかな、、)
私は必死に嘘を考える、、、今まで嘘なんて何回吐いたっけ?考えろ、、、考えるんだ私、、、
「私はくしゃみで土星まで飛んだことがあります。私は98歳です!私は中3の頃サッカーしてました!」
「ブフッ!!」
すると先輩が吹き出したかと思うと大きな引き笑いを始めた。
「君みたいな嘘が下手な子はじめてだよ、君は正直なんだね、」
と思うと先輩が突如立ち上がって私の目を凝視してきた。
「春花ちゃんの目、水晶が宿っている」
そんなことはない、私は嘘だって吐くし、強がりだって平気でする、私にはそんなものは宿っていない、この先輩は一体何を考えているんだ?
「春花 ちゃん、私、、、君のこと好きかもなぁ、、」
突如先輩が小声で何か呟いた。けど私は耳がいいから大体聞こえる、、私のことが好きなのか、じゃあ、友達になろうかな、ちょうど私ボッチだし、いるとありがたい。
「友達ですか?いいですよ、なりましょう、」
すると先輩が突如綺麗なロングヘアを掻き回し始めた
「あー!もう!違うの!友達よりも親しい関係に、、、!!」
(何を言っているんだこの人は、、)
私がそう考え始めたのも束の間先輩が突如髪を掻き上げてこちらを見つめてきた。
喉に手を当てて落ち着きの様子は全くなく その動きはまるでドラマでよく見る薬物中毒者の動きそのものだ。
「なんだろう、、私と付き合ってほしい、、、」
その言葉で私たちがいる空間の教室が時間停止能力でも発動したかのような静寂が訪れた。吹奏楽部の練習もよく響くバスケットボール部の練習も全く聴こえないくらい私は何も頭に入ってこず、先輩の言葉しか考えられなかった。
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