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花吐き病っていう奇病に菊さんがかかってます
嫌な人は今すぐお帰りください!
あとすいませんが世界会議の時は国名呼びですすみませんー!!
花吐き病って治ったら白銀の百合を吐くらしいのですが吐いてません!けど両思いなので許してください!!
花を吐くことを嘔吐というかわかりませんが嘔吐表現あります
はらりはらりと花が舞う。
といっても綺麗なものなんかではない。汚い汚い私の花。
どうか、誰にも見られず朽ちていきなさい。
今日は赤いアネモネ。私の口から吐き出てくる赤い綺麗な花は体力だけでなく、私の心をも蝕む。
ああ、どうしましょう。今日は世界会議なのですが。
トイレに寄りかかったまんまの私を心配してか、ぽちくんが心配そうにこちらへ寄ってきた。
「ぽちくん…大丈夫、大丈夫ですよ。」
その言葉に納得いかないように鼻を鳴らす。
「ふふ、心配してくださりありがとうございます」
なんとか重い腰を持ち上げ、吐いた痕跡を無くし、そそくさとトイレへと出る。
そんな菊の背中を、ぽちは心配そうに眺めていた。
「あっ、日本〜!Ciao!」
「こんにちはイタリアくん」
今日も元気そうなイタリアくんと話す。
「今日は珍しく早いですね?」
「ドイツに怒られちゃった〜…」
「あぁ…」
その一言だけで察してしまう。
そんな感情を苦笑いで隠していると、がチャリと扉が開いた。
人というものは音がすると反射的にその方へと向いてしまう。しょうがない。
ただ、今日だけはそれを恨んだ。
「あーめんどいある〜」
そのたった、たった一言だけで私は思い出してしまう。
耐性が無さすぎると思うだろうが、許して欲しい。最近はとてもひどいのだ。
思わず咳をするふりをして、迫り上がってくる存在を隠した。幸か不幸か、幸いにも誰にもバレることはなかった。
「んっ…ごほっ、すみ、ませんイタリア君」
「ヴェ、大丈夫?」
「…ええ、少しお手洗いにいってきますね」
「気をつけてね〜」
いつもよりも歩く足を少し早めながら誰もいない扉へと歩く。
途中ごほ、と咳を一つ。私には合わない綺麗な花弁が一つ出てしまう。バレたら嫌なので自分の手の中でくしゃりとそれを潰した。
痛む心臓は気にしない、私は隠し通すのです。
どこか慌てたような菊を横目で見たあと、訝しそうな顔をしながらぼそりと言う。
「…また、無理してるあるか」
「げほっ、…っは、ぁ…」
今日もまたひとつ花が咲く。いつからだっただろう、もう覚えていやしない。
自分を安心させるために深く息を吐く。
「ふー…はぁ……」
すると、突然コツコツと足音が聞こえてきた。普通にトイレをしにきた方か、と少し安心するが、その安心もすぐに裏切られることになる。
こんこんと突然入っている個室にノックされる。
「はっ、はい!」
びっくりしてしまい、思わず声が上擦ってしまう。
他にも個室は空いているはず…なぜ私のところに?
という疑問を残しながらも相手の返事を待つ。
「菊、大丈夫あるか?」
聞こえてきた相手の声に気持ちが裏切られたような気分だ。
「っは…耀、さん?」
多分、今の声は震えていただろう。
「…もしかして、体調悪いあるか?」
その声を真に受けた耀さんがそう私へと心配する。
なんだかその心配の気持ちが今は痛くて、泣きそうだった。
必死に否定する。
「い、いえ…そういう、わけではっ…!」
「菊は無理しすぎあるよ。…鍵、空いてるし、入っていいあるか?」
「えっ、…だ、ダメです!」
その私の声の抵抗も虚しく、トイレのドアは開けられてしまった。
水面に浮かぶ真っ赤な花は確実に耀さんの目に映ってしまっただろう。
まんまるな目を丸くしている。
「…っは、菊…その花……」
「……見なかったことにしてください。私は、大丈夫です」
震える声と体をなんとかバレないようにし、あくまで平常なふうに見せかけて喋った。
「大丈夫な訳ないある。言え、誰にそんな思いを寄せてるあるか」
言え、だなんて…酷くないですか?
「…言えるわけないじゃないですか。」
「っでも、!」
そんなみるからに反論がありそうな耀さんの言葉を少し大きな声で遮った。
「あなたに!!」
「関係、あります?」
その一言でさらに目をまん丸くする。
…あー、嫌なこと思い出した。
「…心配してくださり、ありがとうございます。では。」
「っ菊!…」
私を引き留めるかのような声が聞こえる。その声にはいろいろな感情が混ざっていて、呼び止められそうになった此方の方がその感情に感化されそうだった。
ホテルに戻る。
申し訳ないが、今日の世界会議は体調不良で休ませてもらおう。
近くにあった自分の携帯で、今日のホスト国のフランシスさんに連絡を入れる。
とても疲れた。
さっきの会話や、花吐きのせいで、だろう。疲れた体はベットへと沈んでいく。
返信が来たような気がするが、疲れすぎていてもう何もわからない。
目が覚めると誰かがいることがわかる。
「…ん、だれ…」
「我あるよ」
「や、おさ……ん?っえ、なんで…」
返された言葉に驚きが隠せない。
なんで耀さんがここに…
「法國のやつに菊の面倒みてくるって言ったら心良くかしてくれたある」
フランシスに無駄な心配をさせてしまって少し罪悪感が湧く。
そのあとに、ハッとして目の前にいる耀さんに拒絶の言葉を返す。
「い、いったはずでしょう。…あなたに、関係ないと。」
「関係なくても、我はお前のにーにある」
「…っな、んですかそれ…!」
昔の思い出がフラッシュバックする。
私がまだ小さい頃、竹林であなたと会った頃……思い出したくもない、血の記憶。
それでも、……私はあなたが好き。
「……貴方が私のにーにならば、多少の我儘は許してください。にーに」
「わたし、ずっとあなたのことが好きなんですよ」
「…えっ」
目を大きく開き、目を丸くしている。そんな耀さんに気付きながらも、言葉を続ける。
「その面倒見のいいところも、優しいところも、こんな私に、ちゃんと接してくれるところも…」
「ぜんぶぜんぶ、すき、なんですよ…!」
思わず感情が昂り、頬に冷たい感触が流れた。
呆気に取られていた耀さんはぽかんとしていた顔を引き締め、真剣な顔をしてこう言った。
「…なんで、言わなかったあるか」
「言えるわけ、ないじゃないですか…」
「私は、貴方にあんなことをした最低な奴です。貴方の気持ちも裏切り、わたしは…!!」
ぎゅっと抱きしめられる。耀さんのぬくもりがなんだか暖かい。
「菊」
「っは…?」
「考えすぎなのは菊の悪いところあるね。」
「っや、おさん…?」
詰まりながらも声を出す。
「我はお前のことが好きある。」
「確かにあの時は恨んだりした時もあった、…それでも、お前が愛しくてたまらないある」
「う、そ…」
「嘘じゃない。」
「確かにお前に病気を治して欲しいって気持ちもあるね。でも、それ以上に我は菊のことが好きある」
「…っやおさんの、ばかぁ…!!」
そこまで言われてしまって、涙腺が崩壊してしまう。
泣いている顔なんて見せないつもりだったのに。
なんて思いながら 涙に濡れた顔を耀さんの胸にうずくめる。
そんな私の頭を優しく撫でるため、必死に涙を止めようとしていたのにもっと涙が溢れ出てきてしまう。
「馬鹿なのは菊の方よろし」
撫でていた手を止め、私の耳元へと優しく囁く。
「そんなしょうもないこと、まだ悩んでたあるか?」
「しょ、うもないって、っもう…煩いです」
「ふはっ、冗談ある」
胸に埋めていた顔をくいっと上に向けた後、ちゅっと優しくキスをした。
唇に触れた柔らかな感触に、ぼんっと顔を赤くする。
「はっ、え、…へっ」
「顔真っ赤あるよ〜菊」
そう言っていた耀さんの顔はにやにやとしていてなんだかイラついた。
顔を真っ赤にしている私とは違って、耀さんは余裕そうな顔で私を見ている。
なんだかそれがとても嫌…というかすごく恥ずかしくて、一泡吹かせようと思い、腕を首に伸ばす。
「うぉーあいにー…耀さん。」
そっと唇へキスをする。
「へっ…」
「〜〜っ菊!我爱你!!」
話って長い方がいいんですかね。やっぱ短い方ですかね?
このあとは2人仲良くホテルでイチャイチャします。