コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
翔太 side
家に帰りたくない・・・
重い足をなんとか前に繰り出す。
蓮の顔見たら泣いちゃいそうだ。さっきまで会いかった蓮に今は会いたくない。
というより、会わせる顔がない。
マンションの前まで来て自分の部屋を見上げると暖かい照明の光が外に漏れ出ている。
部屋の扉の前に着くと、お腹に力を込めて〝ふぅーッ〟と息を吐き、家の扉を開けた。
翔太💙 『ただいっ/////んんっなっ待って…..』
家の扉を開けるなり、手首を蓮に掴まれてキスされた。
蓮 🖤 『ん?阿部の匂いがする!!!』
翔太💙 『は?んな訳ないだろ!』
蓮 🖤 『俺の獣の勘が働いてる』
翔太💙 『ギャァーやめろ変態どこ触ってんだ///』
いきなりズボンを下げられて、胸を叩いて抗議する。
蓮 🖤 『ん?身体検査だよ!脱ぎなさい』
翔太💙 『帰って早々なんだよ!やめてったら』
蓮 🖤 『フフッごめんついつい楽しくなっちゃった。おかえりしょっぴー会いたかった』
盛大に迎えてくれたお陰で泣かずにすんだよ・・・
蓮は俺のズボンを元の位置に戻すと上機嫌でキッチンに向かった。
蓮 🖤 『ご飯食べるでしょ?座って待ってて』
俺はサウナでリフレッシュして、亮平に感じてた。蓮はその間一仕事して晩ご飯まで作ってくれてたなんて・・・俺は最低だ。
蓮 🖤 『はい、しょっぴー食べよう・・・どうした?』
翔太💙 『蓮の方が忙しいのに・・・』
*蓮 🖤 『ふふ、俺が好きでしてるだけだから翔太くんは気にしないでいいんだよ。さぁ食べよう*』
蓮 side
サウナから帰ってきた翔太くんは、なぜだか元気がない。阿部ちゃんと何かあったのだろうか。
二人の時間を阿部ちゃんに邪魔されたくはないので、今日は聞かない事に決めた。
二人並んで歯磨きを済ませると寝室へ向かう。いつもなら〝連れてけ〟って言ってくるのにやっぱり様子が変だ。
ベットに入ると俺に背を向けて丸まってしまった。
蓮 🖤 『翔太くん、こっち向いてよ』
翔太💙 『・・・疲れたから今日はもう寝る』
蓮 🖤 『背を向けて寝なくていいだろ?』
翔太💙 『・・・・』
蓮 🖤 『・・・俺の事もう嫌いになった?・・・顔見るのも嫌?・・・帰った方がいい?』
翔太💙 『…….ぅ..ぅ゛..ぅ゛』
蓮 🖤 『なんで泣いてるの?翔太くんどうしたの?』
抵抗する翔太くんを起こして、向かい合わせに抱っこする。ポロポロと涙を流している。
蓮 🖤 『僕を見て、何があったのか話して。サウナで何かあったんでしょ?』
翔太💙 『俺がいけないの・・・亮平に感じちゃった』
蓮 🖤 『何?ヤったって事?』
大きく首を横に振っているものの、それ以上話そうとしない。
蓮 🖤 『話したくないならいいよ。阿部ちゃんに直接聞くから』
翔太💙 『やめて、亮平は悪くない・・・ちゃんと話すから』
どう考えても翔太くんは悪くないだろう。阿部ちゃん何考えてるんだ。
翔太くんの事好きなら傷付けるような事するなよ。
泣き腫らした翔太くんの瞼を氷で冷やす。
蓮 🖤 『翔太くん・・・自分を責めないで?』
翔太💙 『蓮は平気なの?俺は・・蓮に申し訳なくて……ぅ゛..ぅ゛』
蓮 🖤 『俺も男だから、心は嫌でも体は反応すると思う。でも触りたいのも、触られたいのも翔太くんだけだよ。翔太くんも同じでしょ?』
翔太💙 『うん』
蓮 🖤 『触ってもいい?』
コクリと頷いた翔太くんの頬に触れると、藍黒色の瞳が、俺を見据えている。
おでこにキスをすると、唇を食んだ。頭を動かし舌を絡めると翔太くんもそれに応えた。
抱き合った舌から水音が響く。二人手を取り合うと、どちらともなくベットに倒れた。
翔太くんの上に伸し掛かると、また一筋涙が頰を伝った。
蓮 🖤 『続きは?してもいい?』
首を横に振った翔太くんは腕で顔を覆うとまた泣いた。
蓮 🖤 『うん。分かった。じゃぁ手を繋いで寝よう?初めての夜みたいに・・・』
翔太💙 『うん』
やっと翔太くんが笑った。
顔の横で繋いだ手にお互いキスを落とす。
翔太くんが頬擦りすると静かに目を閉じた。
翔太くんとの関係を話せない以上、阿部ちゃんを攻め立てる事もできない・・・
ギュッと手に力を込めると腕にしがみ付く翔太くんのおでこにキスをした。