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「藤沢ぁ!」
「はい」
「ちょっと来い」
忙しいオフィスの中で一際大きい声が鳴り響く。僕はすぐに立ち上がり自分を呼ぶ声の元に急ぐ。
「お呼びでしょうか」
「お前この資料どういうつもりだ?」
僕のことを呼びつけた上司、大森元貴部長兼所長は、バサっと俺が提出した資料を目の前で投げつけた。
その資料を見て僕はしまったと思った。先週提出期間だったこの資料は時間がなくておざなりにまとめて提出した資料なのだ。
「すみません」
「謝るってことは自覚があるんだな?」
綺麗な顔で睨まれ冷や汗が止まらない。
「やり直せ」
「はい…分かりました」
僕は目の前の資料を拾い集めるとそれを持って自分の席に戻った。心配や好奇心などいろんな感情がが篭った視線が集まる。僕はそのが少し気になったが無視して自分の椅子に座る。
「藤沢、まだおわんねーの?」
「若井…うん。資料作り直さないと」
同期で営業の若井滉斗が話しかけてきた。同い年で若手営業スタッフの中ではトップレベルのスキルを持っており会社から一目置かれている存在だ。こちらはそんな営業スタッフをサポートする立場。会社の期待度も違う。
「あーまた大森部長に詰められたんだって?」
力尽きた。
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