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気づけば、あの子はいなかった。
まるで、最初から幻だったように。
風に解けた記憶
最初は、ただ儚い雰囲気を纏っている女の子だな。と思っていた。
遠くから見ているだけで、思わず息を呑んでしまうほど心を奪われた。
初対面なのに、胸の奥が静かに波を打っていた。
遥燈「こんな子が、目の前にいるなんて…」
どこを向いているのかはわからないが、何かを見つめている彼女がとても麗しく感じた。
千捺「…どうか、なさいましたか?」
遥燈「えっ、いや…すみません、貴方がとても美しく、魅入ってしまっていました。」
千捺「…ふふっ、ありがとうございます」
初対面の俺に穏やかな表情を見せてくれた。
ああ、これが**「恋」**なんだ。
恋とは、こんなにも静かに始まるものなのか。
家族でドライブをしに、海へ来た時だ。
俺は感情が顔に出にくい。だから怖がられる事も多々ある。だけど、彼女だけば俺の事を好いてくれた。俺の全てを愛してくれた。全てを受け入れてくれた。
千捺。俺は君のことを一生、死んでも忘れません。