この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません______________________________________
渡辺side
『なあふかざわ、絶対行かなきゃダメ?』
《うん、絶対行かなきゃダメ》
『…そっか』
何着か用意されていた服の中で一番無難な白Tとジーパンに身を包む。少し考えてから、ワインレッドの少し大きいトレーナーを重ねて着る。あんま似合わねえな、と思いつつもそれを脱ごうとは思わなかった
《325のこと、気になる?》
『…まあな、気づいたらずっと一緒にいた家族みたいなもんだし』
《まーそうね、てかもはや家族でしょ。お互いのことずっと気にかけててさ、それを同室のやつへの友愛で片付けるのには無理があるわな》
このときばかりは深澤の言葉が嬉しかった。離れても俺は一人じゃないし、彼を一人にするわけでもない。そう思えたから
『ありがと、深澤サン。んじゃ行ってきます』
《…またな、翔太。元気で》
初めて彼から名前を呼ばれた気がした。そんなことされたら決心鈍るじゃねえか。やっぱりりょーたのことが、と言うかりょーただけじゃなく深澤のことも気がかりで振り返った。だけど、もう彼の姿はそこにはなかった。りょーたを見送りに行ったんだろうな。
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「おっ、渡辺翔太くんやんな?」
『…っす、』
「俺”向井康二”言うんやけど施設の方からなんか聞いとる?」
直感的に苦手なタイプだと思った。りょーたと違ってよく喋る。俺とはなんかちょっと違うタイプのお喋りな奴って言うか。なんかシンプルにうるさそう
『まあ…』
「ほな話は早いな!いこか~」
『うす、』
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でっかい車が来るのかと思いきや、なんかちっちゃめ…っていうか、あれか。車高が低い?感じの見たことない車が来た。この違和感はどこから来てるんだろう、と暫くその車をジロジロ見ているとハンドルが左についていることに気が付いた。なんだっけ、外車?って言うの?
「翔太くんはさぁ、同室の子とめちゃめちゃ仲良かったんやって?」
『あぁ、まあ…』
「ええなあ、俺そういう子この人生で一人もおらんから羨ましいわ」
『そっすか……』
「そーなんよ、ほんでもな、今俺めちゃめちゃ気の合うおっきい子と暮らしとってな?でもその子も仕事で家あんまおらんから毎日寂しゅーて」
『…んで俺を買ったと』
「飲み込み早いやん笑」
そんな理由で俺はあそこから出されたのか。こんな自分勝手なやつと二人?なんかでかい人もいれたら三人?で暮らすとかまっぴらごめんだわ。りょーたに会いたい、でもアイツも引き取られたらしいから無理か
「あ、着いたで」
『…?え、その車って』
「ん?これ?」
目の前のでっかい家…よりも、その駐車場に停まっている車に目がいった。なんかこれどっかで見たことあるぞ。
『これさっき見た気するなって』
「え、なんでやろ。この車種あんま見んと思うんやけど」
とりあえず入るかということで謎は解けないまま家の中へ。玄関ひろっ。てか靴何足あるんだよこれ、いやなんかこの靴もさっき見た気が…
【あ、こーじくんおかえり!】
「おぁーらうる!今日おる日やったん?」
【そぉ、ちょっと色々事情あって内緒にしてたんだけど休みなの。ところでその子誰?】
「ん?しょりたくん」
『誰だよ』
「ごめんて、噛んだだけやん。」
【おっ、この子があの例の子ね?しょりたくんよろしくー】
『いやだから誰だよ』
【知らないよ】
『あそっか。俺わたなべしょーた。』
【しょーたくんね、なんかあだ名つけちゃお。しょっぴーって呼ぶわこれから、拒否権は無し】
『えっ…』
【ってか被っちゃったなあ、タイミング】
「何が?」
【俺もちょっと紹介したい子が居てね。おいで~】
[俺ですかー?]
【そーだよ、落ち着いたらおいでー】
[はーい]
既に落ち着き払ってる聞き覚えしかない声。ちょっと待てよ、ほんとにこんなことあるのか。てかなんでこの向井康二ってやつはこの状況を知らないんだよ
[すみません遅くなっ…]
『…りょーた、』
[え、なんでしょーた?]
「えっここ知り合い?」
【同室の子、連れてきちゃった♡】
わけわかんねえ……
コメント
7件
よかった、ゆり組引き離されなくて……‼️

あらまぁ〜ゆり組離れなかったんですね❤️❤️ あと、ラウこじとは🌟🌟
ゆり組にラウこじね、最高☺️❤️💙🤍🧡