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メインは青桃、サブメインは赤桃
桃愛されでもあります
「アイシテルから」
「…」
俺の眼の前にいるやつはたった今、人を殺した。
「ないこ、、」
「…自主するわ」
静かに下を向いて泣いている。手には返り血がついていて明らかに殺人犯だった。
「…いやや」
「まろ、、ごめん」
何に対して謝っているのだろうか。
「…あのクソ野郎のせいや、ないこは悪ない」
「でも殺しちゃった!!あいつが悪くても殺すという行為は絶対にしちゃだめなんだ」
ガタガタと震えて俺の肩を掴む。
殺した相手は前職場でセクハラをしてきた上司だった。あのセクハラ上司はだいぶ酷かった。ないこの服をカッターで切って脱がしたり媚薬を無理やり口に含ませたり犯されたり、、限度を超えていた。警察に一度言ったことがあった。でも男が男に犯されるわけないだろと冷たくあしらわれてしまった。俺はないこをそっと抱きしめた。
「…俺と一緒に逃げるか」
「…は?」
かすれた声に驚きが混じっている。
「なんならメンバーと一緒に逃げるか」
あいつらは事情を知っている。ないこを拒絶する可能は99.9%ありえないことだ。それほどないこに慕っていたし大好きなのだ。
「ばか、そんなことしたら、、お前らまで…」
「ないこが警察の世話になるんやったら俺も一緒に世話になる、ないこが逃げるんやったら俺も一緒にどこまでも逃げたるわ」
桃色の瞳は曇ったまま俺を見つめた。
「…まろ、、」
今にでも死にそうな声をして俺の名前を呼ぶ。
「本気で言っとるで」
俺もなんだか泣けてきて歯を食いしばる。
「ないくーん!!」
そんなときりうらがこの部屋にやってきた。
「え、なに、、これ、、」
驚いてその場でフリーズしてしまった。
「…殺しちゃった」
「、、」
りうらが俺とないこのそばへ来て殺されたクソ野郎のこと見つめる。多分察したのだろう。そしたらないこに抱きついた。
「…一緒に逃げよっか」
俺と同じことを言った。やはりそうなのだ。りうらもないこが大好きで捕まってほしくない、死んでほしくない、だから一緒に逃げる。
「、、なんでお前もそんなこと言うんだよ」
眉を寄せてりうらと俺を交互に見る。
「好きだからに決まってんじゃん」
「みんなないこのことが好きやねん」
嗚咽泣きするないこに優しく背中を撫でる。
「お゛れ、、やっちゃ゛ったよ゛ぉ」
「おん、、せやな」
「うん、でもないくんは悪くないよ」
顔を上げてみれば涙でぐちゃぐちゃだった。
「逃げよう、ないこ」
「…う゛ん」
ゴシゴシと目を擦って俺とりうらの服の袖を掴む。
「ごめん゛」
「ないこは悪ない、あいつが悪い」
「そうだよ」
ないこの手は冷たくてブルブルとまだ震えている。俺はないこが持っていたナイフを貰い死体の近くに寄った。
「え、なにするの」
「ん?あー、、ないこ、よく見ててね」
グサッ、、そんな音はならなかったがその代わりにグチャッという音がこの部屋に響きわたった。死体を刺した。
「…これで俺も共犯やな!」
ないこは顔を歪ませてまた涙をこぼす。
「りうらにも貸して〜」
「うい」
そしてりうらも死体を刺した。
「んじゃもういっそこいつの身体バラバラにしてやっか!」
「だね!」
許せなかった。ないこを傷つけたことを。だからこいつをバラバラにする。ないこの共犯になる。ないこをアイシテルから。
「二人とも…」
俺は殺した、大嫌いな上司をナイフでぐさり。
「ないこ、大好きやで」
「ないくん、大好きだよ」
その言葉が俺を満たしてくれる。殺してしまったことの罪悪感を忘れさせてくれる。あぁ、、だめなのに。みんなと逃げてしまいたい。また俺の目から涙が出る。俺ってこんな泣き虫だったっけ。
「一緒に逃げんで」
もう戻れなくなっていた。
「うん」
nextあり