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三角関係

8 - 第8話

♥

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2025年12月21日

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週末。


向井は、しばらく眺めていたスマホを、ぎゅっと握った。


画面に表示されている名前。


[阿部亮平]


(今さら、って思われるやろな)


でも、他に頼れる人がいなかった。


意を決して、短く打つ。


【今夜、少しだけ話せませんか。】


送信。

すぐに既読がついて、数分後。


【いいよ。会社の近くで大丈夫?】


向井は、胸の奥がきゅっと縮むのを感じた。






夜の自販機の前。静かな公園。


「……久しぶりだね」

阿部はいつも通りの声で言った。


「すんません。急に」

向井は頭を下げる。


少しの沈黙。


「それで」

阿部が先に切り出す。

「何か困ってる?」


その一言で、向井の中で張りつめていたものが、ふっと緩んだ。


「……俺」

言葉を選びながら、向井は続ける。

「どうしたらええか、分からんくて」


阿部は何も言わず、待つ。


「ふっかさんが……」

向井は一度、目を伏せた。

「俺のこと、たぶん勘違いしてはるんです」


阿部の眉が、わずかに動く。


「優しくしてくれて」

「距離、詰めてきて」

「俺が離れそうやと思って、必死になってる」


向井は苦笑した。

「……ちょっとしんどくて」



「……それで」

静かに、聞く。

「なんで俺に言いに来たの?」


向井は、少しだけ迷ってから、はっきりと答えた。


「阿部さんやからです」


阿部の心臓が、強く跳ねる。


「俺」

向井は顔を上げる。

「ほんまは、まだ言わんつもりでした」



向井は拳を握りしめる。

「俺が好きなんは……阿部さん……です」


夜の音が、すっと遠のいた。


「ふっかさんちゃいます」

向井は続ける。

「最初から、違います!!」


阿部の胸が、強く痛んだ。


(……俺も勘違いしていた?)


「せやけど」

向井は目を伏せる。

「俺、ふっかさんも傷つけられへん」


深澤の顔が浮かぶ。

優しくて、必死で、間違っている。


「阿部さんしか、止められへん思って」

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