テラーノベル
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病院の長い廊下に、二人の足音が不揃いに響いていた。勇一の肩に腕を回した輝道は、時折痛みに顔を歪めながらも、その口元には先ほどまでの殺し屋の冷徹さは微塵もなかった。
「なぁ、兄さん」
廊下の突き当たり、朝日の差し込む大きな窓の手前で、輝道がふと足を止めた。
「どうした、輝道。傷が痛むか」
勇一が顔を覗き込むと、輝道は首を振り、懐から一本の歪んだ煙草を取り出した。もちろん、病院内は禁煙だ。火はつけず、ただ唇に咥える。
「小山萌子のこと、すまなかった。……俺が佳奈子を、あの女を甘く見ていたせいだ」
輝道の瞳に、再び深い悔恨の影が落ちる。7階から落ちていく瞬間、自分を掴もうとして届かなかった萌子の悲鳴が、まだ耳の奥に張り付いていた。勇一は少しの間を置き、輝道の肩を強く一揉みした。
「お前のせいじゃない。すべては佳奈子と、あいつを裏で動かしていた警察上層部の『奴ら』の責任だ。萌子の無念は、俺たちが必ず晴らす」
「奴ら……か」
輝道は煙草を指で弄びながら、窓の外の青空を見つめた。
「俺が自首した時に入手した銃のシリアルナンバー。あれ、誰の持ち物だったか分かったよ。……俺たちの父親を、15年前にハメて消した張本人だ」
勇一の目が、鋭く見開かれる。
「あいつが……警察内部の裏組織のトップが、今回佳奈子を使って朝原を操り、俺たち兄弟を共喰いさせようとしたんだ。すべてが繋がった」
勇一は拳を強く握りしめた。
「最高の同窓会の後は、最悪の家族会議といこうぜ、兄さん」
輝道は咥えていた煙草をポケットに仕舞い、ニッと不敵に笑った。
「ああ。まずは取調室で、お前の知っていることを全部吐いてもらう」
勇一もまた、刑事の顔に戻って不敵に微笑み、内ポケットから手錠を取り出した。二人は再び歩き出す。萌子の死という消えない傷を胸に刻み、彼らは真の黒幕へと立ち向かう。
コメント
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第11話、読み終えたよ!萌子さんの死を経て、兄弟が本気で手を組む展開、めっちゃ熱いな…「最高の同窓会の後は最悪の家族会議」って台詞、痺れたわ🔥 父親をハメた黒幕が警察内部にいるって繋がり方も、一気にスケールが大きくなって続きが気になりすぎる。勇一と輝道、それぞれの覚悟が言葉と仕草に現れてて、キャラの解像度が高いと感じた。レッドゾーンさん、この怒涛の展開、ありがとうございます!