テラーノベル
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「それじゃあ自業自得じゃないの」
言われると思った。
「そう、自業自得。だからこれ以上は問い詰めても意味ないの」
母は未だに不満そうにしている。私には何となくその理由がわかった。
「…じゃあ、勉強すればいいんじゃないの?」
やっぱり…。
「あのね、高校の勉強は私が言うのも何だけど、すごく難しいの」
あと量がとてつもない。
「そんなに簡単に言わないで」
「分かってるよ」
「そう、じゃあ尚更何でそんな事が言えるの」
「やらないよりは、一語でもやれば終わる可能性だって出てくるじゃん」
「………そんなの、終わる前に卒業しちゃうよ」
「やってもないのに分からないよ」
「やった上で無理って言ってんの!」
私はそう言い捨てると、踵を返して自分の部屋にこもった。
私が何度挫折したと思ってるの…?
でも、ある人はこう言うんだ。
『挫折? たかが数回でしょ?』
何年も生きてきた大人が子供に言う無情な一言。
大人は自分の経験をさも当然のように子供にも当てはめる。
経験は嘘をつかない。
けど、それはその人にしか当てはまらないのだ。
それを他人に当てはめて、他人のことを決めつける行為が嫌いだ。
だって、それはつまり、その他人の経験を尊重してないって事だから。
コメント
1件
幼いですよね。都合のいいことだけ聞いて、耳に痛い言葉は受け入れない…。これに喝を入れてくれた人がいました。今では少しずつ理解していこうと努力しています。