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「はぁ……」
今日が終わる。
そろそろ家族が帰ってくるのだ。
私はこれから何を言われるのやら、憂鬱な気分で彼らの帰りを待った。
ガチャ
「ただいま〜」
「おかえり」
「…学校に連絡した?」
「うん」
まず帰ってきたのは母だった。母はこの家でも唯一私を理解しようとしてくれる人だ。
「ただいま」
「…おかえり」
そして、父。
「お前、今日も休んだのか」
「うん…」
「チッ」
父は口が悪く、小さい頃はよく暴力を振るわれていた。
そして最後に…
「ただいま〜」
「……おかえり」
「あれ? また休んだ?」
「……うん」
弟。こいつが一番厄介な存在だった。
だって、
「ずりぃ〜」
と、遠慮なく口にしたり、
「死ねよ」
と、人の気持ちを考えない発言をするからだ。
「ねぇ、なんで学校行かないの?」
「行かないんじゃなくて行けないの」
「は? 一緒だろ、だからなんで行かないわけ?」
私の話を一つも聞こうとしない態度、こんな奴に話した私が馬鹿だった。
「…これ以上のことは言いたくない」
お前に言っても仕方がないから。
「は? いやちょっと待てよ、言いたくないとか言ってる場合じゃないんですけど笑」
一つ下というだけなのに、なんでこんなにも人のことを考えられない人間に育ったのか。私はそれが不思議でならなかった。