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ボクは ここではアレだから と人気がない場所に移動してもらった。

「さぁ教えてもらおうか、其方が何故カービィのコピー能力のことを知っているのか」

「ボク…前からカービィのこと知っていたんだ」

思っていなかったことを口にしたのか、 3人は驚いた様子でマホロアの言葉を聞き逃さないようと佇まっている。

「何故カービィのことを?」

「カービィのことは宇宙中でいろいろと噂になっていたんダ、例えば侵略者から星を守ったり、盗賊たちから宝を取り戻したり、星との衝突を阻止したりネ」

「そんな噂ではカービィの戦い方まで知りえないと思うが…」

「実際に見たんダ、カービィの戦う姿ヲ…ほとんどの噂には直接的に関わってないけど、一緒に戦ったこともあるヨ」

「だからカービィのコピー能力のことを知っていたのだな、しかし其方はいつのカービィの話をしている、まるで昔から知り合いだったような口振りだな」

「カービィとは知り合いダヨ、その様子だと本題に入っていいカナ?」

「勿体ぶらずに早く言えよぉ」

話の続きが気になるブンは急かした。

「ボク異世界から来たんダ」

またもや驚き、目を見開く3人

「ボクがローアと共に旅をしているのは知っているヨネ?」

「え、えぇそうね…」

「旅をするにはローアの力で異空間ロードという空間を出すんダ、それで星々を渡り歩いていたんだけど…」


「ついこの前まで、別世界のポップスターにいたんだ」

ブンはSFのような話に目を煌めかせ興味津々になっている。ほか2人は別世界のポップスターという普通ではありえない言葉を耳にし驚きを隠せなくなっている。だがメタナイトは何かを思い出したのか話し始めた。

「聞いたことがある、私たちが住んでる世界と似たような世界が複数あると、まさか誠だったとは」

「そうだよメタナイト、ボクは別世界のカービィを知ってイタだからあの時コッチのカービィをサポートできたってワケ」

「なるほど、それなら筋が通る」

「なあ、別世界のポップスターってどんなところなんだ?」

「海や草原、空もトテモ綺麗で美しいところなんだ、だけど度々悪い人たちに目をつけられるコトもあるんダ」

「なんだかコッチと似てるなあ」

「でも魔獣っていうのはコッチでは無いはず、アレって何ナノ?」

「魔獣というのは、ホーリーナイトメア社という組織が宇宙侵略のため宇宙中から人を集め、魔獣にし売っているものなんだ」

「そ、ソウナノ?でもナイトメアはカービィから聞いたコトがアルヨ、かつて夢の泉という夢を生む泉を乗っ取ろうとシタッテ…」

「ふむ、夢の泉は聞いたことがないが、もしこちらにも夢の泉が実在していたらあのナイトメアなら利用するに違いないな。それに銀河戦士団の攻防にも影響が出ていたかもしれん」

「銀河戦士団ってナニ?」

「そうか、まだ話していなかったな銀河戦士団とは、ナイトメアを打ち砕くべく結成された戦士団のことだ、その反応だとそちらの世界では無いようだな」

「ね、ねぇマホロアは異世界から来たんでしょ?ならナイトメアにその事を知られたら危険じゃない?」

「どうしてだ姉ちゃん?」

「ナイトメアが異世界の存在を知ったら侵略の魔の手が広がってしまうわ」

「確かに そうなってしまえばこちら側は対処出来ない、しかしフーム もしナイトメアに知られ別世界に行こうとしてもその手段を知っているとは限らないだろう、マホロアはどう思う」

「ウーン、ナイトメアが異世界に行って侵略するのは有り得そうダケド、元の場所からココまでの距離はかなりアルカラ、ナイトメアもソウ簡単には異世界に行けないと思うヨ」

技術が発展してイタラ話は変わるけどネ と付け加える。そう言うと今まで黙っていたブンが話をさえぎった。

「あぁぁもう!意味がわかんねぇよ!とにかくナイトメアに気おつければいいんだろ?」

ブンは話についていけれず頭の中がこんがらがっていた。マホロアはブンを落ち着かせるように言った。

「そうだネ、ブン。ナイトメアには気おつけなくちゃイケナイネ」

「ナイトメアの事について何かあったら協力するわ」

フームの言葉にメタナイトとブンも頷いた。

「みんな…ありがとう」

「もう話はこのぐらいにしてお昼ご飯にしようぜ、腹減った〜」

話に夢中でもうお昼の時間になっていた。そろそろ腹の虫が鳴く頃だ。

「そういえばもうそんな時間ダ」

「ならそろそろお昼にしよう」

「じゃあ一旦解散だな」

じゃあねー と手を振るブンたち、僕も手を振り返した。ボクはローアの元に帰った。扉を開け ただいまー と今では当たり前となった言葉を交わし、近くのソファに座った。ローアに今日あった出来事を話し団欒のひとときを過ごす。その話をローアは嬉しそうに聞いていた、喋れなくとも心で通じられるといつも思う。

時が進み、外は暗くなり夜空に星が隠れ出てきた頃マホロアは自室にいた、マホロアはベットに横になりながら今日のことを思い出し考えていた。もし本当にナイトメアが異世界の存在と行く手段を知ってしまったら、この先ナイトメアと直接どこかで絡むことがあることを、そしてその時と同時にアッチに帰れる手当があるということを。とボクは考えた。静かな部屋に刻まれる時の音がボクをより焦りと緊張を高めさせる、ボクは考えるのを辞めにして海に沈み込むように眠りについた。





次の日、デデデ城の一室にて。

「クソォまたアイツに邪魔されたゾイ!」

「もう諦めたらどうでゲス」

「いや、ワシは諦めんゾイ!」

エスカルゴンは呆れた声で言った

「またどうしてマホロアにこだわってるのでゲスか?」

「そりゃあマホロアはカービィの仲間ゾイ、だからこそ いつ独裁国家の敵になるのかわからないゾイ!」

「そんなの敵にすれば良いでゲス」

「敵になりうる者は反逆者として始末するゾイ」

眉をキリッとさせ、固い決意を持って言った。

「行くゾイ、エスカルゴン」

「わっ、ちょっと待つでゲスー!」

デデデはエスカルゴンを連れて部屋を出ていった。 デデデ達が駆けた先はあの転送装置がある場所だった。デデデは勢いよく玉座に座り、肘掛に付いたボタンを押すと、大きなスクリーン画面が現れた。その画面ではカスタマーと呼ばれた男の姿が映っている。

「ようこそホーリーナイトメア社へ、本日はどのようなお求めを?」

「カスタマー!ワシはマホロアを諦めきれんゾイ!」

「おや、前回は負けてしまったのにですか?」

「それが一番堪えたみたいでゲス」

「なるほど…ではマホロアという方はどのような方なのでしょうか?それを知ればこちら側としても良い商品を陛下にご提供できるかと」

「なんゾイ、協力してくれるのかゾイ!」

「でも、どーせ何か裏があるんでしょうが」

「いいえ、我が社として陛下の力になりたいだけなのです」

「では、マホロアはどのような方で?」

「うーんと、マホロアは強いゾイ」

「それに、なかなかに頭が切れる奴でゲスネェ」

「ふむ、なるほど…では攻撃はどのような感じでしたか?」

「手から魔法を出してたゾイ」

「魔力球 とか言ってたような…」

「もしかしてですがマホロアという方は魔術師では?」

「「魔術師?」」

「はい、魔術師とは魔術を扱う魔法使いの一種です、私もあまり詳しくないのですが魔術師はなかなか見受けられない貴重な存在らしいですよ」

「へぇー魔術ねぇ〜」

「そんなことより早く魔獣を用意するゾイ」

「では、こちらの契約魔獣 まほうつかいドルシーはいかがでしょう」

そう言いながら転送装置から、魔法使いではないどこかで聞いたことのあるような名前の人が出てきた。しかし、見た目は大きな魔女帽子に杖を持っていていかにもな格好だった。

「これならマホロアを倒せるゾイ!」

「ドルシーよマホロアを倒すゾイ!」

「なぜ、私がマホロアという者を倒さなければならないのですか?」

とまほうつかいドルシーがぽかんとした表情で質問をした。それを聞いたデデデが口をうるさくする。

「マホロアは反逆者ゾイ!いつ独裁国家の政権がいつ打ち砕かれるかわからないゾイ!」

「独裁国家…?」

とドルシーが怪しむように言った。まずいと思ったのかエスカルゴンが合間に入る。

「と、とにかくマホロアは悪いやつでゲスゥ、村にいると思うからさっさとやっつけちゃって」

「そっそうゾイ」

冷や汗を垂らしながら言うデデデとエスカルゴン、ドルシーは納得しない顔でしぶしぶ了解した。そのまま部屋を出ようとする姿を見ると、2人は安心した様子だ。

「ちなみにマホロアという者の特徴は?」

「わぁ、あ、マホロアは魔術師なんでゲス」

「フードを被っておるゾイ」

「ありがとう」

とドルシーは部屋を出ていった。2人はまさかまだ聞かれると思ってもよらず焦ってしまった。今度は確かに部屋を出ていったことを確認して、一息ついた。

「これでは心臓が持たないでゲス…」

「なんだかメタナイトに似てたゾイ…」

と喋るだけで疲れてしまった2人だった。




場面は変わり村の広場では相変わらず賑やかだ。一方マホロア達はカワサキの料理店に入っているようだ。中ではフームとブン、マホロアとカービィそれにカワサキまで集まって笑いの絶えない会話をしている。そこに引き戸が開く音がした。どうやらお客さんのようだ。

「は〜い、いらしゃい」

「すみません、ここの店にマホロアという方がいると聞いてやって来ました」

店にやってきたのはカワサキと同じぐらいの身長で魔法使いのような格好をしている男だ。

「あれぇ見たことないお客さんだねぇ」

「ボクに何か?」

その男はまじまじとマホロアを見ると目を細めてうなづく。

「やっぱり君は悪い人じゃなさそうだ」

この人は何を言っているのか分からなかった。

「おっと、急に言われてもわからないよね、私は契約魔獣まほうつかいドルシー、デデデ陛下からのご要望でマホロアを倒して欲しいとのことでやってきたんだ」

「またデデデの仕業ね!」

「マホロアは何も悪いことしてねぇぞ!」

「落ち着いてください、話はまだ終わってません私はマホロアさんを倒しに来たのではありません」

「どういうこと?」

「デデデ陛下はマホロアさんのことを、悪いように言っていました。しかし私は陛下の言葉を信じきれなかったのです」

「なので実際に確認しに来ました」

「ダカラ最初にあんなコトを言ったんダネ」

「少し安心しました、悪い人だったらどうしようかと」

「ナゼ、ボクが悪い人ではないと思ったノ?」

「だって子どもを笑顔にできる人が悪い人だとと思いますか?」

ボクは言葉が出なかった、この人は周りの雰囲気も合わせて人を見ているのだと。

「そうねマホロアは悪い人ではないわ」

「それにマホロアはとっても強いんだ」

「それに、とぉっても親切だよ〜」

3人が褒める。マホロアは照れ隠ししながら言った。

「モウ、おだてても何も出ないんだからネ」

「ふふっ皆さんマホロアさんのことが好きなのですね」

マホロアは恥ずかしかったのか無理やり話題を変えた。

「ト、兎に角ドルシーはこれからドウスルノ?」

「私は役目を実行しなかったため、契約は破棄されナイトメアに追放されるでしょう、なので私はナイトメアから逃げなければなりません」

「なぜあなたのような良い人が契約魔獣なの?」

質問の直後ドルシーの顔は悔やんでいるように見える。

「実は恥ずかしながらナイトメアに弱みを握られてしまって…それで、」

「酷いわ、人の弱みに漬け込んで契約させるなんて…」

その言葉にみんな頷く、ボクも頷くことしかできないので合わせておいた。少し上を見るとなにかに気づいたのかハッとなりドルシーは背を向けた。

「私はもう行かなくてはなりません、また出会えることを願っています」

焦っている声をぐっとこらえながら冷静に喋った。去ろうとするドルシーにボクはなにか伝えようと思った。いや、伝えなければならなかった。自分でもよく分からないがドルシーの姿を追うように己の体が動く。ドルシーが店から出ていく、ボクも店から出ていった。その姿に驚いたのか後ろから誰かの声が聞こえる。ボクは店から離れたドルシーを呼び止めた。

「ドルシー待ッテ!」

ドロシーは振り返る。ボクの表情は和らいだ。ボクはドロシーの手を取り ボクに付いてきて とドルシーを町外れにある、川にかけられている小さな橋に連れていった。ドルシーは急に引っ張られたので驚きの顔を隠せなくなっている。

「私にまだ何か…?」

「ここならデデデたちが来る心配はナイネ」

と軽い口調で言うマホロア、ドルシーは何故わかったのかと驚く。

「ナゼわかったのか知りタイ?」

自分の心を読まれたと思うぐらいに怖くなってくる、マホロアは続けて言った。

「キミ、店を出る前時計を見たデショ?」

「あれから少し時間が経ってたから、デデデ達がキミのことを探しに来ると思ッテ店を出たんダヨネ?」

「そうです…その通りです」

「そんなにシオラシクしないでヨ、ボクは魔法を扱う者同士話をしたいダケなんダ」

少し優しめに言った。それを聞いて安心したのか顔を向き合う。

「そうだったのですね、それでお話とは?」

「…キミはボクを良い人だと言ってくれたネ」

「ソレも、子どもを笑顔にデキル人が悪い人だと思わないナンテ…見方としてはイイと思うケド、不器用な人でも良い人は沢山いるヨ」

「ダケド、世の中ソウ簡単には見極めきれない人ダッテいる」


「例えば……ボクとか?」


そう言った瞬間、周りからは水の流れる音だけが鮮明に聞こえた。マホロアは川を見るように橋の欄干に手を置いた。本来は数秒だろうがこの間だけ時間がゆっくりと過ぎた感覚がする、その沈黙をドルシーは破った。

「あ、あのそれは本当っ」

「冗談だヨ」

マホロアはドルシーの方に振り返り、語尾に星が付きそうな返事をする。冗談だと分かると安心した様子で佇んでいる。

「でも、本当に善人になりすまして裏で悪いコトをする人は沢山いるヨ」

「気おつけてネ」

「ありがとう、気おつけるよ」

そう言ってボクは彼とお別れをした。彼の背中に明日の旅路を後押しするような風が吹いている。ボクはフームたちのところに晴れ晴れとした心で戻っていった。その後フーム達にボクは何してたのか聞かれたけど秘密にしておいた。

蒼き旅人とププビレッジ

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