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そして楽器決めも終わり、練習の日々を送っていた。私はどうにか篠田さんに近づきたいと思った。しかし奥手であり、同性であることからなかなか踏み出せずにいた。
「ねぇ、蓮。あの篠田さんってめっちゃ可愛くない?」
蓮「篠田さんってあのオーボエの?」
「侑花もそう思わない⁉」
侑花「うーん…可愛いとは思うけどうちのタイプではないかな」
いろんな人に篠田さんの第一印象を聞いてみたが、誰一人として私と同意見の人はいなかった。
「はぁ…みんなわかってないな…どうやったら仲良くなれるかな」
蓮「話しかければいいだけじゃん」
「それができたらとっくにしてるわ!」
そう、私は人見知りであり、ましてや好きな人となると目を合わせることもできなくなるのだ。そこからどう仲良くなれば…
今日は体力テスト。運動が好きな私はわくわくしていた。だがそう思っていたのも束の間。
教師「じゃあ今から20mシャトルランするから、記録しあうためにペアをつくってくれ。せっかくだからなるべく違う小学校の人と組んでくれ」
その言葉を聞いた瞬間、一気に奈落へと突き落とされた感覚になった。ペアをつくる上に違う小学校の人とだと?人見知りの私には難しすぎる試練だ。私が焦っていると
桃茄「ねぇねぇ、ペアにならない?」
「へ?」
桃茄「あっ!嫌だった⁉ごめん!無理しなくていいからね?」
「あ、いや、全然…」(むしろありがたい)
ペアが見つかり、安堵していると相手の顔を見てハッとした。吉川さんだ。同じクラスで可愛いと思った人だ。近くで見ると更に可愛さが増している。
「確か…吉川さんだよね…?」
桃茄「えっ!覚えててくれてたの⁉びっくり!」
「え?`覚えてた’?」
その言葉を聞いて困惑した。覚えてたってどこかで会ったか?思い出そうにも思い出せない。
「いや普通に同じクラスだから名前知ってただけで…どっかで会ってたっけ?」
桃茄「あーね!そういうことか。私、同じ幼稚園だった桃茄!…って言ってもわからないよねw」
びっくりした。同じ幼稚園の人は何人もいるから珍しくはないのだが、まさか吉川さんもだったとは。
桃茄「てかさ、下の名前でいーよ。私も咲乃ちゃんって呼ぶから。ね?」
おぉ…篠田さんほどではないが、吉川さんも破壊力抜群だな。でもこれで新しい友達ができた。