※これより新執事登場します。
『い、てて…』
目を覚ますと頭がずきずきした。窓から外を眺めると今日の天気はどんよりとしていた。
ふと時計を見ると、既に9時を回っていた。
『やっば、!!寝すぎた!!』
執事としては寝坊の時間。誰にもバレてないといいんだけど…泣。とはいえ、怒られるって訳でもないのだが。
とりあえず昨日ハナマルさんかユーハンさんが炊いたであろうお米でおにぎりを握って腹ごしらえをすることにした。
誰が炊いたか分からないけど
ナイスすぎた。
外へ出ると各々作業なり訓練なり、何かしらの活動をしていた。
つまり、私だけ何もしていない。
訓練でもしようかと思ったが、頭痛に耐えながらあのメニューをこなすのは流石に無理だと判断した。どちらかというと、もう既に横になりたい気分だった。
『…はぁ、』
めっちゃ今日頭痛ひどい日だ。
たとえ天気が悪くても、頭痛がひどくない日は全然ひどくないのだが、今日はとってもひどいようだ。だるい、しんどい、苦しい、気持ち悪い、色んな苦痛が“頭痛”という1ダメージだけで押し寄せてくる。
『ルカスさんに薬もらいに行こ…』
「とにかく、今日は無理をしちゃだめだからね。」
『分かりました。 お薬もありがとうございました。』
「これくらい当然のことだよ♪」
そういうとルカスさんは優しく頭を撫でてくれた。これくらいのちょっとしたスキンシップが、今何をしてもしんどい私にちょうど良かった。
「少しここで眠ったらどう?」
医務室にはベッドが置いてある。
『いいんですか?』
「もちろんだよ笑。」
『じゃあ少しだけ休んでいきますね。』
医務室のベッドに横になると、ルカスさんの香りがふわっと香ってきた。
ルカスさんの元にいると守られてる!って感じがしてすごく安心できる。このときルカスさんを尊敬するラムリくんの気持ちがちょっとだけわかった気がした。
目を覚ますと机に向かって何かに取り組んでいるルカスさんの背中が見えた。
強いしお医者さんだしで、昔からルカスさんが側にいると私はいつも安心していた気がする。
「おはよう笑」
『あ、おはようございます!』
ルカスさんにはいつも見透かされている。
「体調はどう?」
『おかげさまで良くなりました。』
「よかった♪実はね、さっきシロくんが心配してお見舞いに来てたよ?」
『あのシロさんがですか!?!?』
「うん笑」
ルカスさんのことだから、話は盛られているかもしれないが、あの無愛想なシロさんがついに私のことを認めてくれたかもしれない…!!
このときの私は頭痛のことなど頭になく、
急いでシロさんを探すのだった。
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