テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
─堕とさないと出られない館に閉じ込められました─
注意喚起
・御本人様とは一切関係ありません
・BL(R18にはならないはず)
・zmさん総受け
・現mzybのメンバーのみ登場します
閲覧はあくまで自己責任でお願いします。
今回はBL要素皆無です。
代わりにこの連載の結末に関わるキーストーリーとなりました。
いやーがちで結構大事。考察とかできる・・・のか・・・?
◇
とある晴れた日のリビングでのこと。
時計の針が三時を差し、あー腹減ったなーなんて考えていた時、書庫からエミさんがいくつかの本を持ち出しているのを目撃した。
「埃臭いな・・・」
「あ、すんませんね。すぐ私の部屋に持って行くので」
ここ最近、エミさんはずっと書庫を出入りしている。
色々な本を持ち出して、夜遅くまで何かを文字を綴っているのもみたことがあった。
はて、この男は書庫とやらで何をしているのか。
◇
「なーなーエミさん。書庫入ってええ?」
「え?・・・まあ、別に構いませんけど。というか私のものじゃないので、お好きにどうぞ」
こういう時は単刀直入聞いてみるのが一番だ。
ということでエミさんと一緒に書庫に続く石階段を降りて行く。
どこか威厳のある扉を開けて、そこにあったのは、洗練された雰囲気とその中に佇む沢山の本棚だった。
「・・・・え、すげ。こんなんあったんや」
「ほんと宝の持ち腐れですよ。何から手をつけていいのやら」
なにが宝なのか分からないけど、エミさんにとって価値のあるものなのだろう。
そそくさと入って右側に設置してある机に向かっていった。
・・・なるほど。ここで作業をしてるんか。
質素なテーブルに、半地下で暗いため置かれたランタン。それとノートと、ペンとインク。
テーブルに積み上げられた本の中から一冊を取り出してペラペラとめくり始めるエミさん。
どこかとりつく島がないというか、こちらにはもう興味がないようだった。
・・・面白くない。
「これ、なにを書いてるん?」
「・・・あれ、興味があるんですか。シンプルにいうと、この土地についてまとめてるんです」
この土地。
なんだろう、風土記とか歴史書とかあるのだろうか。いや、まずこの館から出られないせいでここがどこかも分からないけど。
「正確にいうと、この地について書かれた昔の童話や伝承について。ってとこですかね」
そう語るエミさんの横顔は、いつもみるへらりとした顔とは少し違って、ざわりと胸が騒いだ。
「・・・そうですね。折角ですし、あそこでちょっとお話ししましょう」
こちらを見つめる視線に気づいたのか、優しく微笑むエミさんに、どこか得体の知れぬ雰囲気を感じた。
案内されたのは、地上の光が一筋さす場所に置かれた、テーブルと椅子。
「紅茶、冷めてますけど、良ければ。」
「・・・あ、うん、大丈夫。」
こいつ、結構ここで寛いでたんやな。
小棚には給湯器やティーポット、ティーカップ、茶葉にちょっとしたお菓子まで置いてあった。
「さて、話すと長くなりますが。
・・・私、いつぞやにも言ったと思うんですけど、人間の頃の記憶がないんですよ。」
あ、せやったこいつキョンシーやった。
「ゾムさんはこの館に来る前のこと、覚えていますか?」
「え?そりゃもちろん、覚え、て・・・・・あ、れ・・・?」
あれ。おかしい。
ふっと、一週間前のことを思い出す感覚で昔の記憶を辿るが、行きつかない。まるで、小さな壁に阻まれているような。
「でしょう。みなさんもそうおっしゃっていました。といっても身の上について分からないのは私だけなんですけどね。
極端にいうと、館の来る前の記憶をすぱっと切り取られている。
都合のいいことは覚えているけど、思い出してみろと言われたら出来事なんかについて、全く覚えていない」
本当に、なんも覚えとらん。血の気が引いて行くようだった。なぜだろう。
・・・・これ以上、変に思い出そうとするなと脳が警告を出している。
「それで私は考えたんですよ。私たちがここへ連れてこられたのにもきっと理由がある。そしてそれは、あなた、ゾムさんが”堕とす”ということで成し遂げられる。」
「・・・う、うん。進捗0割やけど。」
ちらりとこちらをみやってから、エミさんは一度紅茶を啜った。
「そして覚えていますか?初日、条件を提示した女性。」
「・・・イフリート、やっけ。」
「はい。この館と森の守り神、そう自負していました。
ここで一つ疑問があがります。イフリートとは、どういう存在なのか?答えは神。ならば、御伽話や童話なんかに名があってもおかしくない。何か手掛かりはないか。その一心で、研究してみたんです。本当に、私のただの好奇心なんですけど。
・・・・・それが、そろそろ功を成すかも知れません。」
「えっ、何か見つかったん!?」
少し嬉しそうで、でも緊張の滲んだ表情でエミさんはそう言った。
館から脱出することが第一な自分たちにとって、ここで何らかの情報を得られるのはとても有力だ。
「それが、先日夜通し探していた童話集の一節にありました。
物語はこう。
あるところに、帰る場所がわからず彷徨っている鬼がいました。
その鬼は、ある日、縄張りと決めた森に現れる怪獣たちを殺し回りました。
当然村に住む人たちは大喜び。何せ怪物だらけの森を人間が入れるようにしてくれたのだから。
村人たちはその鬼を、神様だと、そう崇めました。
けれど鬼はそんなことは望んでいなかった。
貢ぎ物、祭り、何より村人たちからの期待と信頼。
それを手にしてしまった今、鬼は望まなかった結末に嘆き、そして村人を森から追い出した。
手荒な真似はできなかったその鬼は、元々その土地の守り神とされる銀狼に助けを乞うた。
村人たちが安全に暮らせるよう、みんなの命を保障してほしい。
そして、その代償は、自分に対する呪いだと。
銀狼はそれを認めた。
そして村は繁栄して、やがて町となり、怪獣のいる森を離れて安全な平地に移動した。
鬼は今でも、村のために不死の呪いと地縛の呪いを患って、その森を彷徨っている。
お話は以上です。
さてゾムさん、この物語どう思いますか?」
「・・・え、ええっと・・・普通にいい話なんやろうけど。
いくつか疑問もあるなぁ。たとえば、なんで鬼は崇められることが嫌だったのか、とか、だからと言って村のために自分が呪いを受けるほどの理由もあったのか、とか。」
「そうですよねえ、やはり・・・」
そこでしばらく間が空いて、エミさんは紅茶を全て飲み切った。
自分はというと少々苦かったのでちょっと口をつけたぐらいだけど。
「でも、この話、館と何の関係があるん?」
「ああ、それは確証はないんですが・・・。また話すと長くなるので、今度お話ししましょうか」
今度はちゃんとお茶を淹れて、クッキーも持ってきます。
それだけ言ってエミさんは机の方へ向かっていった。
何か思いついたのか、早速ペンを手に取って書いている。
「この館について、って・・・」
そんなこと、考えようともしなかった。
確かに言われてみればおかしいし、めっちゃ気になる。なのに何で今まで気づかなかったのか。
考えることが、何らかの目的に対して不都合だった・・・とか。それで無理矢理思い付かないようにされていた、とか?
これにエミさんが気づいたのは、人間の頃の記憶がない故だったのかもしれないし。
「・・・うーん、考えても分からん!!」
分かるわけがないのだこんな話。あまりこういう研究ものは得意じゃないし、無闇に色々と考えるのも無駄だろう。
そう自分に言い聞かせて、胸の中に残るモヤモヤしたものを掻き消そうとする。
第一腹が減った。腹が減っては戦はできぬ!知らんけど。
書庫の重苦しい雰囲気が余計に気難しくなってきて、結局その日は、そそくさとその場を後にした。
◇
王様ゲーム息抜きのはずがちょっと欲を出しすぎましたね・・・
日常的にみんなあれくらいいちゃこらしててもいいかもね。
支部でずっと小説漁ってるんだけど気がつくと朝でわけわかめ
コメント
14件
zmは人間じゃなかったとかだったら普通に激アツ
可笑しいことはわかるけどそれを追求する脳が僕にはありませんでした!!神物語なのに…すいません!!
ちゃんと深いこと書けるのすげぇ、! あんなの最初の五文字でも書けないわ((