テラーノベル
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─堕とさないと出られない館に閉じ込められました─
注意喚起
・御本人様とは一切関係ありません
・BL(R18にはならないはず)
・zmさん総受け
・現mzybのメンバーのみ登場します
閲覧はあくまで自己責任でお願いします。
◇
少し曇り気味な空が目立つ昼時のこと。
みんなでリビングに集い並べられた昼食を見て、ショッピがぽつりと言葉を漏らした。
「・・・また魚やん」
その言葉に顔を上げたのが、いつも狩りをしてくれるシャオロン。
「しゃーないやろ!最近不調やねん・・・!!」
どうやら本人も結構気にしてるみたいだ。
そっかぁ肉今日も食えへんのか。なら今から取りに行くか?
「じゃあ俺と一緒に鳥でも探そうぜ!」
気づいたらそう口にしていた。
ということで今に至る。
一応肉壁としてトントンも連れてきた。
「え〜ゾムと散歩できんのは嬉しいけどな〜、なぁ」
「こっちみんなおまえ・・・w」
シャオロンとトントンでこそこそしてて楽しそうだ。
なんかよく分からんけどいい気分。仲良いのは素晴らしいことやからな!
「ところで、矢の本数少なくない?」
「鳥の羽が無いからあんな作れへんねん」
「へー・・・」
シャオロンが相変わらずぶすくれたようにそう言うので、本当に何もとれないんだろう。
どうせなら猪とかおらへんかな。鳥捕まえたら一匹丸々チキンで食いたいな。
とか色々考えてたら後ろの方で気の揺れる音がした。
「・・・・・!」
中ぐらいの大きさの鳥が、巣に戻ってきたところらしい。
体が無意識に矢を引き絞った。
どさり、と重々しい音を立てて肉が地面に落ちる。
「ッしゃあ〜〜〜!!これ俺の分な!」
「えっ、はぁ!?ずるい!俺も食う!!」
「ゾムおまえ、こんな動けるんや・・・」
いやぁ俺が凄いっていうか?お前らが雑魚っていうか?
幸いにも卵が巣にあって、一石二鳥の結果となった。
その後もムキになったシャオロンや至極冷静なトントンと達と協力し、結構な量の肉塊を手に入れた。
太陽もだいぶ地平線に近づいてきている。そろそろ潮時だ。
「だいぶ集まったな・・・」
「ほんまにシャオロン不調か?サボってたんちゃう?」
「はーあ??ほんまやって!いつもは竜の力でぐさっとやるんやけど・・・」
そこまで言って、はっとしたようにシャオロンは口元を抑えた。
何か言ってはまずいことがあったのだろうか。
「ふーん。竜の力ってどんなの?」
「え・・・?あ〜まあ、ちょっと力が強くなったり・・・みたいな?」
言いながらシャオロンは、目を泳がせて草をむしった。
いつもの軽口じゃなく、言葉を濁すような声。
いつもの調子で笑おうとするけど、やっぱりどこかぎこちない。
そんな空気を感じて、ちょっとだけ声をかけてみた。
「シャオロン、無理に隠さんでええんやない?」
するとシャオロンは一瞬、びくりと肩を揺らした。
空を見上げ、重く吐息を落とす。
「・・・竜ってな、本来は神に仕える存在やったんや」
「神に?それって結構すごいやん」
「そう。けど俺は・・・・・要らんって捨てられたんよ」
いつもの明るさとは違う、掠れるような声。
俺とトントンは、思わず言葉を失った。
「昔はな、力があった。神の声も聞こえたし、空だって自由に翔けられた。でもある時から、何をしても神は俺を見てくれへんようになった。・・・・・・気がついたら、眷属の名も奪われて、ただの竜の成り損ないや」
「・・・・・・」
「だから調子悪いんは、サボってたんやなくて。もう、力がちょっとずつ・・・・消えてんのかもしれん」
それは冗談に聞こえない、ほんの少しの寂しさを含んだ言葉だった。
俺はなんて返せばいいかわからず、口を開けたり閉じたりしてしまう。
トントンが代わりに口を開いた。
「・・・・・でも、まあ」
「ん?」
「要らんって捨てられたんやったら、もう神のもんやないやろ?」
淡々と、けどいつになく真っ直ぐにそう言った。
「じゃあもう、俺らと仲良しな自由な竜でええやん」
シャオロンは目を丸くしたあと、ふっと吹き出した。
「・・・・・・はは。おまえらほんま、変なこと言うな」
でもその笑みは、いつもの無邪気さよりずっと柔らかくて。
不思議と胸が温かくなるような、緩い時間だった。
◇
「・・・・・で、ここどこ?」
「わからん・・・」
こちらゾム、森の中を迷いました。
森っ言っても範囲は限られてるからすぐ館に帰れる筈やったんやけどな〜・・・おっかしーな。
「とりあえず太陽みて方角を・・・って言っても沈みかけてるけどな!」
「はは。いや笑えへん」
トントンが焦ったようにそう言った。
夜、トントン、といえばあの日を思い出す。
妙に紅く光っていた鋭い瞳を彷彿とさせて、どこか不安な気持ちになる。
「ちくしょー肉も重いのに・・・!喉乾いた!」
そうシャオロンが愚痴をこぼした、その時。
─────バキッ。
乾いた枝の折れる音が、森の静寂を破った。
耳に張り付くようなその音に、俺ら三人は同時に息を呑む。
「・・・なんや、今の音」
シャオロンが眉を寄せる。
ただの獣なんかじゃない。重苦しい雰囲気。
そう思った瞬間、影がひとつ、またひとつと茂みから姿を現した。
月明かりに照らされたのは、黒い布で口元を覆った男たち。
肩に矢筒を背負い、刃は血を吸うのを待っているかのように光っていた。
「・・・・・おい、あれ、例の人狼じゃないか?」
低い声が、ぞっとするほど静かに響く。
トントンの肩がわずかに震え、すぐに拳を固く握りしめた。
「な、なんて・・・・・?」
俺がごまかすように笑おうとしたその時、男の一人が吐き捨てるように言った。
「とぼけても無駄だ。おまえの首には国からの懸賞金がかかってる」
国。
懸賞金。
その二つの単語に、空気が急激に冷えた気がした。
「・・・・・・ちッ」
トントンの舌打ち。
重く響いて、心臓が嫌な音を立てる。
「え、ま、待てって!まじで殺す気なん・・・?」
そういう時と、兵士たちの目が一斉に俺に向いた。
そこには人を見る色なんてなくて、ただ“駆除対象を見定める”視線だけ。
ぞくり。
背筋をなぞられるような寒気。
次の瞬間、矢がつがえられる音が重なった。
「やばッ!!」
シャオロンがそう反射的に叫んで、三人で森の奥へと駆け出した。
背後で「逃がすな!」という怒声と、地面を蹴る複数の足音。
枝が裂け、葉が散り、息が荒くなる。
太陽は完全に沈んでいた。
「ど、どこまで追ってくるん気なんやろか・・・」
まだ体は軽い。そう口にしたら、トントンが歯を食いしばった。
「逃げても無駄や。・・・・・もう夜やからな」
その声には、焦りよりも覚悟の色が混じっていた。
「え?」と振り返った瞬間だった。
瞳が、月を映したみたいにぎらりと紅く光った。
肩が大きく震えて、皮膚の下で筋肉が膨れ上がる。
「っ・・・・・・、!」
反射的に後ずさってしまった。
腕の先、指先がわずかに尖り、爪が獣のように黒く伸びた。
完全な獣でもなく、人でもない、その狭間。
トントンは苦悶に顔を歪め、それでも俺らを守るように前に出た。
「・・・・・やっぱり、お前が人狼か」
兵士の一人が、恐怖と興奮が混じったような声を漏らす。
「伝承通りだ・・・!こいつを討ち取れば、俺らは楽して生きていけるっ!!」
矢が一斉に放たれる。
その瞬間、紅い閃光のようにトントンが動いた。
矢は空を裂き、追いつくよりも早く、兵士の一人が大きな手で地面に叩きつけられる。
速い。
人間の反応じゃない。
俺はただ、呆然と目を見張るしかなかった。
「・・・・・・俺の居場所はなぁ、ここや!」
トントンの咆哮が森を震わせる。
鋭い牙が月光を反射し、獣の影が枝葉に踊る。
兵士たちは怯えを隠せず後退し──それでも、刃を振りかざした。
けれど結果は明白で。
人の動きじゃ、夜の人狼には届かない。
呻き声が消え、静けさが戻った時。
地面には、動かなくなった黒衣の影が散らばっていた。
荒い呼吸の中、トントンがこちらを振り返った。
紅い瞳のまま、俺らを見下ろす。
「・・・・・・ごめん」
トントンが低い声で、ぽつりとそう言った。
思わず息を呑む。
あの時もそうだった。あの夜も。
何かに怖がっているような、隠そうとするような。
トントンは、自分が怖かったのかもしれない。
人じゃない、周りとは違う。誰かに怯えられるのが、怖い。
そんな雰囲気がした。
「・・・え、なんで謝るん?」
そんな中で、シャオロンがゆっくりとそう言った。
「俺らんこと、助けてくれたやん。ありがとな!」
シャオロンはふっと笑う。
わざとなのか、そうじゃないのか。何も気にしてない顔で、そう笑って親指を立てた。
そんなシャオロンを見て、俺も言葉を口にした。
「なぁ!トントン強いやん。今度からトントンが夜に狩りに行けばええやん」
「ちょ、俺の役目奪うなよ!?」
軽いやりとりを見て、どう思ったのか。
小さく首を傾げてトントンがはにかみながら、嬉しさが滲んだ声色で返事をした。
「・・・・・おん。どういたしまして」
「・・・・・・んふっ」
「なんでお前が照れてんねん」
「いやぁなんでも〜?」
ちらり、と横目でトントンを見る。
不安そうな、でも安心したような。ちぐはぐな表情で、小さく笑っていた。
「な、認めてあげるって言ったやろ」
ぐっじょぶ!
シャオロンと同じように親指を立ててそう言うと、トントンがちょっと瞬きをして、それからこちらへ寄ってきた。
「・・・こんにゃろ、約束守るんじゃねー」
「え、なに?何がなんだって?」
「シャオロンは知らんくてええよ!」
「は?なんで!?」
けらけらと三人分の笑い声が、月光の中でこだました。
◇
よくわかんないけどshaとtnが救われたね。やった!
多分この後人狼になったtnが第六感とかで館まで辿り着いてshpとemともわちゃわちゃするだろうけど私は知らない((
あと万博行って帰ってきたらフォロワーさんが300人達成してたよ!うわーまじでありがとうねみんなDaisuke
過去の自分に追いつくまであとちょっと・・・🙌🏻
コメント
6件
はぁぁぁっ、!! すきだぁ、!! この話につめつめされすぎててすき。 300人おめでと〜っ!! お互い頑張ろうぜ!!
美味しい···美味しいよ······😫救われてよかったよ···😿あと毎回タイトル名が凄く好きです😶
最高☆by中の人