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隣でスヤスヤ眠る顔を見ながら考える。そろそろ次に進んでも良いのだろうか、つぼ浦はどこまで受け入れてくれるのだろうか…頭を悩ませていると目が合った。
「起きた?おはよ。」
「…ん、おはよっす。」
「顔跡ついてるぞw今日どっか行きたい所とかしたい事とかある?」
「んー?なんもねぇ…ふぁ〜ぁ……今日も良い天気だな。」
そう言いながらいつものように抱きついてくる。一緒に寝た朝はつぼ浦のほうから抱きついてくるのがいつの間にか日課になっていた。
「つぼ浦の手料理食べたいな。」
「冷蔵庫なんかあったっけ?」
「あー…朝飯っぽい材料はあったはず。」
「じゃなんか作るか。まだ動けねーけど。」
「ありがと。お前体あっったかいなー。また寝そう。」
「二度寝しちゃダメすよw」
そう言いながらも瞼が重たくなっていく。次に目が覚めたのは30分後だった。
「つぼ浦ー流石に起きるぞー。」
「…ん、もうちょい…」
「だーめ。ほら起きろー。」
「じゃあアオセン起こしてー?」
「しょうがないなぁ、ほら。」
口ではこう言っているが、寝起きはいつにも増して甘えてくるつぼ浦が可愛くて仕方ない。
「おっしゃ作るか!」
「俺なに手伝う?」
「サラダ作れるすか?」
「…野菜レタスしか無いぞ。」
「まぁ良いっしょwレタスとレタスのサラダ、レタスを添えてって事で。」
この幸せを手放してしまう可能性があるならこのままが正解なのか、もっと愛し合いたいと思うのはやめたほうが良いのか。ふとした時に考え込んでしまう。
「…セン…アオセーン!?」
「あっ!?ごめんボーッとしてた。」
「美味くないのかと思った。大丈夫すか?もっかい寝る?」
「いやいや美味しいよ、今日も最高。ごめん大丈夫。」
「ならいーんすけど。で、今日どうする?」
「家でゆっくりするか、ゲームしたり映画見たり。」
「この前テレビでやってたあの映画見たいす。」
「お、じゃああれ見るか。たしか録画してあったはず。」
片付けを済ませて並んでソファに座る。つぼ浦は映画は真剣に見たい、一時も目を離したくないタイプだ。青井も合わせて静かに画面を見ているが、あの悩みがずっと頭から離れない。
「おもろかったぁ。想像と違ったけど良い結末だったな。」
「…ん?あ、あぁ。そうだな。」
「あれ?アオセン寝てた?」
「いやごめん、ちょっと考え事しちゃってた。」
「なんか悩みとかあるんすか?」
「悩みとかじゃないよ。心配かけてごめん、ありがとな。」
「…そーすか。」
頭を撫でられたがつぼ浦が気付かないはずも無い。何か悩みを抱えてるのに自分には相談してくれない、頼りないのかと内心落ち込んだ。
「…アオセン、ん。」
青井に向けて両手を広げる。無理やり聞き出すのも悪いし、どれだけ言っても自分には教えてくれないだろう。慰める方法がこれしか思い浮かばなかった。
「ん?急だなwおいで。」
「今日は違う、アオセンがきて。」
「俺が?分かった。」
つぼ浦に寄ると優しく包み込まれた。頭を撫でられ背中を擦られ、これは甘やかされている…?
「すまんアオセン、俺が頼りないばっかりに。」
「え?どういう事?」
「なんか悩んでんだろ?俺みたいなヤツに言ったってなんも解決しないもんな、こんな頼りない男ですまん。」
「…やっぱお前に隠し事は無理だな。ごめん嘘ついた。悩んでる事はあるんだけど…なんて言えば良いんだ、俺らの事でいつか、というか近い内に話そうと思ってた。ただ俺の決心というか覚悟というか、そういうのがまだついてない。だからもう少し待っててほしい、ごめんな。」
「そんなんいくらでも待つぜ。10年でも100年でも。あとたぶん、アオセンが思ってる以上に俺アオセンのこと好きっすよ。」
まるで心の奥まで見透かされているようだ。好きだから何でも受け入れられる、信用してくれと遠回しに伝えてくれた意図をしっかり汲み取った。
「つぼ浦には敵わないな、ありがと。…でも俺のほうがお前のこと好きだけどな?」
「は?絶対俺のほうが好きだし。」
「いや俺だね。ここは譲らないよ?」
「いーや?譲れないのはこっちだけど?」
抱き合いながら暫く言い合い、笑った。