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유리
16
坂田銀にゃん
15
スタートーー!
翌朝。
昨夜までの雨が嘘のように晴れ渡り、青空が広がっていた。
阿笠博士の家では、朝食を囲む穏やかな時間が流れていた。
「はい、トースト。」
博士が皿を並べる。
「ありがとうございます。」
美月は微笑みながら受け取るが、その視線は自然と机の上の古いフィルムカメラへ向いていた。
コナンはそれに気付き、小さく尋ねる。
「まだ気になる?」
「うん。」
美月は静かに答えた。
「あの写真……何かまだ見落としてる気がするの。」
⸻
写真をもう一度見る
博士は高倍率のデジタルルーペを取り出した。
「拡大してみよう。」
写真をモニターいっぱいに映し出す。
夜空。
駐車場。
黒い車。
銀髪の男。
そして背景の天文台。
「……ん?」
美月が画面に近づく。
「この星。」
コナンも見る。
「どうした?」
「星の並びがおかしい。」
「え?」
「オリオン座が、この季節、この時間、この向きに見えるはずがない。」
部屋が静まり返る。
灰原が振り向く。
「つまり?」
「この写真は撮影時間が書き換えられてる。」
コナンの目が鋭くなる。
「撮影日時を偽装したってことか。」
美月は首を振る。
「違う。」
「もっと前。」
「カメラそのものの時計が、わざとずらされてる。」
博士は驚く。
「そんな細工まで……。」
⸻
公安警察
同じ頃。
警視庁公安部。
地下資料室。
安室透――降谷零は、一冊の古い事件ファイルを机へ置いた。
表紙には、
『星見ヶ丘観測所事故 十五年前』
と書かれている。
部下の風見裕也が言う。
「当時は事故として処理されています。」
安室はページをめくる。
「いや。」
「これは事故じゃない。」
写真を見る。
崩れた観測機器。
血痕。
そして、行方不明になった研究員・倉橋俊介。
「遺体は?」
「発見されていません。」
「……なるほど。」
安室は静かに目を閉じる。
(組織が関わっているなら、証拠は徹底的に消されているはずだ。)
⸻
FBI
その頃、別の場所では──。
赤井秀一はモニターを見つめていた。
ジョディが新しい資料を持ってくる。
「十五年前、観測所周辺で不審な外国車が目撃されてる。」
「車種は?」
「黒のポルシェ356A。」
赤井は小さく笑った。
「ジンだ。」
キャメルが驚く。
「そんな前から……。」
「奴らは最初から、この証拠を追っていた。」
⸻
黒ずくめの組織
地下ガレージ。
ベルモットは鏡の前で変装を整えていた。
黒髪のウィッグ。
眼鏡。
穏やかな女性教師の姿。
ウォッカが驚く。
「ベルモット、学校へでも行くんですか?」
「ええ。」
「ちょっと、女の子とお話ししに。」
ジンは冷たく言う。
「遊びじゃない。」
ベルモットは肩をすくめた。
「もちろん。」
「でも、強引に奪うより、心を開かせた方が早いこともあるでしょう?」
ジンは何も答えない。
ただ煙草の煙だけが車内を漂った。
⸻
帝丹高校
昼休み。
美月は屋上で写真を見返していた。
そこへコナンがやって来る。
「やっぱりここにいた。」
「コナン君。」
「何かわかった?」
美月は写真を指差す。
「この星、北極星じゃない。」
「え?」
「この明るさなら木星。」
「だから、この方向は北じゃない。」
コナンは驚いた。
「つまり……。」
「天文台は写真とは逆向きに建ってる。」
二人は同時に顔を見合わせる。
「写真が左右反転してる!」
美月はうなずく。
「誰かが現像するときに反転させたんだ。」
コナンは写真を見つめる。
(隠したかったものがある……。)
そして、反転した写真を元に戻した瞬間。
そこに映っていた建物の壁。
薄く読める文字。
『第七観測棟』
「これだ!」
コナンは立ち上がる。
「事件現場は、第七観測棟だったんだ!」
⸻
不穏な訪問者
放課後。
写真部へ一人の女性が訪ねてきた。
「こんにちは。」
優しそうな教師風の女性。
黒縁眼鏡。
落ち着いた笑顔。
「写真を見学してもいいかしら?」
部員たちは歓迎する。
「どうぞ!」
女性は展示を見ながら、美月の前で立ち止まった。
「あなたが白石さん?」
「はい。」
「とても素敵な写真ね。」
「ありがとうございます。」
女性は穏やかに微笑む。
「古いカメラも使っているそうね。」
その一言で、美月の表情がわずかに固まる。
「……どうして、それを?」
女性は笑顔のまま答えた。
「写真家のお友達から聞いたの。」
その瞬間。
部室のドアが勢いよく開く。
「美月さん!」
コナンだった。
彼は女性を見るなり、一瞬息をのむ。
(この空気……。)
どこかで感じたことがある。
女性はコナンを見ると、優しく微笑んだ。
「こんにちは。」
しかし、その瞳だけは笑っていなかった。
コナンの背中に冷たい汗が流れる。
(この人……。)
女性は何事もなかったように部室を後にした。
窓の外へ出ると、小さくイヤホンへ話しかける。
「確認できたわ。」
「ええ、あの子が持っている。」
その声は一瞬で変わる。
妖艶で冷たい、本来のベルモットの声に。
「ゲームを始めましょう。」
⸻
夜。
人気のない歩道橋。
ベルモットが一人立っている。
背後からジンが現れる。
「どうだった。」
ベルモットは夜空を見上げながら答えた。
「あの子、本当に何も知らない。」
「でも――」
「勘がいい。」
「放っておけば、真実にたどり着く。」
ジンは帽子を深くかぶる。
「なら、その前に終わらせる。」
ベルモットは静かに笑った。
「あなたらしいわね。」
その時、遠くで列車が走り抜ける音が響く。
夜空には、プロローグで倉橋が見上げた星々が、十五年前と変わらぬ光を放っていた。
しかし、その静かな輝きとは裏腹に、闇の歯車は確実に動き始めていた。
⸻
――第5章 終――
次回予告
第6章「星が導く暗号」
SDカードの暗号を解く唯一の手掛かりは、十五年前の写真に写る星空だった。美月とコナンは星図をもとに真相へ迫るが、その裏でベルモットは大胆な作戦に出る。そして、物語は再び星見ヶ丘天文観測所へ向かい始める――。
コメント
1件
わあああ第5章も最高すぎた…!!😭✨✨ 美月ちゃんの星からの推理が天才すぎて震えたし、コナンくんと「写真が左右反転!」って同時に気づくとこ、鳥肌が止まらなかったよ…!あとベルモットが学校に潜入してきて「瞳だけは笑ってなかった」って描写、ゾワゾワしたけどめっちゃエモかった…。 安室さんと赤井さんもそれぞれ動いてて、伏線がどんどん絡み合ってく感じがたまらん…! 次回「星が導く暗号」、もう待ちきれないです…!!!💕💕