ラブレターの日

阿部ちゃんが帰ったあと、シーリングスタンプの開封の仕方を調べる。本来はワックスを崩して開けるらしいけど、どうしても勿体なくて、調べるだけ調べて結局横から開けた。

中は真っ白な便箋。少し緊張しながら半分に折られた紙を開く。

目黒　蓮　様

こうして手紙を書くのは初めてだね。

今日はラブレターの日なので、めめにラブレターを書きました。

書いている今、少し緊張しています。まるでめめに告白した時みたい。思いがうまく伝わるといいな。

めめ、いつも傍にいてくれてありがとう。

俺のことを愛してくれて、ありがとう。

めめに出会えたことで、日々が明るく彩られて、俺はとても幸せです。

大げさって笑われるかも知れないけど、めめは俺の生きる世界を大きく、明るく変えてくれました。

悪い方に考えて悩んでしまうことも多かったけど、めめがいてくれると、俺は俺でいいんだ。自分の思いを信じていいんだ。って思えるようになりました。

それにこんなに人を愛したことがなくて、たまに迷惑かけてないかな、重荷になってないかなって、この思いをどうしたらいいかわからなくて苦しくなる時がある。そんな時もいつもめめが包み込んでくれるから、俺は心から安心できる。

本当にありがとう。

これからも、ずっと傍にいてください。

愛してるよ。

愛と感謝を込めて

阿部　亮平

読み終わって、いつの間にか一粒こぼれていた涙を拭う。

普段から好きだよ、愛してるよと言い合ってそのつもりでいたけど、自分が阿部ちゃんからこんなに愛されているんだと実感して胸がいっぱいになった。

メッセージを打とうとして手を止め、明日レターセットを買いに行こうと決めて『お手紙ありがとう、俺も返事書くね。おやすみ』とだけ送った。

終