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#シリアス
「じ、自信ないけど……」
「それでもいい。水瀬の目に映る俺を見てみたいんだ」
その真剣な眼差しに断れない。
「……うん。頑張ってみる」
僕はパレットに青系の絵の具を出す。
木炭でデッサン紙に軽くラフを描く。
目の前の彼を観察する。
明るい金髪。
シャープな輪郭。
僕を見るその瞳は宝石のように美しい。
筆先に触れた青は冷たさより深みを持っていた。
彼の芯にある強さや優しさを表現したくて、何度も調合を繰り返す。
「……楽しい?」
天馬くんが問う。
「うん……すごく」
集中しながら返事をした。
時間が流れる。
「……完成」
小一時間かけて描いた天馬くんの絵を見せた。
「おぉ……」
天馬くんが息を呑むのがわかった。
「こういうふうに見えるんだな……俺」
「えっと……ど、どう?」
「……すっげぇかっこよく描いてもらった気する」
「そ、そうかな……よかった」
「これもらっていい?てか、水瀬が良かったらだけど、また描いてほしいかも」
「そ、そう?…天馬くん目元綺麗だし、手もスラッとしてるし、スタイルもいいから…描き甲斐があるから…僕でよかったら、いくらでも描くよ」
「マジ?ありがとな水瀬!」
その屈託ない笑顔に見惚れながら思う。
彼といると描きたいものが次々と湧いてくる。
これが“創作意欲”なのだろうか。
今まで感じたことのないエネルギーに満たされる感覚だった。
「でもさ」
天馬くんがふと思い出したように言う。
「もし今度こそ誰かに絵壊されたりしたら、絶対言って。俺がそいつブッ飛ばすから」
「ぶ、ぶっ飛ばす……?!け、喧嘩はだめだよ」
「まあ…またさ、ふたりで居るときとかに例の不良グループ?見かけたら、俺のこと頼れってこと」
真剣な表情に言葉を失う。
「た、頼るって…えっと、どうしたらいい……?…頼り方、わかんなくて」
「そこから…か。…とりあえず、見かけたら教えて、俺が守るから」
「で、でも……」
「大丈夫だって。俺強いし」
「天馬くん…どうして、そこまで……?」
「なにが?」
「なんで、僕のためにそこまでしてくれるのかなって…」
「友達だからじゃん」
「友達だから…ここまでするの…?」
「友達ってそういうもんだよ。困ってたら助けるし守りたくなる。水瀬だって俺が困ってたら助けてくれるでしょ」
その言葉に、嬉しさと同時に涙腺が緩む。
こんなにまっすぐ守ってくれる人がいるなんて信じられない。
「…うん。そ、そっ、か…ありがとう……っ」
「ちょ、また泣きそうじゃん」
「天馬くんが、優しいからだよ…っ」
「ったく、大袈裟だな~」
キャンバスを通してつながる時間。
今日という日の出来事が、僕の中で確かな記憶となって刻まれていくのを感じた。
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