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推しには近づくな!

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推しには近づくな!

3 - 推しとの距離

♥

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2022年09月10日

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「あ…///ショウにゃん…///」

「…ごめん…。」

episode3

やべっ…。どうしよう…この状況。顔、近いっ…!

お互いの心音が伝わるほどの距離。

「ショウにゃん…///」

声がいつもより近く、息すら伝わるほど。

やばいやばいやばい!なんだコレ!?なんだよこの緊張感…!しかも俺、上半身裸だし…!

だ、大丈夫だ!今からでも押し返して…!

「ちょ、ちょっと…!類さん!ごめん!あの…だから…!」

ピーンポーン

この緊張感の中、チャイムが鳴る。

「あー!出なくていいの!?」

「…そうだね、出なきゃ。」

類さんが俺のそばを離れると、緊張感が一気に取れた。

はー!マジで!な·ん·な·ん·だ!

急いでパジャマに着替え、リビングにダイブする。

ヤバい…まだ顔熱い…。

「あ、ショウにゃん…。」

類さんが一つのダンボールを持ってリビングに入ってきた。きっと宅配便だったんだろう。

「類さん…。ご、ごめん!俺が引っ張ったから…!」

「だ、大丈夫、ショウにゃんは悪くないよ。気にしないでね。」

慌てる俺にそう言って笑いかける。

大丈夫だ。特に怒った様子は無いと…。

「あ、そ、そうだ、類さん俺って何処に寝りゃいいの…?」

「あー…そういえばそうだね…。どっかに部屋あったかな…。」

そう言うと類さんはスマホを片手に「ちょっとごめんね」と笑いかけると廊下の奥へ消えていった。

まあ、こんな大豪邸だし、部屋はいくらでもあるだろう。

でも、もし無かったら…?

『ショウにゃん…///』

うわああああ!!何思い出してんだよ今!なんだよ!もう終わった事だろ!?考えんな〜!

その思考を捨てるべく、頭を左右に激しく振る。

だ、大丈夫だ…。そうだ、類さんはまだかな〜…。

違うことに意識するため類さんを探そうと廊下を進む。

そういや、この廊下は初めてだな…。なんだか薄暗くて若干怖い…。何でここだけ電気付いてないんだろ。

「類さーん…。」

やべ、なんかガチめに怖くなってきたな。どうしよ!どうしよ!ってか長すぎだろ、廊下!なんでこんなに長いんだよ!

外はもうすっかり暗く、白の壁紙が不気味に感じる。

すると、壁を触っていた右手が何かに触れたのを感じた。

「ドアノブ?どうしてこんな所に…?」

本当は開けない方が身のためなのかもしれないが、今だけはホラー映画の主人公の気持ちが分かる。

そっと、ドアノブに手を掛け、ゆっくり外側に引く…。

「ショウにゃん!?」

すると、暗闇から類さんの姿が見えた。

「あ…」

「こんなところで何してるの?」

まずい…。

「いや…その…る、類さん遅いなーって…。」

「…この部屋…気になる?」

類さんに笑顔が無い!

怒ってるよ…怒ってるよ…!

「い、いや…なんだろなーって…あはは…。」

俺は下手か…

「入る?」

「ゑ。」

「そんなに気になるなら。」

「いいの?」

そう言うと類さんはコクリと頷く。

そんな簡単に入れるんだ…。

再度ドアノブに手を掛け開こうとすると

「だーめ。」

「は?」

目の前で類さんが、両手を広げ、微笑んだ。

「この部屋は物置きなんだ。推しに汚いところなんて見せたくないからね。」

「…じゃあ何でいいよって言ったの…。」

「ごめんね。からかいたくなって笑」

· · ·はあ!?

「なんだよ!何がからかいたくなって…だよ!こちとらめっちゃ怖かったんだからな!」

「え!?ご、ごめん!」

「…はあ〜…。もう寝る!結局、俺ってどこで寝ればいいの…?」

「あ〜…それが…。」

「?」


「え?類さんの部屋?」

類さんに「ついて来て」と言われ、後を追うとたどり着いたのは類さんの部屋だった。

「うん、実は、他に部屋が埋まってて…。ごめんね。」

「んや、大丈夫。ありがとう。」

下で布団ひいて寝るか…。

てか、いつの間にか、気まずくなくなってる…。もしかして、類さんが俺をからかったのって…

「…やっぱ完璧すぎだな…。類さんは…。」


「類さーん!布団ある?」

口を濯ぎ終わったのを確認して、類さんの顔を覗く。

「ショウにゃん!///何?」

「まだお風呂入ってないのに歯みがき?」

「うん、もう9時だし、何も食べないからね。それでどうしたの?」

「いや、布団何処にあんのかなーって…」

「なんで布団?」

「え?下で寝るのに布団無いと体痛いだろ。まあ、無かったら全然いいけど…。」

「…」

え?無言?え?なんか俺まずいこと言っちゃった?

「…類さん…?」

「…ショウにゃんはベッドだよ?」

「え?何でだよ。類さんのベッドなんだから俺が寝る訳にはいかないし。」

「ショ、ショウにゃんを下で寝さす訳にはいかないよ!ショウにゃんはベッド!!!」

「類さんがベッド!!!っていうか、俺ショウにゃんじゃ無いし!」

「駄目だよ!ショウにゃん!大人しくベッドで寝なさい!」

「なんでだよ!類さんが寝てください!」

「うっ…💘だ、駄目だよ!」

「そっちこそ駄目だ!」

「…ショウにゃんは、甘える側なの!」

「今はそれ関係ない!」

「ある!」

「ない!」

…なんだこの言い合い…。類さんは素直じゃない…。

「類さんがベッドなの!」

「…じゃ、じゃあ…」

やっと分かってくれた…。

「二人で寝よう…よ。///」

…は?

「· · ·ごめん、ちょっとあんま聞こえなかった…。な、なんて?」

「…い、一緒に寝たいって、言った。」

…いやいや、お風呂で気まずくなったばっかりじゃん…。何言ってんの、この人?

「何言ってんの?って顔しないで下さい…///」

「…いや、だって…その…お風呂の件もあるわけだし、気まずくなるじゃん。」

「そうだけど…!…このままショウにゃんと喧嘩したままは嫌なので。」

喧嘩って、大袈裟な…。

まあ、でも確かに、きりがないからな…。

「…分かった。一緒に寝よ。」

すると類さんの顔が太陽の光を浴びたように明るくなった。

「いいの!?ホントに!?///」

「え、うん。」

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