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宿儺と童磨の戦いが繰り広げられる中、その戦闘を見守っていた裏梅の姿が、静かに空間に現れる。彼女はその存在を最初から完全に隠していたが、宿儺の力が増大し、周囲の空間が歪み、もう一つの強大な力が漂っているのを感じ取っていた。
「……うるさい。」裏梅の低い声が、まるで戦場の空気を冷やすかのように響いた。
童磨はその声に気づくことなく、宿儺と相対していたが、何か違和感を覚えた。背後から放たれた一筋の冷気に、微かに身を震わせる。しかし、それを感じ取ったのはほんの一瞬。すぐに振り返り、その存在を確かめた。
「裏梅……?」童磨の口元に皮肉な笑みが浮かんだ。「久しぶりだな。お前、まだ生きていたのか?」
裏梅は無表情で、冷徹に彼を見つめた。彼女の髪は真っ白で、整然とした髪が静かに風に揺れる。目の奥に冷ややかな光を宿し、全身からは圧倒的な冷気が漂っている。彼女の存在そのものが、まるで戦場を凍らせるかのようだった。
「生きてるも何も……私はずっと影に隠れていただけだ。」裏梅の声には、冷たさと鋭さが滲み出ている。
「まぁ、そんなことはどうでもいい。」童磨はあっけらかんと笑いながら、手のひらを前に出す。「お前も、私の遊び相手になりに来たのか?」
裏梅の冷徹な目は、童磨を見据えたまま微動だにしなかった。彼女の目に宿る力は、まさに冷徹な決意そのものであり、彼女が来た目的は一つ、ただ一つ――。
「私が遊ぶ番だ。」裏梅は微かに口角を上げ、そして一気に手を振り下ろした。
その瞬間、空気が一変した。裏梅の体から放たれた冷気が、まるで氷の刃となって童磨に迫った。瞬時にその冷気は急速に広がり、周囲の温度が急激に下がり、空気が凍りつく。まるで全てのものを支配するかのような圧倒的な力が放たれた。
「ほう……。」童磨はそれに対し、少し驚いたような顔を見せるも、すぐにその笑みを取り戻す。「いいじゃないか、面白くなりそうだ。」
裏梅はそのまま冷徹な眼差しで、氷のような掌をさらに広げると、今度は冷気が全方向に広がり、無数の氷の槍となって童磨に迫った。その攻撃はまるで雨のように降り注ぎ、何もかもを凍らせる勢いだった。
「そんなことをしても、無駄だ。」童磨は冷ややかな目でその攻撃を見つめ、無情に笑った。彼は瞬時にその場から飛び退き、氷の槍をかわす。
だが、裏梅の目は決して焦ることなく、無数の氷の刃がそれでも童磨に迫る。
「私の力は、氷だけじゃない。」裏梅の目が一層冷徹になり、彼女の体が一瞬で光り輝いた。次の瞬間、周囲に凄まじいエネルギーが放たれる。そのエネルギーは、まるで気温を凍りつかせるような感覚だった。
「氷の中に秘められたものを、今度こそ見せてあげる。」
その言葉と共に、裏梅の力が完全に開放された。彼女の体から放たれるのは、ただの氷ではなく、凍結の呪力。全てのものを凍らせるその力は、今や完全に童磨に向かって向けられた。
「ふふ……面白い。」童磨はその攻撃をじっと見つめ、そして気配を変えた。「なら、私も少しは遊んでやろう。」
突然、童磨の体が一気に膨れ上がり、彼の手から放たれるのは、無数の氷の刃を切り裂くような攻撃だった。反転した空間での戦いが繰り広げられ、裏梅の冷徹な力と、童磨の冷静で狂気的な攻撃がぶつかり合った。
その瞬間、氷の刃と共に、時間が一瞬だけ止まったかのように感じられた。空間が歪み、二人の力がぶつかり合う中で、どちらが優位に立つのか、その結末はまだ見えない。
「さあ、どうなる?」童磨は冷ややかな笑みを浮かべながら、裏梅の攻撃を迎え撃つ準備を整えていた。