心に嘘はつけない
それからどうにかして実家に辿り着いたころには、日付が変わっていた。
母は私が来るのを待っていてくれていたみたいだけれど、今は話す気力がなくて、ごめんと断って自分の部屋にあがる。
窓をあけて扇風機をつけ、重たい体を落とすようにしてその前に座り込んだ。
ここに来るまでずっと、頭に靄がかかったみたいにぼんやりしていて、その中で繰り返し浮かぶのは、さっきの出来事で―――。
ふと、スマホがメッセージを受信し、意識を引き戻された。
「実家には無事ついた?ゆっくりしておいで」
日比野(ひびの)から届いたメッセージに、知らず知らずのうちに強く唇を噛み締める。
怒りにも悲しみにも似た気持ちが湧きあがるけれど、それを一度リセットするためにも、今はなにも考えたくなくて、スマホを脇に置いた。
返事をせずシャワーで汗を流し、倒れるようにしてベッドに横になる。 ******************
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