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日も暮れていたので、開いていたお店は酒屋だと思う。
誰かに話を聞いてほしくて、酔った勢いで愚痴って、そのままベッドインしてしまうなんて……。
しかも、お互い名乗ってないのに、家を特定されるなんて予想外だった。
「ミア?また考えごとですね?わかりました。ミアに私だけを見てもらえるようにもっ努力しますから。どうか、何が不安なのか教えてください、ね?」
「ちょ、エリオット様!」
どうやって脱がされたのか分からないが、いつの間にか衣服がベッドの下に落とされていた。
「ミアは隙だらけですね、どうか、暴れないで、もしも身分のことを気にしているのなら問題ありません。伝手があるので、 養子になればよいのです。もっとも、私は気にしませんけど。
大丈夫です、心配しなくても最後まではしません。」
エリオット様は私のお腹に優しく手を当てる。
「あぁ、かわいいミア」
放れようと身悶えると、逃すまいとエリオット様も縋ってくる。
私の視線に気づいたエリオット様は、微笑む。
「もの欲しそうな顔をしてますねミア?でも、今は我慢してくださいね、大丈夫、気持ちよくなってください」
「エリオット様…」
頭がふわふわとしていて何も考えられない。
エリオット様にされるがまま、身を任せていた。
「ミア、愛しています。結婚しましょう」
こんな風に迫ってくるなんて、エリオット様はずるい。
本当に身分など何も考えなくていいのなら━━。
「は…い……」
自分の気持ちに正直に答えてしまっていた。
抱きしめられてエリオット様の心音が聞こえる。あまりにも心地良くて、安心する。
ウトウトといつの間にか眠ってしまっていた。
そうして私は、
エリオット様の妻になった。
「ミア?身体がまだつらいでしょう?産まれるまでは私が全てのお世話をするから心配いりませんよ」
「エリオット様、どうして私なんかにここまでしてくださるのですか?」
「ミア、それは、私がこの世の、いえあの世も含めて、誰よりもあなたを愛しているからです。」
「━━エリオット様、嬉しいです…そんな風に思ってくれて……」
(ミア、あなたは、今エディにはそんあこと言われたことないと思いましたね?あんな奴のことなど気にしなくていい。クズだ。
モデア男爵の小麦畑は、もうとっくに廃れていますよ。貴族の子女が畑仕事をするわけがない。高貴な者が作るという考えは笑える。
モデア男爵はミアのことを案じていたのかもしれないが、息子のエディが愚息。
甘い汁を吸おうと近づいてきたストーク男爵を受け入れたのが間違いだったな。
でも、もしもエディがミアを大切にしていたのならば、手を貸してやったが、クズ男だしな。セレナ嬢も、金目当ての尻軽女だ。私にまで色目を使ってきた。
ミアを傷つける者は許さない!
ストーク男爵は、モデア男爵領の金を当てにして随分と借金をしていた。その借用書を買い取って、利子を100倍にして催促しているから、そろそろ破産してセレナ嬢を娼館に売り飛ばすだろう。貴族令嬢を処女でなくても高額で買い取る娼館のチラシを毎日届けているからな。
モデア男爵は少しは反省していたから、エディと共に地方で働くことになるだろう。
領地は買い取ってあるが、ミアがつらい思い出が蘇るのならば手放そう。
ミア、私はね、重い病を患っていたんだ。
けれど、ある食べ物を食べた時だけ症状が改善したんだ。詳細な調査の結果、モデア領の小麦を使用した料理を食べた時だと判明したんだ。
症状が改善した頃、視察に訪れた時、君をみかけた。揶揄われている君を慰めようと近づいた時、全てがわかったんだ。
私の一族は、運命の相手と触れ合うと寿命も一体化するんだ。寿命の長い方に合わせる身体になるんだ。
君が作った小麦を食べたから救われたんだ。君を庇った拍子に手が触れたとき、浄化されるように身体が癒された。
私にとっては、運命の出会いだったよ。
だから、それから死に物狂いで勉強した。
剣術も財力も身につけて、事情を知らない他の貴族たちに何も言われないくらいの力をつけようと努力したんだ。
ミアの幸せを奪うつもりはなかったから、クズ男と幸せそうなら身を引こうと思っていた。
まさに命を賭けていたんだ。
でも天は私に味方したようだ。
盛大に式を挙げよう。
愛しているよ、ミア
君の笑顔を守る為ならどんなこともするからね
~fin~
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