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そう母に告げた後、玄関のドアを開ける。
見慣れた、水色の自転車に近づく。カチャ、と鍵を開け、自転車に跨った。
冷たい風が私を襲う。
こんなに寒かったっけ、と思いつつ自転車を漕ぐ。
そう考え、いつもの妄想を始める。
そのストーリーの主人公は私、香奈。
異世界転生したら……という、よくあるIfストーリー。
そうこう考えているうちに、駅に着いた。
私の家から学校まで、1時間はかかる。
だから、スクールバスがあるのは、ありがたい。
いつもの運転手さんに挨拶をし、バスに乗り込む。
少ししたら、次の停車場に着いた。
ここでは、少し苦手な女子が乗ってくる。
「あ、香奈ちゃん!おはよー!」
朝から元気だなぁ……と思いつつ、色々な話をする。
話はとても面白いが、マウントや相談をすぐしてくる。他人に頼ってばっかりの人は、大の苦手だ。
「あ、そーいえばさー、最近全然寝てなくてさぁー」
あー、また始まった。と心の中で呆れつつ、
「え、大丈夫?」
とオーバーリアクションとも言える返事をする。
「全然大丈夫だって!だって私、夜に強いから!」
「えーほんと?私だったら無理だなー」
と、できるだけ明るく、相手をおだてて会話を進める。相手に気を使わせないように、言葉を選びながら。