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個人的にケイゲルブームが来たので書きました。前中後編の。
表紙、描きたいなぁ(願望)
時間軸としては『はじまり』の宇宙放浪時代から始まってます。
⚠あんてんしょん⚠
・ケイ素×ゲルマニウムです。多分事前知識なくても読めるはず。
・なんでも許せる方向け。
・珍しく感動系(多分)。
いつものようなヤンデレは出てきません。
僕には、友人がいた。
名前はエカ。
自らをエカと名乗り、僕が一人でいる時、辛い時、果ては夢の中。
僕に、毎日のように会いに来てくれた。
エカ「やぁ、ケイ素」
エカ「今日もひとりなんだ?全く、たまには友達作りなって」
ケイ素「………別に。」
ケイ素「あいつらもの話など聞く気にもなれない。話が低レベルすぎるんだよ」
エカ「可愛くない子供だなぁ……」
ちぇー、と少し不貞腐れると、彼はふと思い出したように笑った。
エカ「ねぇケイ素、今日はどうしよう?お勉強する?」
ケイ素「そうだな…いや」
ケイ素「…………遊びに、いかないか。近くの星に」
エカ「お、ケイ素にしては珍しいね。いいことあった?」
ケイ素「別に。…ただ、」
ケイ素「…ただ、特別な思い出でも作ろうかと」
エカ「…ふーん。いいね!」
エカ「じゃあ早速行こう‼︎…水素には言った?」
ケイ素「いや…今からいう」
ケイ素「だから、そこでまっててくれ。迎えにくるから」
エカ「はーいっ」
これは、
彼と僕の、ある一日の思い出のお話。
__区切り__
ケイ素「…炭素」
遊びに行く。だから、それを報告する。
…けど。
直接水素に言うことは、できない。
炭素「ん、どした?」
ケイ素「……別に。遊びに行く」
炭素「え?……もしかして、エカくん?だっけ?」
ケイ素「…そう。水素にはお前と僕で行くと言っといてくれ」
炭素「はいよー」
一瞬珍しいものを見た顔をされたが、すぐに間抜け顔へと戻った。
…僕と彼の関係を知っているのは、炭素。あいつだけだ。
癪だが頼れるのは正直アイツしかいない。元々僕は友人を作ることは嫌いだからそもそもいないし。
友人は…エカ、アイツだけだが、炭素はよく僕を気にかける。故、彼は僕をよく知っている。
酸素は……………まぁ、単純に嫌いだから置いておいて。
ケイ素「…さて」
出掛け用のジャケットを羽織る。
今から行くのは知能生命体がいる星で、文明もそこそこ発達しているところだ。
そこでお茶をしながらだらだら過ごすのも悪くはないだろう。
ケイ素「…待たせた」
エカ「お、ケイ素!!︎ 待ってたぞ‼︎」
エカ「さて、いきたい星。案内してよ‼︎」
ケイ素「まぁ待て、まず安全措置の確認からな………」
エカ「うーい。そしたら俺、ケイ素の顔チェックしとくわ」
ケイ素「いいけど面白みのない顔だぞ???」
エカ「顔がいい人ほどそれ言うんだよね」
#北海道
サンド1
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ケイ素「僕の場合は例外」
エカ「えー、そうかなぁ?俺は好きだけど?」
ケイ素「………ほら、確認終わったぞ」
エカ「あ!照れ隠し?……いやごめんって圧かけないで」
ケイ素「はぁ…まぁいい。いくぞ」
エカ「はーい」
そう言って、
僕らは家を出た。
__区切り__
エカ「うお〜‼︎」
エカ「美味しそうだね、パンケーキ?」
ケイ素「…まぁ」
エカ「可愛いじゃん」
ケイ素「…………」
エカ「ちょ、褒めてるのに⁉︎」
今は、カフェで食事をとっている。
対面で座る彼は、僕をまじまじとみつめている。
…彼の目の前に、食事はない。
ケイ素「…エカ。あとで、写真でも撮らないか」
エカ「え。…急だね」
ケイ素「まぁ。先日作ったんだ、炭素と」
エカ「あー、確かにそんなことしてたね‼︎やっぱケイ素はすごいなぁ」
エカ「俺もものづくり、やってみたいなぁ」
ケイ素「…そうか」
パンケーキを口に含む。
甘くて、ふんわり蕩けた感触が口内を埋め尽くす。
それとは対照的に、脳に静かで、冷たい水が落ちてくる。
…彼は………エカは。
この世に存在しない。
それは結構前からわかっていた。
僕がみんなの前でエカと呼べば不思議そうな顔をし、エカとは誰と聞く。
さらに、決まって彼は僕が一人でいる時に来る。
寂しい、彼が欲しい、と思った時、ドンピシャで。
…イマジナリーフレンド。
そう勘づくのは、幼く脳の発達していない僕でも理解できた。
エカ「ケイ素」
エカ「…写真は、風景画にしない?」
ケイ素「…元からそのつもりだ」
そんなことを言いながら、僕は黙々とパンケーキを口に運んだ。
__区切り__
水素に一人で行ったことがバレないよう、炭素と途中で合流し、帰宅する。
部屋に到着し、明かりを灯した。
ケイ素「ただいま」
エカ「おかえり」
ケイ素「…お前も帰ってきた側だろ」
エカ「あはは、だってケイ素に言うこと多いんだもん」
ケイ素「…だな」
そう言えば…エカと外に行くことなんてあまりない。
そもそも外に出ないし、大体、兄たちがいるから。
ケイ素「…あぁそうだ、日記」
ケイ素「もうそろそろ寝る時間だし。今日は書きたいことが山ほどあるな」
エカ「…そうだね。俺も手伝う」
ケイ素「ありがとう。そしたら、内容どうするか考えといてくれ。僕の分の日記だけ先に書くから」
エカ「うん、わかった」
彼は、快く承諾した。
間もなく、時間が経って。
僕とエカ、二人分の日記が書き終わった。
…これは、
僕が大人になっても忘れてしまわないためだ。
エカのことを、僕は忘れたくない。
けれど、イマジナリーフレンドというものは、いつかは消えてしまうらしい。
声を、顔を、思い出を、やがて全て忘れて。
…だから。せめて、思い出だけでも、
残したい。
エカ「ん…ふわぁ」
エカ「ケイ素…寝る?」
ケイ素「…そうだな」
ケイ素「いや、いい。少し勉強してから寝るから、エカは先寝てていいからな」
エカ「…そ、っか」
エカ「…じゃあ、ケイ素」
エカ「夢の中で…待ってるね」
ケイ素「…嗚呼」
ベッドの上に、彼が寝っ転がる。
規則正しい寝息がきこえてきたと思えば、彼はいつのまにかそこから見えなくなっていた。
コメント
1件
うわあ、これは……冒頭からじんわりくるお話ですね。ケイ素が「エカ」という存在を自覚していて、それでも一緒に遊びに行くところ、日記に残そうとするところに、すごく切なくて温かい感情が詰まってる。パンケーキを食べるシーンの対比が特に好きです。彼は確かにそこにいるのに、触れられないもどかしさが伝わってきました。続きが気になります。