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部屋に戻ったSellyは今回の事、そしてMainyから聞いたMondoの事を考えていた。確かな確証は無いがきっとおじじは何か重大な事を隠している。 そう直感した。
だが、きっと隠していると言うことは聞いても教えてはくれないだろう。「Mainyも共犯・・・?」そう呟き少しでも情報を集めるために外に出た。
浄化から戻ったParkhaは、ソファに座りながら考え事をしているSellyに戻った旨を伝えた。が、Sellyからは返事が無い珍しく悩んでいるなと思いシステムキッチンに立ちインスタントコーヒーをいれる準備をした。Sellyも飲むか確認をしようとした時、徐に立ち上がり何かを呟いたかと思うとそのまま部屋を出て行ってしまった。
独り言のように呟いたその声はとても小声ではあったが、Parkhaには聞き取れていた。
「Mainyが共犯?なんの話しだ?」共犯という物騒な単語に眉をひそめ、話の概要はわからないが、何か手助けになるかもしれないと思い、コーヒーを入れたマグカップを片手に自室のPCの電源を入れた。
時同じくしてRasは嫌がるCptと共にジムに来ていた。
「ねぇ~もう無理だよぉ帰ろうよぉ」少し走っただけで根を上げたCptに「まだ来て五分も経ってないよ?任務の基本は体力だって」と運動するように促しながら自身はランニングマシーンの上で走った。
(今日の戦闘中俺は自分の事に必死だったのに、Sellyは周りもよく見ていて凄かった…俺も同じくらい動けるようになりたい。)Rasは親友であり一番の戦友であるSellyに対して強い憧れを持っていた。
共鳴した相手だけに、戦闘時の浄化の光の強さがだれよりも感じられるのだ。Rasは戦闘中感じる力強くそれでいて安心感のあるあの光が好きだった。そして、共鳴者でも発現者の力になりたいと常日頃から普通の執行者の何倍も努力に勤しんでいるのだ。
真面目な顔で走り続けるRasの横顔を眺め、自分も頑張ろうと決意したCptはRasと同じメニューで走り出したが、いつも同じメニューをしているRasと初めて過酷なメニューを実行したCptは当然耐えれるはずも無く、その後過酷な運動のし過ぎでMainyの元へ運ばれたのは言うまでもない。
SellyはMondoとCptの部屋の前に来ていた。来たはいいものの怪しまれずMondoの事を聞くにはどうしたらいいものか…。そう考えてしまうと扉をノック出来ず扉の前で固まっていた。
そこに運がいいのか悪いのか背後から、悩みの種であるMondoから声を掛けられた。
「Selly?なにやってんの」突然声を掛けられ驚いたSellyはいつもよりワンオクターブ高めの声が出た。
「あ、いやー…」言葉に詰まらせ目を逸らしていると、その前を無言で通り過ぎ扉を開け「入ったら?」と入室を促された。
ここで入らないのは流石にまずいと思い素直に従った。
Mondoは片手だとは思えないほどスムーズにコーヒーを入れSellyの前に出した。一息ついて意を決した様に「Mondoは、アカデミー入って無いよね?何かあったのか?」そう質問した。
これくらいなら怪しまれないだろう。そう判断した結果だ。
Mondoはまさか自分の過去を聞かれるとは思わず
少し驚いた表情をして、「俺は、日本に旅行に来ていた時にOverHEATに襲われた被害者だから、発現はしてない。」その言葉に驚いた。
Rasの様な発現者では無い能力者は他に居ないとされていたからだ。
「発現してないの?でも、浄化出来てるけど…」浄化の力は発現者になった時に放つ光の力が必要だ。
Rasは共鳴したSellyの光から浄化が可能な為執行者になれている。
だが、共鳴でもないただの被害者で浄化は可能なのだろうか?と考えた。もしかして、おじじが隠したいのって・・・。
何故浄化が出来るのか聞こうとした瞬間、サイレンがけたたましく鳴った。
「早すぎる!」驚いて立ち上がったSellyはParkhaに連絡をする。
一日に二回も“通常”は鳴るはずが無い。詳しくは解明されていないが、OverHEATは陽が昇っている時にしか活発に活動をしない。夕方から夜にかけて段々と落ち着いていくのだ。
落ち着くと言っても道端で出会ったら即座に逃げないと捕まったら最後になる。
ただ、朝の様に超人的な速さで追いかけてくる事は無い。それこそ本当にゾンビの様にゆっくりと来るのだ。だが、それは執行者も同じで、陽が沈むと浄化の力が弱くなってしまい、瘴気への耐久も下がってしまうのだ。
既に時刻は16時を指しており、陽は沈み始めている。
現場はCR本部から近場ではあったが、瘴気の耐久度が元々弱いメンバーを連れていく事は出来ない。
現場に向かうのはおじじからの司令の元、Ras、Selly、Mondo、だるまいずごっど、ありさか になった。
Mondoを連れていくのにはあまり乗り気ではなかったがボスからの司令上渋々Sellyは了承した。
「今回は異常事態だからだるまとありさか頼むよ」おじじはグループ通話でそう言った。
だるまには諜報員としての仕事以外に特有スキルとして、<天変地異>という能力がある。このスキルを発動すると、だるまの背中から天使の翼が生え、頭の上に天使の輪っかが出現する。
そして、だるまの周囲にいる全員が瘴気の抵抗力を上昇させる力をもっている。
そしてありさかだが、彼の種族は人間では無く、CRでも珍しい<神鬼>という種族になる。
夜だけ全身真っ黒の鬼へと変身が出来るのだ。
二人は【力を使うと疲れる】という理由で普段は普通の諜報員として活動している。
勿論他のメンバーにもそれぞれ能力は付与されている。
Ras達はバスに乗り込み現場へ向かった。