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休みを取っていたある日――
主は手入れの行き届いた庭に居た。
アモンが丹精込めて作り上げた庭には色とりどりのお花達が咲き誇っていた。
「んー良い香り…」
主は顔を花に近付けて花の香りを楽しんで居るとその時、後ろから声がした。
「おはようございますっす、主様。」
「おはよう、アモン。」
今日は有給を取っていて朝から休みである事を説明した。
「そっすか!主様は頑張り屋さん何ですから今日はゆっくり休んでくださいっす。」
アモンは花に水やりをしながら主と会話していると…
「わぁ!?また水道が壊れたっすね…
主様は大丈夫っすか?」
アモンは全身に水を被ってしまった。
もちろん隣に居る主もアモン同様、全身に水を被ってしまった。
「びっくりしたねー!」と主が声を掛ける。
アモンは主の方へ向き直すと
顔を赤らめて何も言わずに、持っていたタオルを主の肩に掛けた。
「アモン?」
主はブラウスが透けて下着が見えている事にまだ気づかなかった。
「…主様。失礼しますっすよ。」
そう言うとアモンはお姫様抱っこをして主の部屋まで連れて行こうとした。
主は自分で歩いて部屋に戻ると言ったが、ブラウスが透けている事を話すと大人しくお姫様抱っこをされる事になった。
主の部屋に着いた時─
「アモン、もうおろして良いよ。ありがとう。」
主がそう言ってもなかなかおろしてはくれず、それどころかアモンの体に密着させられていた。
「…主様。」
アモンは主の事を真っ直ぐ見てきた。
アモンの力強く程よく鍛えられた体から、ほのかに薔薇の香りがして私の鼻腔をくすぐる。
綺麗な顔立ちから真剣な眼差しをみせるアモンの視線から主は目が離せなくなった。
「…アモン、私…」
主は自身の胸の鼓動がはやくなるのを感じるが、密着しているせいでアモンにそれが伝わってしまうのではないかと心配してしまう。
「…主様、俺、◯◯さんの事が好きっす。
執事がこんな事言っちゃダメなのは分かってるっす。
でも、誰にもこんな姿を見せたくないっす。
◯◯さんと初めて会ったあの日から俺は心を奪われてたっす。
ここで離したくないし、離れたくないっす。
俺じゃダメっすか?…◯◯さん。」
ほんのりアモンの顔が赤らんでいるのを、アモンの鼓動がはやくなるのを感じる。
「……」
急な事で何も答えられず居ると─
「くちゅん!」
体が冷えたせいかくしゃみをしてしまった。
アモンは少し間を置いて大きな声で笑った。
「すみません、冗談っすよ!
体冷えちゃいましたっすよね?
すぐにお風呂の準備をしてくるので、待っててくださいっす。」
主にはアモンの悲哀に満ちた表情や声が、彼なりに隠して居るのは分かるが何となく伝わってきた。
アモンはベッド横の椅子に主を座らせ、部屋から出ようとしているのを主は慌てて止めた。
「っあ、アモン!待って!」
椅子から立ち上がり、ゆっくりと今の思っている気持ちを吐き出そうと呼吸を整えた。
アモンはドアに向かい合い、主には背を向けたままで動かずに居た。
「私…私ね、私もアモンの事が、ずっと、…」
ただ、“好き”この言葉が喉につかえてなかなか出て来ない。
主は早まる鼓動を必死に抑えながら
もう1度呼吸を整えた。
「…私、アモンが好き。大好きよ、アモン。
アモンの事、過去の事はほとんど知らないから、全て知ってる訳じゃない。
でも、庭のお花達を見てると分かるよ。
アモンが好きなものには真っ直ぐで、一途に愛情を注いでくれるって事。
私の心の隙間をいつも埋めてくれる、そんなアモンが大好きよ。」
主がそう言うと、アモンの表情は笑顔を浮かべた後にくるっと後ろを向き主を抱きしめた。
アモンの体温が主の冷えた体を心地良くさせてくる。
「…◯◯さん、もう離さないっすよ?」
いつもの小悪魔な顔をして、親指と人差し指で主の顎を持ち上げて顔を近づける。
最初は唇が重なり合うだけ、次第に呼吸が出来なくなるくらいにお互いに求め合う様に舌を絡ませ合う。
冷えていたはずの体も内側から熱くなる。
「っ、アモン…」
主はアモンとのキスですっかりとろけた顔でアモンを真っ直ぐ見つめた。
「◯◯さん、愛してるっすよ。
両思いって、こんなに嬉しいんすね。
知らなかったっす。」
アモンは今までに見た事のないくらいのとびきりの笑顔で、目には涙を溜めていた。
コメント
3件
ああ、素敵なお話でしたね…!庭仕事からの“水しぶきハプニング”、そこから一気に距離が縮まる流れがとても自然でした。特にアモンが「冗談っすよ」って笑いながら告白をかわすところ、その悲哀が切なくて…。でも最後、主様が自分の言葉で「好き」と伝えたシーンは本当に胸がじんわり温かくなりました。「両思いってこんなに嬉しいんすね」って泣きそうな顔で言うアモン、最高です。続き、気になりますね🌷