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織田信長との戦いが終わり、透と神風は次なる敵に備えていた。だが、次の相手は予想以上に強大だった。彼らの前に立ちはだかるのは、アメリカ支部の長、アブラハム・リンカーンだった。
「リンカーン…」
透はその名を口にしながら、彼の圧倒的な存在感に気圧される。
リンカーンは背が高く、長い黒のコートをまとって立っていた。その鋭い眼光は、すでに透と神風の実力を見抜いているかのようだった。
「君たちが噂の戦士たちか?」
リンカーンは落ち着いた口調で言った。彼の声には、威厳と冷静さが混ざっていた。かつて奴隷制を廃止し、アメリカを統一に導いた偉大な大統領であった彼は、今やアメリカ支部の呪術師たちを率いる最強のリーダーだった。
「お前が相手をしてくれるってわけか。」
神風が挑発するように言いながら、剣を構えた。
「戦いが避けられないならば、君たちの覚悟を見せてもらおう。」
リンカーンは一歩前に出ると、その身に強力な呪力をまとわせた。
「俺たちの世界では、自由と平等が全てだ。しかし、ここに来た者には真理を思い知らせねばならない。」
リンカーンは手を広げ、地面が揺れ始めた。彼の能力は「絶対的自由の支配」――どんな攻撃も、彼のもとでは無力化され、彼が定めたルールに従わざるを得ない。空間そのものを歪め、自由意志を奪う力を持つリンカーンに、透と神風は思わず息を呑んだ。
「俺たちにはまだ止まる理由はない!」
神風が叫び、全力でリンカーンに向かって突進する。しかし、彼の剣はリンカーンの手前で止まったかのように、動きを封じられてしまう。
「…無駄だ。私の前では君たちは何もできない。」
リンカーンは微笑みを浮かべた。
透も攻撃を試みるが、リンカーンの力によってその動きは自由を奪われていた。彼はまるで透明な壁に阻まれているようだった。
「自由を支配する…か。なら、その自由を壊してみせる!」
透は歯を食いしばりながら、リンカーンの力に抗おうとした。だが、リンカーンはそのまま冷静に彼らを観察し続けていた。
「君たちがどれほどの力を持っていようと、私の前では無力だ。覚悟するがいい。」
リンカーンの呪力がさらに増幅し、空間全体が圧倒されるような感覚に包まれる。
透と神風の前に立ちはだかっていたアブラハム・リンカーン。彼の圧倒的な力に苦しめられていた二人だったが、次第にリンカーンの「絶対的自由の支配」の隙を見つけ始めていた。
「今だ、透!」
神風の叫びと共に、透は渾身の一撃を放つ。リンカーンの力場を突破し、彼の胸に直撃する。
「…やるな…」
リンカーンは胸を押さえながら、驚いたような表情を見せたが、次第に穏やかな笑みを浮かべた。
「君たちは…本当に強い。これが自由の本質かもしれないな。」
そう言いながら、リンカーンはゆっくりと崩れ落ちていった。
「俺たちは…勝ったのか?」
神風が息を切らしながら呟く。しかし、彼に対して答えたのは、リンカーンの倒れる音ではなく、新たな不気味な声だった。
「自由?そんなものは幻想だ。」
その声は冷たく、そして不気味だった。
突然、暗闇の中から姿を現したのは、歴史を恐怖で染め上げた独裁者、アドルフ・ヒトラー。その姿は現代のスーツをまとい、鋭い眼光を放っていた。
「君たちがリンカーンを倒したか…だが、次は私が相手だ。」
ヒトラーは冷たく笑みを浮かべながら、透と神風を見下ろした。
「ヒトラー…お前も偉人一派の一員か?」
神風は驚きの表情を隠せなかった。
「その通りだ。だが、リンカーンとは違う。私は力で世界を支配する者。自由?それは言い訳に過ぎない。」
ヒトラーは呪力を解き放ち、強大な圧力が二人を襲った。リンカーンとは異なる冷酷で支配的な力。ヒトラーの呪力は「完全なる支配」――周囲のあらゆるものを彼の意志で操ることができる能力だった。
「リンカーンとの戦いで力を使い果たしている今、これ以上の戦いは厳しいな…」
透は緊張感を増しながら、神風に耳打ちした。
「だが、引き下がるわけにはいかない。ここで終わらせるしかない。」
神風は刀を再び構え、透も準備を整える。
「お前の独裁の時代は終わったんだ!」
神風は怒りを込めてヒトラーに叫ぶ。
「終わっていない。私の支配は永遠だ。さあ、見せてみろ、その力を!」
ヒトラーは狂気を帯びた笑みを浮かべながら、二人に向かって歩み寄る。