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朝、ベッドの上で目を覚ました晴人は、ふと指先に残る感覚に気づいた。

(……あいつの指が……まだ中に、残ってるような……)


身体の奥が、かすかに疼いていた。痛みと、空虚な熱。


(おかしい……俺、あんなことされて、なんで……)


あれほど嫌だったはずなのに。暴力でねじ伏せられ、涙を流して、何度も絶頂させられて。


けれど今、そこにあるのは――空っぽ。


悠真がいないだけで、身体が火照って仕方がなかった。


「っ、……俺、なに考えて……」


太腿の奥がむずがゆくなる。触れたい、でも触れたくない。

そして、触れてしまえば、もう後戻りできない気がしていた。



夜。玄関のドアが開く音がした。


「ただいま、晴人」


「……悠真……」


視線が合うと、ふいに身体が熱くなる。


ダメだ、と思った。なのに、次の瞬間には足が勝手に動いていた。


「……ねぇ、さ……」


晴人は、たどたどしい手つきで自分のシャツのボタンを外す。

首元、胸元、下腹部へと、白い肌が露わになっていく。


悠真の目が、狼のように細められる。


「……それ、どういう意味?」


「わかってんだろ……? …お前がいないと、……もうダメなんだよ……」


そう呟いた瞬間、身体が壁に押し付けられる。キスは深く、舌が喉の奥まで突き込まれる。


「やっと……やっと君が、僕を求めた」


服を脱がされる早さも、今までとは違った。

悠真の手は荒々しく、それでいてどこか慈しむように晴人の身体を貪っていく。


ベッドの上。晴人は自ら脚を開き、潤滑剤を手に取ると、震える指で自分の中を濡らしていく。


「晴人、何してるの?」


「……先に、準備……しておかないと……お前、激しいから……」


「……可愛すぎて、狂いそう」


その言葉の直後、悠真の指が加わる。


「んっ、あっ、あぁっ……は、やっ……んっ!」


ぐちゅっ、ぬちゃっ、と生々しい音が部屋に響く。


「こんなに、トロトロになって……誰のせい?」


「……っ、お前……悠真、の……っ……!」


「そう。気持ちいい? 奥のここ、」


ずぶっ、と指が奥の性感帯を押し潰すように刺激すると、晴人はビクビクと腰を跳ねさせた。


「ぅあっ……だめっ、もうっ、そこばっかり……っ!」


「じゃあ――もっとしてあげる」


今度は指ではない、“本物”が晴人の入口をなぞる。


「入れるよ、晴人。君が欲しがってるから」


「うん……入れて……お前で、俺、ぐちゃぐちゃにして……っ!」


その言葉を聞いた瞬間、悠真は理性を手放した。


ずんっ、と一気に根元まで突き込まれ、晴人の口から悲鳴のような喘ぎが漏れる。


「ぁああっっ!! んぐっ……はっ、ぁ、やっ……奥っ、んっ!!」


「キツい……晴人、中、締まりすぎ……っ」


「お前、のだから……俺の中、ずっと……お前、で埋めて……!」


パンッ、パンッと突き上げるたびに、晴人の身体がベッドに沈む。

突かれるたびに喘ぎ声が漏れ、ベッドは汗と体液で濡れていく。


「もっと……もっと激しくしてっ! 壊れるまで、突いて……っ!」


「晴人……っ、君がそんなに僕を求めてくれるなんて……っ、たまらないよ」


突き上げが加速する。

肉と肉がぶつかる音、粘膜の水音、喘ぎ声が重なり合い、空間は淫靡な熱で満たされていた。


「イク……っ! 悠真、イくっ……中に、いっぱい出して……っ!」


「イって、晴人。僕の中で、僕のモノとして、イけ――!!」


どぷっ、どくっ、と熱いものが中に注がれた瞬間――

晴人は絶頂し、意識が真っ白に塗り潰された。



後日、悠真は“記念”として晴人に新しい首輪を贈った。

「ご主人様に許可なく外出しない」と書かれたタグ付きのものだ。


晴人は、もうそれを抵抗なく首にかける。


そして、囁く。


「なぁ……次は、手錠でもしてくれる? 逃げないって証にさ……」


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