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静かな病室に、公太の声が響いた。
「……なあ、畑中」
「何だ?」
畑中が視線を向ける。
公太は真剣な表情のまま、ゆっくりと口を開いた。
「もし俺たちが完治する前に……あいつらがまた攻めてきたら、どうするんだ?」
その一言に、唯我と一祟も表情を引き締める。
三幹部――ロキ、カイゼル、ヴィクター。
あの圧倒的な実力を思い返せば、再び襲撃してくる可能性は十分にあった。
病室に重い沈黙が流れる。
やがて畑中は腕を組み、静かに答えた。
「……その時は、お前たちが出る必要はない」
「……は?」
三人が同時に目を見開く。
「おいおい、冗談だろ?」
公太が思わず声を荒らげた。
「今さら逃げろってのか? 黙って見てろって言いてぇのかよ!」
「違う」
畑中は落ち着いた口調で首を横に振る。
「今のお前たちは、三幹部とまともに戦える状態じゃない」
その言葉に、公太は口を閉ざした。
反論できない。
あの敗北が、それを証明していた。
畑中は続ける。
「だから、奴らが再び現れても、お前たちは出なくていい」
一祟が静かに問いかける。
「では……誰が戦うのですか?」
畑中は迷うことなく答えた。
「ORVASには、お前たち以外にも――牙を研ぎ続けている者たちがいる」
その一言に、三人は顔を見合わせる。
唯我が腕を組み、小さく呟いた。
「……つまり、その者たちに任せるということか」
「ああ」
畑中は短く頷く。
「今のお前たちの仕事は戦うことじゃない」
「傷を治し、万全の状態で戻ってくることだ」
「それが、今のお前たちにしかできない役目だ」
公太は納得できない様子で拳を握る。
だが、その拳はゆっくりと力を抜いた。
「……チッ」
悔しそうに舌打ちする。
「仕方ねぇか」
「……分かりました」
一祟が静かに頷く。
「今は回復に専念します」
唯我も小さく息を吐いた。
「焦っても意味はない……か」
二人の言葉を聞き、公太もようやく頷いた。
畑中は三人を見回し、わずかに口元を緩める。
「それとな――」
「?」
三人が同時に顔を上げる。
「お前たちが復帰するまでに、俺たちも準備を進める」
「次は、同じ負け方はしない」
公太が首を傾げた。
「準備って、何する気なんだ?」
畑中はニヤリと笑う。
「それはまだ秘密だ」
「楽しみにしておけ」
そう言ってタブレットの電源を切る。
病室は再び静寂に包まれた。
しかし、その静けさの裏では――
ORVASの新たな作戦が、そして未知の戦力が、静かに動き始めようとしていた。
コメント
1件
あ、この話はグッときたなあ……! 畑中の「お前たちが出る必要はない」ってセリフ、一見冷たく聞こえるけど、ちゃんと三人の回復を第一に考えてるのが伝わってきた。公太の悔しそうな舌打ちとか、一祟の冷静な受け入れ方とか、三人三様の反応がキャラ立ちしてて良き。最後の「楽しみにしておけ」でニヤッとする感じ、次への期待感がめっちゃ高まったわ! 次話も楽しみにしてる🔥