テラーノベル
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病院を後にした畑中は、ORVAS本部へ戻ってきた。
基地の奥にあるトレーニングルームへ足を踏み入れた瞬間――
ドォンッ!!
轟音が響き、床が大きく揺れる。
鋭い閃光が走り、空気そのものが震えていた。
そこでは三人の精鋭が、実戦さながらの訓練を繰り広げていた。
ロイド。
ユージン。
セリナ。
ORVASが誇る、もう一つの切り札。
ロイドは重力を操り、一撃ごとに床を陥没させるほどの衝撃を放つ。
ユージンは全身を赤く発光させ、超活性化した肉体で残像すら残る連撃を叩き込む。
そしてセリナは、淡い光で無数の幻影を生み出し、二人の猛攻を軽やかにかわすと、一瞬の隙を突いて鋭い蹴りを叩き込んだ。
三人とも、一切の無駄がない。
まるで長年息を合わせてきた戦友のような動きだった。
畑中は思わず立ち止まる。
(……強い)
その実力は、公太たちとはまた違う。
数々の修羅場を潜り抜けてきた者だけが持つ、圧倒的な完成度だった。
やがて三人は同時に動きを止める。
セリナの幻影が霧のように消え、ユージンの赤い輝きも静かに収まる。
ロイドも重力場を解除し、畑中へ視線を向けた。
「……久しぶりね、畑中」
セリナが小さく微笑む。
「相変わらず顔色悪いわ。ちゃんと寝てる?」
畑中は苦笑した。
「忙しいだけだ」
「久しぶりだな」
ユージンが笑顔を見せる。
「あの任務以来か」
ロイドも静かに口を開いた。
「……無事で何よりだ」
畑中は三人を見つめ、大きく息を吸う。
「お前たちの成長には驚いた」
少しだけ笑みを浮かべる。
「……だが今日は、それを言いに来たんじゃない」
その一言で、三人の表情が引き締まった。
「頼みがある」
「頼み?」
ユージンが首を傾げる。
畑中は真っ直ぐ三人を見る。
「公太たちが重傷を負った」
「しばらく前線には戻れない」
「その間、ORVASの戦力が不足する」
静かな空気が流れる。
そして畑中は続けた。
「アビス三幹部――ロキ、カイゼル、ヴィクター」
「奴らが再び動く前に、お前たちの力を貸してほしい」
セリナの瞳が鋭く細まる。
「……三幹部」
「つまり、もう時間がないってことね」
「ああ」
畑中は力強く頷いた。
「次は間違いなく、本気で仕掛けてくる」
ユージンは腕を組み、笑みを浮かべる。
「面白いじゃねぇか」
「アビス最強っていうなら、一度くらい相手してみたかったんだ」
セリナも静かに笑った。
「世界中の戦場を渡り歩いてきた私たちが、今さら怖気づく理由なんてないわ」
最後にロイドが一歩前へ出る。
「……三幹部だろうと関係ない」
「俺たち三人で、突破口を切り開く」
その力強い言葉に、畑中は安堵したように息を吐いた。
「ありがとう」
「頼りにしている」
三人は無言で頷く。
その瞳には、迷いなど一切なかった。
畑中はタブレットを取り出し、机の上へ広げる。
「作戦会議を始める」
「時間は一秒たりとも無駄にできない」
張り詰めた空気の中、四人はテーブルを囲んだ。
公太たちが病室で再起を誓うその頃――
ORVASでは、新たな切り札が静かに動き始めていた。
コメント
1件
わあ、第67話お疲れ様です! 新しい精鋭・ロイド、ユージン、セリナの3人、めちゃくちゃかっこよかったですね…!訓練シーンの描写が迫力満点で、特にセリナの幻影と蹴りのコンビネーションに「おおっ」となりました。彼らのベテラン感とかすかに見える畑中との信頼関係が、公太チームとはまた違う色を出していて、物語に奥行きが増した瞬間でしたね✨ 「次は本気で来る」という緊張感の中、いよいよ三幹部戦が近づいてきた感じがして、続きが待ち遠しいです!
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成瀬りん
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