私から教える事は何も無い。確かにそう言われた。つまり修行の終わりだ。ここ何日間でどれだけ通用するのかは知らないけれど、とてもお世話になったのは確かだしなにかお礼が言いたい。それにそうなったって事は屋敷生活も終わるって事なんだから家とか探しながらギルド生活もしないといけないのかぁ、。そう思いながら重い足を運んで屋敷をウロウロしていると
「教える事は無くなったが私は魔法に関しては魔法学でしか教える事が出来なかった。済まないと思っている。」
アイゼルさんが居候の私に頭を下げてる。
「いえいえ!住む所を貸してくれただけでも充分でしたよ!」
これ以上は欲張っちゃいけない気がする。というかどれくらいまでなら大丈夫なのか分からないからこう言わないとダメな気もするけど
「そう言ってくれると助かる。」
アイゼルさんはそう言って私になにかが入ってる袋を渡してきた。
「これは餞別だ。少しだが銀貨と銅貨が入っている。これでしばらくはもつだろう。」
宿代に使えって事なんだろうか。
この世界において銅貨1枚はリンゴ1個分の価値がある。
そして銅貨は100枚で銀貨と交換出来る。銀貨もまた、100枚で金貨になり、金貨は1000枚で純金と交換となる仕組みになっている。
貰った銀貨は5枚、銅貨は70枚だった。宿代は大体銅貨3枚程度なので充分住めるくらいだ。
そういえばこの前鍛冶屋に行ってた様な、。武器を見繕ってギルドに行こうかなと思っていると
「やっと見つけたぞてめぇ!どこほっつき歩いてやがった??!」
鍛冶屋のオッサン、。えっと、。
「お前、俺の名前忘れてるだろ?」
ギクッ
「まぁいい改めて、ガンツ・ブロウリーだ。おメェを探してたんだ。ちょっと来な!」
「良いけど前に来ないでくれって言ってなかった?」
私は思い出しながら連れ去られていく。
「事情が変わってな。魂を込める過程でお前が必要になったんだ」
ベルグの屋敷で鍛冶屋の「魂を込める」という話は大体理解出来た。そして私が必要って事はつまりそういう事で気まずい。
「テメェの武器を作るって依頼だったからな。テメェ殺して完成しましただと意味が無くなるだろ?」
何か呆れた様に言われた。でもとりあえず武器やらなんやらを作ってくれるらしいからついて行く事にしよう。
同日、ギルドでは揉め事が起きていた
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