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side.凛月
「凛月!俺、幸せになれる道を見つけたんだよ。」
「…え?」
「だって、男同士で付き合ってたって 結婚もできねぇし子供も産めないし、なんも幸せなこととかねぇよ。」
「…どういうこと?」
「お前にも幸せになってほしいな。」
「何言ってるの!俺は幸せだよ!?まーくんと…好きな人と付き合えて…」
「凛月。お前も大人になれよ。俺はもう、かわいい女房さん見つけたんだからさ お前もはやく…」
「いやだ!! 俺は絶対にまーくんから離れない!!ねぇどうしちゃったの?俺になにか不満がある?それなら直すから…」
「凛月。よせよ。俺らもいいかげん、駄々こねてる年じゃないだろ。現実を見て、大人になろう。の方がきっと…」
「…つ」
「お互い」
「り…つ…」
「…幸せだ。」
「りーつ!!!」
ハッ..
聞いたことのある大好きな人の声で目が覚めた。
「…まーくん……?」
「そーだよ。ったく、どんな夢見てたんだよ。お前、すごく魘されてたぞ。」
…夢、か。
ホッと一安心した俺は全身から一気に力が抜けた。
「おい、凛月。朝ごはんできたから早くおりてこいよー」
「…まって、まーくん。」
「なに?どした。」
「力入んなくて起きれないから体引っ張って起こして〜」
「はぁ〜?ったく。」
少しため息をつきつつも、俺の手を掴んで引っ張りあげてくれるまーくん。
そんな、なんだかんだ優しいまーくんが大好きだ。
「ほら、ここまで起こせばもう立てるだろ?」
「うーん…」
そんなまーくんだから、つい甘えちゃう。
「下までおんぶして連れてってー♡」
「は〜?それは勘弁してくれよー、昨日の今日で腰痛いんだから。」
そう言ったまーくんに少し頬が緩んだ。
「ふふ、俺のせい?」
少しニヤつきながら言い放った俺にまーくんは仕方なさそうに笑って「バーカ」なんて言った。
「俺、一生まーくんに介護されて生きたーい」
「ははっ、それは俺に得あんのかー?」
「好きな人の介護ができるなんて、そんな幸せなことないでしょ〜」
「ったくー、お前と俺ばっかに頼ってないで 少しは大人になれよなー 」
「……それは…」
「そーじゃないと、結婚してやんないぞ?」
予想外の言葉に、少し驚いた。
でも、この驚きはすぐに抑えることのできないニヤニヤになった。
「…まーくん、俺と結婚するつもりなの?」
「お前が最低限の家事・自立ができるようになったら考える!」
「ふふ、なにそれ。でも日本じゃ俺たち結婚できないよ?」
「結婚は、お互いが誓いあって愛し合えば誰でもできるもんなんだよ。届出なんかより、そっちのほうが相当ロマンチックだと思わねぇ?」
そう言って二カッと笑うまーくんがあまりにも綺麗で、思わず見惚れた。
これが、俺の愛した人。いや、愛してる人。
もちろん これからも大好きだから、誰にもあげない。
「まーくん」
「ん?なんだ?」
俺の言葉に振り向いてくれる。
俺の世話を焼いてくれる。
俺のことを、好きでいてくれる。
そんな愛しい人に 感謝と、これからもよろしく なんて少しクサイ想いを込めて、口付けをした。