2話
その日の夜の事。
彰人は泣き止んで俺の袖をぎゅっと握ってぼーっとしていた。
☕「彰人。明日は休みだから服を買いに行かないか?」
🥞「…コクン」
☕「じゃあ…ショッピングモールにでも行こう。電車乗ったことあるか?」
🥞「…ブンブン」
☕「そうか。初めてだな。人が多い所とか大丈夫か?」
🥞「…」
🥞「少しなら、大丈夫。」
☕「わかった。無理しないようにな。」
その日の夜はこの会話だけを交わして眠りに入った。
ショッピングモール
☕「疲れてないか?」
🥞「…大丈夫。」
☕「よし、じゃあ…服だな。回っていいなって思ったやつ教えてくれ。」
🥞「…コクン」
色々回っているが特に何も彰人は言わない。
もうすぐ女性向けの服屋に入ってしまうが…
そして女性向けの服売り場に入った時彰人が突然立ち止まった。
☕「どうした?疲れたか?」
🥞「…」
何かをずっと見つめていた。
何かと視線の先を見るとフリルの着いた女性物のキラキラした服を見ていた。
☕「…この服が気になったのか?」
🥞「…コクン」
でもこの服は女性向けの服だしフリルが沢山付いていてスカート物も多い。けど気になるなら店ぐらいは見させてやろう。と思い声をかけた。
☕「この服屋見てみるか?」
🥞「…コクン」
中に入ると可愛い服が沢山並んでいて女の人向けといい少々可愛すぎるような…ほぼズボン物も男用も無いし男の彰人には難しいのでは…
🥞「…これ、可愛い。」
そう言って指を刺したのはセットアップ物でヒラヒラのスカートにリボンの着いた服。
☕「ふふ、可愛いな。」
🥞「…欲しい、」
☕「…これは女の人の服なんだ。彰人は少し難しい…」
店員「…男の子でも似合うと思いますよ。」
☕「え?」
店員「最近は男の方でも買っていく方がいらっしゃいますよ。似合うと思います。試着してみます?」
☕「…彰人。着てみるか?」
🥞「…いいの?俺、男なのに、」
☕「いいぞ。あ、この子にこの服を試着させてもいいですか?」
店員「大丈夫ですよ。こちらになります。」
試着室に入って行った彰人を待っていると5分後くらいにカーテンが開いて彰人の顔がひょこっと出てきた。
🥞「…似合ってる?」
そう言って出てきたのはまるで別人のような彰人だった。
かわいい服を身につけきっと施設で切らなかった少し長い髪の毛で女の人のよう。
他の女の人より女の人という感じで誰よりも可愛かった。
☕「…かわいい、」
🥞「…本当か、?」
☕「とても可愛い!この服を買おう!」
🥞「…いいの、?少し高いよ、」
☕「いいんだ。他にも買おう。好きなの取ってきていいから着てみてくれ!」
そう言って30分ほど色んな服を着て最終的には5着の服を買うことにした。ピンクや水色、黒。スカートばかりだけどどれも彰人に似合っていて是非買ってやりたいと思った。彰人には男の人用の服は似合わないんじゃないかと思うくらい女の人の服が似合っていてなんと言えばいいか分からないくらい可愛かった。
🥞「沢山、買ってくれてありがとう。」
☕「あぁ。他にも欲しいものがあれば…」
🥞「…お化粧したい、」
☕「化粧か?」
🥞「…せっかく、可愛い服買ったから…お化粧したい、」
☕「…そうだな。俺は化粧とか詳しくないから調べてもいいか?」
🥞「うん。ありがとう。」
先程のようなキラキラした化粧屋に来ると店員がいらっしゃいませーと声を掛けてくる。
☕「すみません。この子に似合う化粧って…分かりますか?」
店員「わ!男の子かな?」
☕「はい。さっき服を買って…その服に似合う化粧って出来ますか?」
店員「めっちゃ似合うと思います!じゃあここに座って!お姉さんに任せて!ちょーぜつ可愛くしてあげる!」
凄く元気な店員さんに彰人は少し驚いていたが大人しく化粧をされていた。
店員「出来ました!どうかな!」
🥞「…!俺じゃないみたい、」
☕「彰人!可愛いぞ!その服にとても似合う!」
🥞「…凄い、化粧ってこんなに変わるんだ、」
店員「使ったものはこれだけなので3000円くらいで済むと思います!アイシャドウはこのパレットでチークはこっちのパレットを薄く塗ってリップはこのリップです!すごい似合う思います!」
☕「じゃあこれ全て購入でお願いします。」
店員「分かりました!お会計3300円になります!」
☕「カードで。」
店員「こちらにお願いします!」
ぴっ…
店員「ありがとうございました!是非次のご来店をお待ちしております!」
🥞「…ありがとう、ほんとに、こんなにも…」
☕「彰人のためだからいいんだ。それにとても可愛い彰人が見られて嬉しい。」
🥞「かわいい…//」
☕「あぁ。また来よう。」
そう言って今日は帰ることにした。
帰りの電車は人が多くて彰人が怖がったからタクシーで帰った。
家に帰ると彰人は今日買った服を着て楽しんでいるようだった。
🥞「学校も、この服で行けたら頑張れるのに、」
そう呟いていた。そうだ、この服で行けたら…。
☕「彰人。この服で学校行かないか?」
🥞「え、?」
☕「…その、学校の近くにフリースクールという教室があって…彰人が嫌がると思って言わなかったがそこなら好きな服で登校してもいいんだ。行ってみないか?」
好きな服で、登校できる。それなら頑張れるかも。
🥞「行ってみる、、」
☕「じゃあ約束してくれるか?」
🥞「??」
☕「無理はしない。嫌だと思ったら帰ってくる。何かあったらそこにいる先生に声をかける。守れるか?」
🥞「コクン」
☕「じゃあ学校に電話するから…今日買った服好きなように着てていいぞ。」
🥞「…コクン」
その後フリースクールに手続きをしたところ今フリースクールには2人の子しかいなくてどちらとも女の子らしい。服の許可も貰った。準備するものは学校の物とほぼ一緒だから準備は特にいらない。との事。
☕「明日行ってみよう。俺も着いていく。」
🥞「…服、バカにされたらどうしよ、」
☕「可愛いし似合ってるからバカになんてされない。もし無視されたら教えてくれ。」
🥞「コクン」
☕「ん、頑張ろうな。」
翌朝
今日は彰人も気合いが入っているようで服を何着ようか迷っていたしメイクも自分でやっていた。
こんな可愛らしい人この世に居るのだろうか。それくらい可愛くて外に連れ出すのは少し不満があった。可愛くて連れていかれそうだ。
そんなこと思いながら朝ごはんを食べて外を出た。
登校時間は基本学校と一緒なので他の学校の生徒とすれ違い少し見られていたがみんな「かわいいー」などと声を上げていて流石彰人だな。と何故か俺に気合が入ってしまった。
するととある女子2人に声をかけられた。
女子1「え!可愛い!その服〇〇のですか?!」
☕「…あぁ、えっと…そうですね。」
🥞「…!」
女子2「かわいい!メイクめっちゃ上手くない?!あれ…」
女子2「そのカバン…〇〇中学のカバン?」
🥞「…コクン」
女子1「もしかして転校生?!」
☕「はい。少し引っ越して少し前に〇〇中学に。」
女子1「かわいい後輩ちゃんが出来た!私3年生!よろしくね!」
女子2「私も3年生!よろしくね!」
🥞「…よろしくお願いします、」
女子1「じゃあ一緒に行こうよ!」
☕「あぁ、…俺たちはこっちで…」
女子2「私もそっちです!フリースクールですよね?」
☕「あ、はい。そうです。もしかして貴女方も…?」
女子2「はい!私達フリースクールなんです。その服で行くってことは…そうかなって思って!良かったら一緒に行かない?」
🥞「…行く、!」
☕「ふふ、彰人。この2人のお姉さんと学校まで行けるか?俺はここで帰ろうと思う。頑張れるか?」
🥞「…頑張る、!」
☕「!偉いな。何かあったらすぐに先生に言うんだぞ。頑張ってな。帰りは迎えに行くから。」
🥞「コクン」
☕「じゃあ、お願いします。」
女子1.2「はい!」
🥞「あ、と、や!」
☕「?どうした?」
🥞「迎えに…来てね、」
☕「あぁ。必ず行く。」
🥞「!また、!」
フリースクール?という所に着いた。
雰囲気は普通の家のような感じ。先生は2人いるらしい。
先生は驚いた様子でこっちに来た。
先生「君が彰人くん?」
🥞「…コクン」
女子1「君…?」
🥞「…あの、俺男、…」
女子1.2「えぇ?!」
🥞「…キモいよね、」
女子1「めっちゃ可愛いじゃん!」
🥞「…え、」
女子2「男とか女とか関係ないよ!すごい似合ってる!見た時すっごいびっくりするくらい可愛くて女の子かと思っちゃった!」
🥞「へへ、//」
先生「彰人くんすごく似合ってるよ。今日は自己紹介がてらお話してみたら?」
🥞「…コクン」
女子2「お名前は!」
🥞「しの、…青柳彰人…」
女子1「青柳彰人くんか!聞いていいかわかんないけどなんでフリースクールに?」
🥞「(この人達なら、言ってもいいよね。)」
🥞「…本当は、施設に居て…家族事故で居なくなっちゃって、でも…冬弥…が、引取りに来て…。施設の時学校行ってなくて、学校のみんなパパもママも居て俺家族を思い出して泣いちゃうから…学校行くの怖くて、引き取られてからも行けなくて。そしたら冬弥がショッピングモールに連れてってくれて…そしたらこの服に一目惚れして…この服でなら頑張れるって思って冬弥がフリースクール?紹介してくれて…」
女子1.2「そうなんだ…。」
女子2「でも、好きな物って何でも輝かせるよね!」
🥞「輝く、?」
女子1「ほら!彰人くん見たいに好きなものがあれば頑張れる!見たいな!私は…友達関係上手くいかなくてここにいるけど今はこの子がいるからここで頑張れてる。好きな子がいるから頑張れるんだ!」
🥞「!」
🥞「す、凄い、!」
女子2「でしょ!好きな物って人を輝かせてくれるの!だから自分の好きな物は自分で守っていくの!」
🥞「!」
🥞「うん、!」
中々元気には話せないけど久しぶりに女の人と沢山喋って凄く楽しかった。自分の好きな物を褒めてくれて好きな物って輝いてるって教えてくれた。
その日は下校時間まで喋っていた。
先生「彰人くんお迎え来たよ!」
🥞「ぁ、はい、!」
🥞「じゃ、じゃあまた、!」
女子1.2「うん!またね!」
先生「今日彰人くん沢山喋ってたんですよ。好きな物とか沢山喋って楽しそうでした。」
☕「そうなんですか!」
先生「お家でもお話聞いてあげてください。」
☕「はい!」
☕「では、さようなら。ほら、彰人も。」
🥞「さ、さようなら、!」
先生「さようなら。気をつけてね。」
🥞「冬弥、!」
☕「ん?」
🥞「きょ、今日ね、沢山喋って好きな物は輝いてるって教えてくれたんだ、!」
☕「!そうなのか!」
🥞「好きなものがあるから頑張れるんだって教えてくれて、他にもメイクの仕方も教えて貰って服も可愛いって褒めてくれたんだ、」
☕「ふふ、楽しかったか?」
🥞「…うん!」
☕「良かった。またお話聞かせてくれ。」
🥞「うん!」
END
どんどん彰人くんの心が開いてますね!冬弥くんのことをお父さんとは思えないけど身近な人物として捉えることが出来た彰人くんでした。
女の子の物が好きな彰人くんを入れてみました!これはこれで可愛いのでは?!
好きな物をちゃんと好きって言えて良かったです👍🏻 ́-
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コメント
5件
彰人君の女装…見たい!多分見たらお陀仏です!(笑)冬弥君の彰人君愛が変わらずかわいい!!
絶対可愛い……🥹まだ性別不明だけど瑞希感あるのなんかいいな🥺
いや彰人女装なんて可愛いすぎやろ