その日から元貴はおかしくなった。
明らかに俺に依存している。
どんな時でも、気づいたら隣に元貴がいた。
そして、一緒に笑っている。
…少し怖かった。
彼氏だからって、そんなに隣にいるものなの…??俺、若井とも話したいんだけどな。
若井と話そうとすると、必ず元貴が話しかけてくる。俺と若井との会話を阻止しているみたいに。
……若井と最近喋ってないな。
どうやったら喋れるんだろう。
……やっぱり元貴が絡んでいるのだろう。
すると、スマホが鳴る。
『若井』という文字が見えて俺は心が跳ねる。
若井?若井なの、…??
メッセージを開けると
『涼ちゃん、2人で会えないかな?』と。
元貴は今、…スタッフさんとはなしている。
俺は一瞬の隙に返信した。
『うん!いいよ、!』って。
元貴がこちらに駆け寄ってくる。
「涼ちゃん〜っ」
「んあ、何よ〜?」
暖かく抱きついてくる元貴。
もちろんカレカノだから、そんなことをする。
イチャイチャしていると、若井の鋭い視線が刺さる。
…若井、何でそんなに俺のこと睨んでるの?
スマホがなる。
…通知を見ると、
『俺の家寄って』
……若井が何を考えているのだろうか。
何もせず、いじることもせず、俺らをただ睨みつけている。
…どちらかというと元貴を睨んでる気がする。
「涼ちゃん?」
「え、?」
…あれ、いつのまに元貴に呼ばれてたんだろ。
「大丈夫?」
「ん?大丈夫っ、……」
「よかったぁ、涼ちゃんは俺のだしね、!
本当に、……」
「性奴隷になってもらわないと困るんだから」
「……えっ、?」
せいどれい、…?
元貴何を言ってるんだろう。
聞き返す前に元貴はスタッフに呼ばれて俺にキスをして向かって行った。
…鳥肌がたった。…俺のことを性奴隷に。
これが重めの愛というやつなのだろうか…
愛してるという証拠はあるだろうし、
きっと幸せなことなんだろうけど。
…依存とか、少し怖いかも。
そんなことを考えているうちに、若井が俺に近づいてきた。
「…涼ちゃん」
「わ、かい、?何?」
「俺の家、来れるの?」
「う、うん、いけるよ?」
久しぶりに聞いた若井の声に安心して声がうわずる。ふわふわ飛んでいる気分だ。
「わかった、待ってるから」
「うん」
仕事帰り。
俺は元貴に言わずに。
「ちょっとだけ出かけてくる」と嘘をついた。
出かけたりなんかしないし、行くのは若井の家だ。ついていくよと言われたけど、何とか振り払ってここまできている。
若井のインターホンを鳴らす。
若井が出てきて俺を引き摺り込んだ。
「若井!?」
「…ねぇ、涼ちゃん」
若井がゆっくり口を開く。
座り込む俺を見下しているかのように若井は笑って言った。
「…俺と、付き合わない?」
「………え?」
依存。そんなものは単純だ。愛が強い。
もしかしたら、他の人に取られるかもしれない。という思いが生まれた瞬間に発生する。
そんなのわかってるさ。
でも、人は欲に塗れている。
そんなのわかっていたとしても、嫌う。
依存という存在を。
なんなんだ。愛の証明なのに。
そうやって人は。
浮気をする生き物なんだ。
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コメント
2件
続き楽しみに待ってます、、!!
若井ぃぃ…