【 2話 】
※黒い影の正体明かし!!…のみなので短いかも
※潔くんかわちぃねぇ^^
「っへ…?い、まの……黒い、影……?」
明らかに自分の影ではなかった。というか、すごいスピードで違うところへと行っていたから、絶対自分ではない”ナニ”か。ブルッ、と寒気がした。
辺りを見回すも、何もいないし誰もいない。
耳を澄ましてみると、鼻歌のような声が聞こえた。
「だっ…誰か、いる…のか?」
ふんふんふーん♪と、楽しそうな鼻歌。潔の表情は、それと反対に顔を真っ青に染めていた。意味不明な質問を投げてしまうのは、それなりに怖がっている証拠である。
「……何?俺のこと、みえるの?…こうすれば、俺見える…かなっ?」
自分の近くで聞こえた、透き通った声。数秒立つと、その姿がくっきりと見えた。
____脚がない、同じ年齢ら辺の男の子だった。艶やかな黒い髪に、先端がグラデーションがかかった綺麗な黄色。くりくりした大きい瞳。世の中で言うと、これは可愛い系男子そのものだろう。
“ね~!見える?俺のこと!あっ、というか声聞こえる?”と、質問責めをかましてくる。潔はというものの、混乱して質問に答えられなかった。
元々、幽霊を信用していなかった。自分の力眼で見たことがないのだから、居るわけがないと思っていたのだ。今まさに、幽霊は実現するとわかってしまい、恐怖心と混乱が混ざりあっている状況である。要するに、吃驚して声も出ないということだ。
「ね~えっ!聞いてる!?」
ぷにっ。
そんな効果音がつく位、その男の子が潔の頬を人差し指でつついた。
まぁ、勿論感触はない。感触はないのだが……。
幽霊にも慣れていない潔は、その衝撃で気絶してしまった。
……暗転。
「____~……お……起きて!!!!!」
「ひゃっ!?」
耳元で叫ばれてしまい、思わず声を出した。ガバッ、と上半身を勢いよく起き上がらせる。目の前には、さっきの男の子がいた。宙に浮かんでいて、本当に人間ではないのがわかる。
(こんなに俺の部屋綺麗だったっけ。)
辺りをチラ、と見渡すと段ボールだらけの部屋だったはずが、整理整頓されている。潔が寝ている間に、この子がしてくれたのだろうか。それだったら感謝を述べなければ正に合わない。
「おっはよ~♪よく眠れた?」
「お、おう……えー…っと、片付けしてくれてありがとう」
「いえいえ~っ♪」
嬉しそうに笑うと、”それよりさぁ”と、話を急に変えようとしてくる。普通に話して自分にもだんだんと恐怖心が募ってきた。何なのだろう、一種の人間不信になりそう。…まぁ、目の前にいるコイツは人間ではないのだが。
「キミ、名前は?」
「…え、えぇ、な、名前?」
「そーっ!暫くお世話になりそうだし、名前くらい教えてよ~!ほら、綺麗にしてあげたしさ」
「うっ……」
確かにそうだ。綺麗にして貰った恩は返さないといけないのはわかっているが、生憎知らない人(幽霊)には名前を教えたくないものだ。数秒渋ったが教えて教えて!と、何度も言われるためもう腹をくぐろうと決心した。
「……潔世一。青監大学の二年だ」
「お~!!あ、そうそう!おれは”蜂楽廻”!よろしくね、潔♪」
「お、おう…蜂楽」
にこにこと愛想よく笑う男の子…否、蜂楽に潔は苦笑した。これから、コイツと共に過ごすのかと思うと、少し躊躇する物がある。
だが、潔はここで一つミスをしてしまっていた。
_____ココに居るのは、蜂楽廻だけじゃない。
他にも、ココには幽霊がうじゃうじゃ居ることを。
「ふーん、潔世一……ね。」
安らかに眠っている部屋の主を見つめながら、蜂楽こと蜂楽は呟いた。持ち物のバッグには、綺麗な字で”潔世一”と書かれている。
「俺が見えるヒトなんて早々居ないのに、この子すご~!…気に入っちゃったかも♪」
一般人…否、凄腕の陰陽師でなければ視ることができない筈なのに、この男は視えるなんて。元々の幽霊体質か、それか…不幸体質か。どちらとも言えるだろう。
ふふっと笑うと、ふわふわの黒髪を撫でた。
「墜ちてくれないかなあ、俺に」
不敵な笑みを浮かべると、潔の身元に近づいた。
深呼吸をし、大声を出す。
「ひゃっ!?」
蜂楽の声も聞こえるなんて、前例にはない。特別極まりない男だ。
(驚く声もかわいーとか、俺が先に墜ちちゃうかも♪)
どーしたら墜ちてくれるかなあ。
なんて呑気に思いながら、爽やかな笑顔で彼に話しかけた。
コメント
15件
他の人(幽霊)も蜂楽と潔のやり取り見てるのかな?
私も幽霊になって住み着きたい....
あ、やっぱり正体蜂楽ちゃんでしたか((?)) かわえぇえええ、、、、無理尊い.......((