テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
54
99
#ntjo組
おろし
12
そして、いつかいっしょに、
⚠️死を匂わす表現が多々あります。ほか、自虐、キツめの言葉遣い、心が辛くなるような表現があるため、
精神に余裕がある時に読むことをお勧めします。
BLではないです。
登場人物
・ぴくと ⇒ pk「」
・さばぴー ⇒ sbp『』
死にたい
今の時代、人間なら誰もが感じたことがある感情のひとつだろう。
今でも、何十、何百、何千万人が、そんな気持ちに溢れている。
ネガティブな感情の権化。
そのひと言は人の前ではいってはいけない暗黙の了解のようなものがある。
軽いノリでいうにも、重すぎる言葉。
でも心のどこかで、みんなが思っている気持ち。
俺も常に感じていた気持ち。
死にたい。死にたい死にたい、誰かが俺を、殺してくれればいいのに。
理由なんてない。ただ急に、ふとそんな感情が押し寄せる。
でも独りで死ぬのはいやだ。
それでも死にたい。誰か、いっしょに死んでくれ。
そんな身勝手な思いを抱えて、俺は今日も生きている。
いつも通りの配信中
sbp『やっぱり、お前最高や!!w』
sbp『ぁ゛〜今日ほんま楽しかったっすわ!』
sbp『”また”お願いしますっ』
“また”という言葉。
俺にとって、つっかえになる言葉。
“また”が欲しくない。次があるって思いたくない。
pk「..こちらこそお願いします!」
いい気分になるもののはずなのに、いい言葉のはずなのに。
pk「はぁ…、っ……、ふぅっ、…」
もう錆びて切れ味のよくないカッターで、手首を切る。
痛みが、心地よく感じる。
生きているという感覚と一緒に。
傷つけすぎて痕が残るようになった左手。
このまま風呂の水にでも腕を突っ込めば、死ねるというのに。
なんで俺は、死なずに切っているんだろう。
pk「……、」
pk「sbp、一緒に死んでくれないかな。」
ふと思ってしまったことを口に出す。
口に出すということは、その思いを増幅させる。
pk「…w、なにを、自分勝手に…。」
ぶーっ、ぶーっ
スマホのバイブ音が鳴り響く。
sbpからのメールだった。
sbp『今日はあざした!悩みがあるなら僕聞きますからね!』
sbp『ひとりで抱え込まないでくださいね!』
…なんで?
なんで俺が悩んでるって…
なんで俺なんかを心配するんだ?
pk「…、ふっ…w」
pk「一緒に、死んでくれませんか。」
最後まで書いてから、送信はせず俺はスマホを投げる。
pk「俺は、心配されたい訳じゃない…!」
pk「ふざけんなっ…!ふざけんな!!ふざけんなよっ!!!!」
俺はいつの間にか溢れている涙に気付かないふりをした。
イスや机、置いてある本、飾っていたぬいぐるみを投げて蹴飛ばして、
pk「っ…ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!う゛あああああ゛ッッ!!!!!」
自分の髪を掴んで、どうしようもないから叫んで、
がんっ!ごん!ごんっ!!
壁に頭をぶつけた。
pk「っ…、はぁ゛っ、はぁ゛…ぁあ……、」
pk「ぅぐっ…ぁ……、ぐすっ…、」
俺は一旦落ち着いて、冷たい床に体育座りして、自分の足に顔を埋めた。
pk「っ…ふぅっ…ぐ……、寂しいっ、寂しい……、」
多分、1時間は過ぎたくらいだった。
ぴんぽーん
pk「……、」
なんでこんな時間にチャイムがなるんだよ。
時計を見た。深夜の2時を回っていた。
pk「……。」
俺は、居留守をすることにした。
ぴんぽーん
また鳴った。怖くなってきた。
もしかして、ストーカー?
どんどんどん!ぴんぽーん
pk「ぃやッ…!なんなの!」
また涙が溢れてきた。
がちゃ、きぃぃ…
えっ…?あ、開いた…??
俺、鍵閉めてなかったのか…?
だんだんだん!きぃ…
俺がいる部屋の扉が開いた。
俺は息を殺して、がくがく震えて、止まらない涙のせいで出る声を必死に抑えた。
sbp『pkさん!俺ですsbpです!!どこにいるんですか…!』
pk「っえ…、ひぐっ…、ぅ、…っ……、」
sbp『…!pkさん??』
つい少しだが緊張が解け、声が大きく漏れてしまった。
そのせいで、俺はsbpさんに見つかった。
sbp『pkさん!よかった…、大丈夫すか?!』
pk「ぁえ…っ、なんで来たの…!!」
俺は肩に置かれた手を跳ね除けた。
sbp『pkさんが心配だからです!!pkさん、この部屋の状態は…どうしたんですか?』
pk「っ…!ぅうっ、ふっ、う……!」
涙が溢れて止まらない。上手く話せない。
sbp『大丈夫、慌てない。落ち着いてからでいいすから。』
sbpは俺の背中をさする。
pk「ひぐっ…ぅ…、ぁあぁあぁぁっ…ぁっ、んぐッ、…ぐすっ……、」
それから俺が泣き止むまで、なにもいわずただ待っていた。
pk「……、」
落ち着いた俺は、sbpを見ることが出来なくて俯く。
sbp『pkさん。』
俺はびくっと震えた。
sbp『…、』
するとsbpは黙ってそのまま俺にハグをした。
sbp『大丈夫、俺はpkさんの味方です。』
sbp『絶対話さなきゃいけないことなんて、この世にはないんです。』
その言葉で、俺の震えは止まった。
話さなきゃいけないことなんてない。
pk「…っ、話さなくても、いい……??」
sbp『俺はいつか話してくれたらなって思うだけです。でも、一生話さなくてもいいんです。』
sbp『ただ話したら楽になることもあることを俺は知ってほしいんです。』
話したら、楽になる…、
pk「……たくて…、」
sbp『えっ?』
pk「っ…、ずっと…っ、しにたくて…」
pk「死にたくて、堪らないんですっ!!」
俺は目を瞑って唇を噛んだ。
sbp『……。』
sbp『やっぱり、これは本音だったんすね。』
sbpさんはスマホを取りだして俺に見せた。
俺とのメールのやり取りで、俺が最後に送ったのは、
「一緒に、死んでくれませんか。」
pk「ぁ…、なん…なんでっ??」
sbp『……、もしかして無意識だったり?』
pk「いやっ…、打った、けど…送ってないはずなのに、どうしてっ??」
sbp『pkさん、スマホはどこですか?』
pk「えっと…あ、どっか投げた…。」
sbp『その時に勝手に送られちゃったのかもしんないすね。』
sbp『pkさん。』
pk「っあ…ごめ、う、嘘だかr」
sbp『死にましょうか。いっしょに。』
pk「っえ……??」
sbp『……。』
部屋の明かりも付けていないせいか、彼の顔はよく見えなかった。
でもなぜか、笑っているように見えた。
pk「なんっ…え?い、いっしょに?」
sbp『pkさん。』
pk「は、はひっ…!」
sbp『俺は、死ぬのは怖いです。』
…え?
sbp『それと、pkさんにも死んで欲しくなんかないです。』
sbp『俺は勝手っすけど、pkさんは大親友…マブダチだと思ってるんで、』
sbp『死んで欲しくないし、俺も死にたくない。』
sbp『…でも、pkさんが願うなら、俺は一緒に死んでもいいです。』
pk「な、なんで…?」
儚げに笑う。
sbp『大事な、友達だからですよ。』
pk「わ、わかんない…!」
pk「俺には……わかんないよっ!!」
俺は立ち上がってsbpを押して走り出した。
俺が荒らした部屋の扉を開け、なにも持たずなにも履かず、家を飛び出した。
ここはマンションで、そこそこ高い階層だ。
逃げようにも、きっとエレベーターのところで追いつかれるに決まっていた。
ふと、思った。
この高さなら、死ねるんじゃないか。
pk「っあ…、 」
pk「死のう…、もう、いいんだ…、」
俺は高いフェンスを跨ごうとした。
sbp『pk!!!』
俺は腕を引っ張られた。
俺の身長じゃ、すぐにフェンスを越えられないことくらいすぐ分かるはずなのに、
pk「は、っはなして!!もう…いいっ!!俺は…俺は゛っ……!」
sbp『おちつけ!!っ…俺の話をきけっ!!』
sbpはそのまま虚弱な俺を引っ張って、またハグをした。
sbp『っ、1回冷静になれ!俺の話を聞いてほしい!』
pk「っあ…、……、わ、わかった…。」
sbp『…とりあえず、部屋に戻ろう?ここじゃ音が響いて近所迷惑になる。』
pk「…うん……。」
俺たちは手を繋いでゆっくり家に入り、荒れてた部屋ではなく寝室のベッドに座った。
sbpも裸足だった。
2人は沈黙した。
話し出したのは、sbpだった。
sbp『俺は、pkさんにどんな悩みがあって死にたいかなんて知りません。』
pk「…うん。」
sbp『知りたくないといえば嘘になるけど、俺は事情を教えてくれなくてもいいと思ってます。』
pk「…、うん。」
sbp『pkさん、俺はね、友達のために死ねるなら本望やと思ったんですよ。』
pk「…え、?」
sbp『最初、返信を見た時驚きました。ずっと悩みを抱えているのはわかってたんです。』
sbp『pkさん、いつも言葉が詰まる時って、次がある、ってときだけだから。』
pk「っ…、」
sbp『…そのあとなにを送っても既読がつかないし、電話も出てくれない。』
sbp『そのまま死んじゃってたらどうしようって思って、』
sbp『家は知ってたから、ちょっと遠いすけど急いでここまで来たんです。』
sbp『俺の、最高の友達を、見捨てたくなくて…助けたかったから。』
最高の、友達……、
sbp『その助ける方法が、例え一緒に死ぬこと…心中だったとしても、いいかって思ったんです。』
sbp『でも、ここまでいっておいて俺はやっぱ死ぬんは怖い。』
pk「うん…、」
sbp『だからね、pkさん。理由はまだ知らないけど、俺の話でまだ大丈夫って感じたら、』
sbp『俺のために、生きてくれませんか。』
sbpのために、生きる…?
sbpといつの間にか握っていた手に、力が入って小刻みに震える。
pk「おっ、俺は…っ、 」
pk「この死にたいって気持ちに……、まともな理由とか、誹謗中傷とかの言葉を浴びせられて苦しくなってるんじゃなくてっ、…」
pk「ただ不安でっ……!よ、よくわかんないんだけど…っ……、」
pk「急に死にたいって気持ちが溢れてとまらなくなるだけなんだっ…、」
pk「その気持ちも溢れてほしくなくて、次があるって…思いたく、なくて……ッ、」
sbp『…うん、よくわかった。』
sbp『死にたいって気持ちに、まともな理由なんて必要ないです。』
sbp『僕だってたまに死にたいって気持ちになることはある。』
sbp『それが常日頃から感じてるのが今のpkさんの状態ってことなんすよね?』
pk「っ…、」
肯定を示すために俺は首を縦に振った。
sbp『…つらかったね。話してくれて、ありがとね。…信頼してくれてありがとね。』
我慢して目に溜めていた涙を流した。
pk「ぅぐっ…、ひっく……、ぁ…っ……、」
sbp『今日は泣き虫っすねw』
pk「っ、ごめん、おれ…情けないや…」
sbp『いいんすよ。泣かなきゃ人生やってけないっすから。』
sbpは俺の肩に手を回して、俺の頭がsbpの膝に来るように体を倒させてきた。
いわゆる、膝枕だ。
sbp『…、ちょっと、恥ずいっすね…w』
pk「……、sbp。」
sbp『?なんすか??』
pk「ありがとう、本当に。」
sbp『っ、へへw、このまま1夜を一緒に過ごしましょうか♡』
pk「言い方がやらしい、だまってて。」
pk「しかも今ほとんど朝でしょ。」
sbp『うわほんまやん。』
時計は深夜の4時…少し明るくなってるから朝の4時といった方がいいか。
sbp『沢山泣いて疲れたでしょ。このまま眠って大丈夫っすよ。』
pk「……すー、」
sbp『あれっ、もう寝てたか。』
sbp『…おやすみなさい、ゆっくり休んで、pkさん。』
sbpは頭を撫でた。
目が覚めた。異様に体と目が重かった。
こういう時は部屋で暴れて泣いたあとの証拠である。
pk「…、sbp…。」
…あれ、なんでsbpの名前…
あっ、昨日…!!
俺は昨日のことを思い出して恥ずかしくなる。
いつもなら暴れたことは忘れている。
体の異常でその事実がわかるのだ。
それと大体起きる場所は寝室のベッドではなく、部屋の硬い床のどこかである。
pk「…、帰ったのかな。」
時計を見ると、まだ朝の9時だった。
あまりにも健康的な時間に驚く。
がちゃ、
俺はバっと扉に顔を向ける。
sbp『んぉ、起きたんすね。おはざ〜す。』
pk「…おはよ、ございます。」
sbp『部屋ぁ勝手に片付けといたんで、変なとこ置いてたらすまんやで。』
sbp『後勝手に一緒のベッドで寝ちゃった♡』
いつもの調子のsbpだ。
それが少し、怖く思えた。
昨日のこと、覚えてないわけがないのに。
pk「……、」
sbp『昨日のこと、引きづってますか?』
sbp『今は死にたいって思ってますか。』
的確な質問だった。
pk「…いや。」
pk「お前のために、もう少し生きようと思ったよ。…そして、」
その先の言葉は、sbpの表情を見て、言う必要がないと思った。
END
コメント
1件
読み終わりました……。すごく重いテーマなのに、最後まで引き込まれてしまいました。pkの「死にたい」という感情に理由なんてなくて、ただ日常的に押し寄せるものだっていう描写が胸に刺さりました。sbpが「大事な友達だから」って理由だけで来てくれて、しかも「一緒に死んでもいい」と言いつつ「でも俺のために生きてほしい」って矛盾した優しさをくれるところ、人間臭くて泣けました。 あの膝枕のシーン、言葉の少ない温かさがよく効いてたと思います。続きがすごく気になります……!