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1コメ✨️はるかぜさんの言い回しとかセリフとか、リアル感あってほんと大好きです❤️🔥いつもありがとう〜
順番があれなのですが、雨とココアのお話の後です···。
酔って現れるのは本音か願望か。
目の前の恋人を見ながらどっちなのかなとぼんやり考えながら俺はひたすらジュースを飲んでいた。
明日は仕事が昼過ぎから夜一緒にいよう、と誘われてそこまでは良かった。ただ計算外だったのはなぜかお邪魔した時からほろ酔い気味の若井がそこにはいたことだった。
「なんでひとりで飲んでんの」
「元貴待ってたら緊張しちゃって。ちょっと酔ったくらいがちょうどいいかなって、あはは」
何をさっきまで一緒に仕事していた相手と会うことに緊張するのか不思議だったけれど酔った人間の発言はそこまで真剣に向き合うものではないような気もする。
「そうだね、若井と一緒に飲むって久しぶりだしいいか」
そのつもりはなかったものの、一緒に飲むのは飲みすぎなければ楽しいだろうと机にあるものを物色していると、手を掴まれた。
「元貴はジュースにしてよぉ」
「なんでやねん」
思わずツッコむと若井はげらげらと楽しそうに 笑ってみせるがなんとも納得がいかない。
「だって、元貴酔ったら寝ちゃうから」
ぐ、と言葉が詰まる。確かにそんな時も過去あっただけに絶対ないとは言えない。でもひとりだけ飲むなんてズルい、と言おうとしたその時。
「おねがい」
そう言われてぎゅっと抱きつかれる。
はぁぁ、と俺は深くため息をついてジュースを手に取る。たまに甘えてくる若井には勝てないな、と思う。お酒が入ると舌っ足らずな羅列が回らない感じになるのもなんだか可愛かった。
ジュースとチューハイで乾杯して、久しぶりに仕事以外のことをゆっくり話す。若井はいつもより少しお喋りで頬はほんのり赤くて見ているだけでも楽しい。
「そういえばこの前なんで若井は手繋いだままスタジオ入っていったの?」
ふとあの雨の日、スタジオに戻った際当たり前のように手を繋いでいて涼ちゃんに散々からかわれたのを思い出した。まぁ何も言わず繋ぎ返してそのまま戻ったのは俺だけどあの時の若井は耳まで真っ赤になってしどろもどろになってあれこれ言い訳しているしギターは、間違いまくるし本当に面白かった。
「あれはっ、元貴があんなとこでキスしたから可愛くてつい···ほんとに当たり前に···皆の目線がめちゃくちゃ痛かったんだからぁ」
「慌てるから余計怪しかったよ 」
「だって···恥ずかしかったし。それにあれは元貴のせい···ね、キスしていい?」
「脈絡なさすぎて涼ちゃんみたいになってる」
「はぁ?そんなことないから!あーもうそんな意地悪言うならキスさせて」
いきなり若井がソファに座る俺に乗っかるように押し倒してきて唇を押し付けられて、息が切れるくらいの激しいキスをされる。
「わっ、っ···ちょっと!」
僅かに抵抗したが無視されて首にも唇が押し付けられて吸われる。
「見えるとこはやめろって」
「いいでしょ、元貴は俺のものだし」
普段は気を使って跡になるようなことはしないのに、今日はちょっと強引だ。
だめだって、と言葉では若井を止めるけど身体は既に受け入れて、首や胸元を強く吸われるたびに俺はビクビクと反応してしまう。その反応はきっと若井にも伝わっていてやめるどころか二の腕や内太ももなど、柔らかくて跡がしっかり残りそうなところに執拗に吸い付いてきた。
「元貴······噛んでいい?」
「は···ぇ?」
「ごめん」
返事もしていないのにかぷ、とお腹の辺りが噛まれる。最初はくすぐったい、と思える甘噛みでほっとしていたら、歯をたてて噛みつかれる。
「いっ···!」
「元貴っておいしいよね···」
そう言うと鎖骨の辺りもガリ、と噛みつかれる。まるで吸血鬼みたいだ、なんて考えていると歯型がつくくらい噛まれて痛むそこをペロペロと優しく舐められる。
「いたい···って···」
「元貴の白い肌が俺のキスマークと噛み跡で赤くなってて綺麗だ···」
「もう、やめろって···痛い···」
「けどこっちは気持ちいいっていってるよ?」
若井の手がいつの間にかズボンをずらし硬くなっていた俺のものを撫でた。
「これは違うから···!」
今更否定したところで若井には通じないだろう。嫌だ痛いと言いながら感じてしまっていたのは明らかだった。
「そう?こんなにぬるぬるになってるのにね?」
そういって先をぐちゅぐちゅと指で弄られるとビリビリと気持ちよさが全身に走り思わず声が出てしまう。
「んンッ···!」
「もっくん可愛いね」
根元をぎゅっと握られどこからか出してきたローションをとろりとかけられ先だけでなく全体をいじめられる。
「っん!ふぁ···ァッ、きもち···」
だんだんと出したい欲求にかられて若井を見るが俺の感じている姿を余裕のある表情で見ながら手をひたすら動かしている。
「手離して···!」
「だーめ」
やっぱり今日の若井はいつもと少し違う。限界なのにイクことを阻まれて苦しい、いきたい、いかせて、そればかりが頭の中を占領する。
「んッ···、もうやめ···むりっ」
「俺も無理そう」
そういうと腰を掴みいきなり若井のが侵入してくる。手を離されたことと挿入された刺激で俺はひとり先にいってしまった。
「イッ···ぅぅっ···」
「あぁ、すごッ···締めすぎ···けどまだまだ終わんないから」
「俺イッたって···!」
俺の抗議を無視するとガツガツと腰を押し付け欲望をぶつけられる。
いつもは俺の反応を見ながら進んでいく行為が今日は違う。
怖い、強い、苦しい···なのに、興奮していて余裕の無さそうにしている若井を見ていると身体が高揚してきてまた俺のものは熱を持っていった。
「はァッ···くっ、もときっ、もときっ···」
「ひろとっ··すき、いいっ···! 」
「俺もっ····· 」
若井がそういうと奥に熱いものを感じて一緒に果て、ぐったりとした身体にの上に倒れ込んできた。
「···ごめんなさい」
綺麗にした身体で2人でベッドに寝転びながら若井が謝ってくる。
すっかり酔いが覚めたのかさっきの勢いはなく、体中に自分が残したキスマークや歯型をそっと撫ででいる。その指先は優しくて心地良い。
「···痛いんだから」
「ぅ゙っ、本当にごめん···けど元貴もいつもより気持ちよさそうだっ···」
言い終わる前に軽く若井の頬をつねる。いてっ、といいながらなんだかへらっと笑っているのが癪に障る。
「···見えないとこなら」
「ん?」
「見えないとこなら、たまにはいいよ」
「えっ····やば、もう1回したくなってきた」
そんなこと言いながら俺に抱きついてくる若井の頬をもいっかいつねってやった。調子に乗るな、さっきあんなにされて俺はもうクタクタだ。
俺に叱られても若井はへへっと幸せそうに笑っている。
その顔を見ていると次第にうとうとと眠たくなってきた。
身体に残された跡がたまに痛むけれどその痛みも寧ろ心地良いなんて。
たまには酔わせて本音や願望を聞き出すのも悪くない。
それが愛しい恋人であれば。