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09/11
syu side
人特有の温かさと重さを感じて飛び起きる。
その正体はfuだった。
syu「寝相悪すぎ…」
もしベッドで寝ていたら確実に落ちているな、
と思いながら、fuに布団をかけ直す。
カーテンからは光が漏れだしており、太陽がすでに昇っていることを知らせる。
ふとテーブルの上を見ると、何か紙のようなものが置いてあった。
手に取ってみると、手紙のようだった。
”kzへ
〜〜(省略)”
少し笑ってしまうも部分あれば、 悲しさを感じる部分もある。
言葉遣いからして、きっとfuが書いたものだと思う。
この震えた文字から、書いた時のfuの気持ちが分かる。
きっとみんなが寝た後の深夜に書いたんだろう。
夜はネガティブになりやすいと聞いたことがある。
syu「kzに気持ち、伝わるといいね…」
fu side
朝起きると、syuがすでに椅子に座っていた。
fu「おはよ〜!やっぱりsyuは早いな〜」
syu「誰のせいだろうね…(*^^*)」
fu「え?…俺なんかした??え、ごめん!!」
syu「大丈夫大丈夫…あとこれfuの?」
syuは1枚の紙切れを渡してきた。
それは、俺が昨日書いた手紙。
fu「あ、そうだけど…なんでわかったの?」
syu「言葉遣いとkzに対する気持ち、かな?」
コイツ…意味深なことを言いやがって…
fu「はあ、」
syu「kz起こしちゃって大丈夫?」
fu「うん、大丈夫そうだね。じゃあrm起こしちゃうわ、」
rm side
今日はゆっくり眠れた。
俺たちは今、パン屋に来ている。
fu「ん〜、じゃあ、カレーパンください!」
rm「じゃあ、俺もそれで!」
fu「お前もかよw」
syu「クロワッサンください!」
kz「え〜、俺もクロワッサンにしよ〜」
それから、昼食用のカレーを買って、旅館に戻ってきた時、
突然kzが発作を起こしたんだ。
kz「ッッ、ゲホッゲホッゲホッゴポッ」
fu「kz!?」
fuがいち早くkzの異変に気づいた。
kzは、血を吐く、いわゆる吐血をしていた。
濃くて美しい赤は、時に恐怖と残酷さを感じさせる。
syu「救急車呼ぶよ!?」
fu「お願い!」
やっぱり、俺、なんも出来ないんだな…
fu「俺、付き添い行ってくる!」
そしてfuとkzを乗せた救急車は病院へと向かっていった。
取り残されたsyuと俺は、それぞれ家に帰ることにした。
結局なにも出来なかった。身体が動かなかった。
家に帰って来た今でも、鮮明にあの光景が思い浮かんでしまう。
rm「やめてくれよッ…」
もう、思い出したくないッ、自分を見失いたくないッ…
頼むから、忘れてくれよ…!
fu side
病院の廊下の椅子に座って待っていると、先生に呼ばれた。
医者「残念ながら…」
fu「そう、ですか…」
───kzはあと”余命3日”
冷たく、まっすぐな眼差しで告げられた。
わかっていたことだ。kzはもう長く生きられないんだと。
けれど、何度聴いても慣れない。
人間として、慣れてはいけないのかもしれないけれど…
しばらくして、病室への入室許可が出た。
病室はいちめん真っ白い部屋。
その部屋のベッドに、君は眠っていた。
病人特有の白くて血の気のない肌。
綺麗な程に白いその空間に、俺は恐怖を抱いた。
この世のものとは思えなかったんだ。
きついアルコールの匂いに俺は少し頭痛を感じ、病院を後にした。
家に帰ってからも、その光景が目に浮かぶ。
突然倒れ込み、血を吐くkz。
それは、俺にとってトラウマでしか無かった。
何よりもその赤が、恐怖感を引き立てていたんだ。
震える身体を誤魔化すように、俺は手紙を書き始めた。
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kzへ
旅行楽しかったね。
牛丼美味しかった?
俺、動物園なんて何年ぶりに行ったんだろう、
そうそう、あそこのカレー、美味しかったな!
また行こうな!
fuより
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俺は、闇だけを避けるように文字を紡いだ。
あんなことなんてなければなかったのに、
きっと夢を見ていたんだと、自分に嘘をついた。
───明日も、kzは元気に笑っている。
そう思って、眠りについた。
また明日、