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新人で現パロです。貴方がちょっとクズかもです。エセ関西弁などが含まれますのでご注意ください。○○というのには貴方の名前を入れて読んでください。
※ちょっと微えrです!!※
それでも良い方はどうぞ!
「なあ、自分の何処が駄目だったん…?」
目が覚める。嫌な汗が背中を伝う。
「ん…またあの夢?」
隣で寝ているチーノが言う。彼は今の恋人だ。彼には色々と感謝している。
「…○○、水でも飲も。」
チーノはベッド脇にある眼鏡をかけ、私の背中をさする。深呼吸しよ、と声をかけられる。チーノの呼吸に合わせて一緒に深呼吸する。
「…うん、ごめん。」
二人はベッドを抜け、キッチンに向かう
キッチンではチーノがホットミルクを作ってくれた。
「はい、どーぞ。」
湯気でチーノの眼鏡が白く曇る。
「ありがと、チーノ。」
コップを受け取り、飲む。ホットミルクが喉を通り、体を温める。
「ううん、これくらいしか出来んから。」
チーノは目を伏せ悲しく言う。私はそれに何も言えなかった。
夢の内容は思い出したくもないものだった。
私は昔、ショッピと付き合っていた。ショッピとの出会いは会社だった。
ショッピが私の後輩として入ってきた。よく出来た後輩だったと思う。
教育係として接していくうちに私達は惹かれ合った。ショッピと行った場所、ショッピとした会話、ショッピの仕草、ショッピの熱い肌…なんでも鮮明に写った。
しかし、彼は私を捨てた。
「ごめん、もう好きやないわ。」
「なあ、自分の何処が駄目だったん…?」
「さあな。」
彼は言い捨て、バイクで去っていった。
その光景が夢に出てくる。その時の嫌な気持ちが蘇る。
多分彼には好きな人が出来たんだと今は思う。だが、昔の私に考える余地がなかった。
その後はどうして、どうして、などと塞ぎ考えた。
一晩中泣いた。
だが時間は誰にも平等に流れていく。それは当たり前だと思っていたことが非情に思えた。
朝、腫れた目を隠すように下を向きながら出社した。彼と合うことを避けようとしていたが、重要な彼の姿が見えない。
気まずさはないが、少し心配になる。
自分の席に付き、仕事をこなす。昨日のことを少し思い出し、涙ぐむが我慢する。
「ねえ知ってる?塩戸君、やめたらしいよ。」
「前々から決めてたらしいよ。」
「なんかあったのかなぁ。」女子同士の声が聞こえてきた。
ショッピが辞めた…?
彼からは何も聞かなかった。いや、言わなかった。
元から私のもとから離れることを決断していたのだ。それに気づき、また涙が出そうになる。
急いでトイレに行く時、誰かに呼び止められた。
「○○さん、こっちのほうがええです。こっち行きましょ。」
チーノの声だった。上着を頭から着せられ、顔を隠される。手を引かれ、人気の少ない場所に連れて行かれる。
「えっ、ちょっと、」
急なことで戸惑った。嫌なことが横切ったが、もうどうにでもなれという諦めが涙と一緒に落ちた。
連れて行かれた場所は仮眠室だった。
私をベッドに置き、チーノは椅子をベッド付近に持ってきてはそこに座った。
「○○さん、ショッピと付き合ってることは知ってます。あいつは前々からおかしいと思ってたんです。」
上着がズレ、チーノの真剣な顔が見える。
「ここは本当に誰も来ないんで、泣いても大丈夫ですよ。」
淡々と言う。
干渉してこないチーノの声が私の心をほぐした。
「チーノ、まじでごめん。世話かけたな。今度なんか奢らして。」
先輩が後輩の前で泣いてしまった。水を持ってきてきもらったり、背中を擦られたり、ティッシュを持ってきてきもらったりして頂いた…。
「大丈夫ですよ〜w…それにしても目、もっと腫れちゃいましたね。」
チーノの目が私をじっと見つめる。
「大丈夫、ありがとうね。」
熱い視線に耐えられなかった。そっぽを向く。
「…○○さん、俺だったらいくらでも相談に乗りますよ。」
彼なりに力になろうとしてくれている。それだけで嬉しかった。
「じゃあ、今日飲も。飲まなきゃやってられん。チーノ、愚痴聞いてくれる?」
これ以上遠慮しても彼は引いてくれないだろう。
「勿論です!」
「まじあいつなんなん!?急に好きやない言われてさぁ!!」
ある居酒屋で二人は飲んでいた。食器がぶつかり合う音、店員さんの声、酒の匂いなどが部屋に充満する。
「いいぞぉ○○さん!!言ったれ言ったれ!!」
二人は酒が入り、酔っていた。程よく飲んでいたため、ほわほわしていた。
「ちーのぉ….もうお開きにしよ。今めっちゃ気持ちいいんや。私が奢るから。」
「うーん….そうですね!ご馳走さまですパイセン!!」
フラフラな足でレジまで歩く。
少しよろけて、転けてしまった。
ああ、床に頭をうつと思っているが避けられない。きゅっと身構えているが、衝撃はやってこない。
「うおっ!○○さん、危ないっすよ〜?あとで水でも飲みましょ。」
腰に手をかけられ、床に頭をうつのを阻止してくれた。
「あ〜…ごめんな。ありがとう。」
腰から感じる体温や手の大きさが私をより熱くさせる。
会計を済ませ、自販機で水を買ってもらう。
「○○さん、水です。どうぞ。」
自動販売機の光でチーノの顔が照らされる。
「ん、ありがとう。」
拙い手で開ける。水を飲む。酔いが少し覚めた気がする。
「○○さん、ここにいるのもあれなんで送りますよ。家どこですか?」
「いや〜、だいじょぶだいじょぶ。かえれるよ。」
自分で言っときながら、どこが大丈夫なのだろうかと考えた。
「大丈夫じゃないっすよw○○さん、歩けますか?無理そうならどっかテキトーなホテル取りますけど。」
ホテル。少し身構てしまったが、こいつとは先輩と後輩後輩の関係。
何も起こらないし、起こさせないと誓い、チーノにホテルを取ってもらった。
「○○さん、明日は休みましょ。」
「ん…やすむぅ!」
呂律が回らなくなってきた。
だが、もう酒のせいでどうでもいい。
布団の上が気持ちいい。ふかふかだ。
チーノは上着を適当に椅子にかけ、こちらに近寄る。
「○○さん、俺、本当は○○さん目的で今日は近づいたんです。ショッピとも別れたし、俺と付き合わん?」
チーノの言ってることを理解するのに時間がかかった。だが、言い方が、頬を撫でる手がショッピに似ていた。それだけで許してしまった。
「…ん、いいよ。」
ゆるしてね、わたし。
チーノは私の上に覆いかぶさり、私を抱いた。
起きたときには朝の7:00だった。会社に休みの報告をし、休みを貰った。
チーノに抱かれた感想はショッピと違う、だった。そりゃそうだ。チーノとショッピは別人。
同じなわけがないと思いつつも、ショッピのことが忘れられない。
「ん…おはようございます…。」
チーノが目覚めた。彼の裸を見ては昨日のことを思い出す。
「うん、おはよう。」
「○○さん、昨日のこと、覚えてます…?俺は…その、覚えてるんですけど。」
「私も覚えてる。付き合うって話でしょ。」
「はい!…でも、いきなり抱いたりしてすみません…。」
「そうやな、あれはないわ。」
そう言い切る。チーノはガーンとショックを受けている。素直で可愛いと思う。
「まあ、よろしくね。」
額にキスをする。チーノの顔は瞬く間に赤くなる。あのときは、幸せになると思っていた。
「○○さん?眠いならベッドに行きますか?」
チーノの声で目覚めた。リビングで軽く寝ていたそうだ。
「いや、もうちょいここにいる。チーノは寝ててもいいよ。」
「じゃあ、ベッド温めてますからねw」
「お願いするわw」
そういい、チーノを見送った。スマホが静かに振動する。
画面を見るとショッピからだった。心臓がどくりと動く。心臓が痛い。見てはだめだ、今はチーノがいると思っても見てしまう。
[なあ、元気にしとる?]
[会いたいんやけど、どこがええかな。]
[初デートのとこで待っとる。]
[フリーなら、返事して。]
私はその画面を見てすぐ動いた。パジャマのまま外に出る。寒さなんか気にしない。初デートの場所を思い出し、走り出す。
チーノ、ごめん。貴方は彼の代わりにはなれなかったよ。