チワワで、学パロです。エセ関西弁が含まれます。○○というのには貴方の名前を入れて読んでください。
それでも良い方はどうぞ!
自分には嫌いなやつがいる。
コネシマだ。
あいつは目が合えば暴言をはくし、声はうるさい。
あいつの友達らしき人は優しそうに見える。
確かにうるさいが、あいつほどでもないし、常識もある。
あいつよりいいと思う。あいつと同じクラスになったらいつも喧嘩ばかりで周りに迷惑をかけてしまう。
廊下で私は友人と話していた。
「ねえ、私好きな人いてさ。」
友人がそういう。彼女に好きな人がいたとは。付き合っても泣かせるようなら、殴ってやる。
「えっ、まじ!?誰だれ?」
「実は、A組の田中くんで…。」
「まっじか!!あのひと優しそうだもんな〜。」
「そうなの!しかも、話が面白くてー!」
友人の嬉しそうな顔にこっちまで嬉しくなる。
「ね、好きな人のタイプってある?」
友人が私に話題を振る。
「んー…優しくて、常識があって、大切にしてくれる…イケメン。」
指を折りながらタイプを考える。まあ、自分を愛してくれるならいいと思う。…そんな人いないと思うが。
話に花を咲かせていると、あいつが前を通った。
睨まれたので睨み返し、後ろ姿にすべって転けてしまえという呪いをかける。
「本当に犬猿の仲だよねぇ。」
「…しずく、はよ。」
トイレに行こうとしたところをあいつに挨拶された。いきなりだったので、気色悪、などとおもったが、無視をするのも良くないと考え、挨拶する。
「…どうも。」
それだけいい、トイレへ向かった。
トイレの中でも、なんだあいつと考えてしまう。教室に戻り、先程の内容を友人に話す。
「ねえ聞いて。なんかあいつが挨拶してきたんだけど。」
「えっ。意外に挨拶するんだね。」
「いや、挨拶する関係じゃないんだけど…。なんかきしょい。」
「きしょいは言い過ぎwまあなんか合ったんじゃない?そうじゃなきゃ、喧嘩してる相手に挨拶なんかしないでしょ。」
「そーだけど…。」
先程の出来事をまるで怪奇現象のように思う。
それからというもの喧嘩はなくなった。逆に優しくされるようになった。移動教室ですれ違ったときは、挨拶されるし、廊下で大声を聞くこともなくなった。不気味すぎる。
放課後、図書室に本を返しに行った。
図書室に入ると、あいつと友人がいた。咄嗟に隠れてしまい、出る隙を見失った。
会話を盗み聞きするような形になってしまった。
「シッマ、あの子のことどうなったん。」
あいつの友人の声だった。確か、鬱、みたいな名前だったはず。
「挨拶ぐらいはできるようになったわ。しっかし….優しくするってどうすればええんや…。」
落胆するような声が聞こえた。
理解ができず、思考を巡らす。
「挨拶程度かいww」
「うっさいわぼけ!!これでも進歩したんやぞ!」
「シッマにしては頑張った方やな。お前も案外奥手やのぉ。な、○○ちゃんに話しかけるのはどうなん?」
「あー…してないなぁ。話しかけてみるかぁ?いや、まともに話しかけられへん。」
そこまで聞いてようやくわかった。
いやしかし、根拠がない。
あいつが自分のことを好きなんて…。
いや、違う。
パニックになってしまい、本を本棚に置き、その場を逃げた。
「…しずく?」
下校道を走った。風が私の方を撫でる。人々が私を見ているが、どうでもいい。
これが夢ならどうか覚めてくれ。